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■ Windows Vista以降にしか提供されないDirectX 10

 DirectXは、ビデオカード(GPU)やサウンド機能、ゲームコントローラといったハードウェアを制御するための拡張API(Application Program Interface:プログラムを行う命令集のようなもの)だ。ハードウェアの性能を引き出せるように設計されており、ゲーム開発には必須の機能である。

 2006年12月現在、Windows XP環境の最新バージョンはDirectX 9.0cだが、VistaではDirectX 10が搭載される。ここで覚えておきたいのは、DirectX 10はVista専用となり、Windows XP以前のWindowsには提供されないことだ。DirectX 10対応のGPUは、すでにNVIDIAのGeFoece 8800シリーズが登場しているが、こうしたビデオカードのフル機能を使うにはVistaが必須となる。ゲームユーザにとっては、この点だけでもWindows XPからVistaに移行する理由になりうる。

 DirectX 10対応のGPUをWindows XP環境で使う場合は、DirectX 9.0c対応として動作することになる。ドライバのサポートしだいという一面もあるが、しばらく間はWindows XP用のDirectX 9.0c対応ドライバも提供される。当然、DirectX 10の範疇となる機能は使われない。現実的な選択としては、DirectX 10を必要とするゲームが増えてくるか、プレイしたいゲームがDirectX 10を要求する時点で、Windows XPからVistaへの移行を考えてもよいだろう。

 また、DirectX 10では、DirectX 9.0cまでのバージョンと比べて内部的な設計自体が見直されている。これがVista専用となる理由だ。DirectX 10対応GPUのVista用ドライバも、DirectX 9.0c版のドライバから総取り替えとなる。DirectX 10世代のGPUでは、これまでのGPUよりも高度なプログラムが可能だ。CPUがより汎用的になり、グラフィックス以外の処理を行わせるような利用も期待されている。例えば、動画のエンコードやデコードといった処理だ。DirectXで画面を描画するアプリケーションを、複数同時に起動できるといった特徴もある。
 余談だが、DirectXは、制御するハードウェアに合わせて複数のAPI群で構成されている。GPUの3D描画を扱う「Direct 3D」、ゲームコントローラーなどを扱う「Direct Input」、サウンドを扱う「Direct Sound」といった具合だ。このうち、開発が積極的に継続されているのは、現在ではDirect 3Dのみとなっている。Vista関連の話題では、「Direct 3D 10」や「D3D10」といった表記がよく登場するが、これらはDirectX 10とほぼ同じ意味と考えてよい。

■ ドライバのサポート状況について

 ビデオカードのVista対応ドライバのサポート状況をまとめておこう。

 Windows Vistaでは、Windows XP用のドライバとはドライバの設計自体が根本的に異なっている。これは「WDDM」(Windows Display Driver Model)といわれ、ビデオカードのドライバがWDDM対応であることが推奨だ(実際は必須と思ってよい)。簡単にいうと、WDDM対応でないとWindows Aeroが動作しない。

 WDDMでの変更点はいくつかあるが、ユーザモードドライバとカーネルモードドライバを分離したことと、GPUのマルチタスク動作を実現した点が目立つ。DirectX 10とも関連し、複数のDirectXアプリケーションを同時に実行することが可能だ。安定性も向上しており、Windowsの中核的な部分で動作するコンポーネントが簡略化されている。GPUやドライバにエラーが発生しても、ドライバだけを再起動でき、システム全体を巻き込んでクラッシュする確率が大幅に低減した。そのほか、動画の再生品質の向上、テレビやプロジェクターとの簡単な接続、ハイブリッドスリープへの対応といった強化がなされている。ハイブリッドスリープとは、Windows XPの省電力モードである「スタンバイ」と「休止状態」を一体化したものだ。現在の作業状態をメモリとHDDに保存することで、省電力モードからの高速な復帰(メモリから状態復帰)と、データ損失の防止(メモリ内容が失われた場合はHDDから復帰)を両立している。WDDMの概要については、マイクロソフトのWebページを一読してみるとよいだろう(Windows Vistaドライバモデル解説ページ(マイクロソフト))。  さて、実際のWDDM対応状況だが、Vistaのインストールディスクには、おもなGPUとチップセット統合グラフィックスのWDDM対応ドライバが収録されており、NVIDIA、AMD(ATIテクノロジーズ)、インテルなどはすでにVista対応ドライバをWebサイトで配布している。

・AMD:http://ati.amd.com/support/driver.html
・Intel:http://downloadfinder.intel.com/scripts-df-external/Support_Intel.aspx?lang=jpn#
・NVIDIA:http://www.nvidia.co.jp/content/drivers/drivers_jp.asp



■ ゲーム環境のネットワーク・コミュニティを統合するLive Anywhere

 Live Anywhereは、Windows、Xbox 360、Windows Mobile(を搭載した携帯機器)というゲームプラットフォームにおいて、ユーザ同士のネットワーク・コミュニティを統合する構想だ。もしくは、統合されたオンラインのネットワーク・コミュニティを指す。

 1つのユーザIDだけで、こうした異なるプラットフォームでゲームを楽しむユーザに対して、共通したサービスが提供される。すでにXbox 360のユーザで、Xbox Liveネットワークに接続している人は、イメージしやすいと思う。Xbox 360に限らず、Windows PCやWindows Mobile端末から接続しても、共通のフレンドリストやゲーマースコアなどが使用される。ユーザ同士によるメッセージのやりとりや、同じゲームでの対戦プレイなどが可能だ。Windows Mobile端末を含めた場合、カードゲーム、テーブルゲーム、パズルといった、シンプルなゲーム(カジュアル・ゲーム)での対戦を想定している。携帯端末に関しては、JavaやBREWといった環境でも、Windows Mobile環境と同等のサービスが提供される予定であることも、非常に大きなポイントだ。

 また、2006年5月に開催されたE3では、ハードウェアによって異なる遊び方やゲーム機能がプレゼンテーションされている。例えば1つのレーシングゲームで、Windows Mobile端末で車やパーツを購入、購入した車やパーツをWindows PCで装飾、そしてXbox 360でプレイするといった内容だ。Live Anywhereが本格的に立ち上がった際には、どんなアミューズメントスペースになっているのか、実に楽しみである。

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