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新しく採用された“ミッション”
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FSXはミッションのクリアとは関係なく、“フリーフライト”モードで好きな空港と機材を選んで飛び立てる。むしろ“フリーフライト”がフライトシミュレータ本来の楽しみ方だ。世界の空港と風景が網羅されており、地元の空港から飛び立てる。これもかなり楽しいけれど、飛ぶ目的がないと寂しい。初めてフライトシミュレータを遊ぶ人にはTUTORIALと表示されたミッションのクリアが当面の課題になるだろう。ミッションの難易度は4段階あり、そのうち12本にTUTORIALというタイトルが付いている。
TUTORIALは本当に簡単なレベルから始まる。例えばTUTORIAL1はウルトラライトプレーンで離陸して真っ直ぐ飛び、3つのチェックポイントを通過して着陸するだけ。教官が日本語で丁寧に説明してくれるから安心だ。所要時間はたったの5分だが、初心者なら離陸したときの浮揚感にワクワクするし、着陸時の安堵感も心地よい。そしてなんといっても教官から「ナイスランディング!」と言われると嬉しい。ちょっと飛んだだけなのに、なにか大きなことを成し遂げたような晴れ晴れとした気分になる。
TUTORIALミッションはガイドに従って飛ぶ
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TUTORIALは従来のフライトシミュレータファンには物足りないかもしれない。フリーフライトよりも達成感が得られるから、ひととおりクリアしてみる価値はある。TUTORIALに採用されている空港は、アメリカのエドワーズ空軍基地、イーグルクリーク、アイダホ州林野局、ネバダ州ミンデン、ハワイ、イギリスのエディンバラ、フランスのバルスラナなどがある。フリーフライトでは訪れる機会のない場所だから、ツアー感覚で楽しんでもいい。ちなみにエドワーズ空軍基地にはスペースシャトルやSR-71型爆撃機などが置かれており、ミッション終了後のフリーフライトで探索を楽しめる。オブジェクトによっては教官が説明してくれるなど、かなり細かい演出が仕込まれている。
TUTORIALではグライダーやヘリコプターなども登場する。フライトシミュレータといえばジェット機や軽飛行機を飛ばす遊び方が主流だが、優しいレベルと紹介されると試したくなる。ところがこれは少々手強い。私はグライダーで上昇気流を使いこなすまでひと苦労だった。しかし慌てずに指示に従ってクリア。予定時間30分のところが60分以上かかった。もっともグライダーなので燃料の心配も要らず、いったんコツを覚えれば美しい景色を眺める余裕もあった。
タキシングの練習もカリキュラムのひとつ
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ヘリコプターはさらに手強い。急な操作は厳禁で、いったんバランスを崩すと機体がスピンして収拾がつかない。これはさすがに数時間かかった。ちなみにTUTORIALに登場する小型ヘリ、ロビンソンR22は機体が軽いため暴れやすいようで、難度の高いミッションに登場する大型ヘリ、ベル206Bのほうが安定しているような気がする。R22はパワーを上げるとすぐに前のめりになって前進するが、206Bはパワーを上げても機体は平行を維持するため、垂直上昇/下降しやすい。こうした機体の癖もきっちり反映させているあたり、さすがはフライトシミュレータである。
なんとなく判ったことは、飛行機もヘリも、前進加速している時がもっとも機体が安定するということだ。急操作は厳禁。ジョイスティックを赤ん坊のように優しく扱い、何度か練習すればパニックからも復帰できるようになる。練習を続けて、飽きない程度の時間で乗りこなせるようになる。シミュレータはゲームではないとは言うけれど、この難易度や克服の楽しさ、時間の経過などは、まさに絶妙なゲームバランスと言えるだろう。
“ミッション”の搭載はフライトシミュレータを親しみやすくする良い工夫だと評価できる。今までのフライトシミュレータは、機体と空間が与えられるだけで、目的はプレイヤー自身が考える必要があった。景色が変わったりハプニングがあるわけでもないので、無目的に飛んでいるとすぐに飽きてしまう。ミッションのおかけで目的意識が持てるし、思いがけない場所を飛べる。そしてなんといっても任務終了時の達成感が大きい。51本のミッションをすべてクリアしたら元を取った気分になれそうだし、サードパーティからミッションパックが出たら欲しいな、とも思う。
険しい山間を飛ぶミッションもある
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■ 「操縦は君に任せる」とシャアが言った!
FSXには31人の声優が出演して“ミッション”を盛り上げている。TUTORIALを担当する教官は堀内賢雄氏、洋画DVDではトム・クルーズ、トム・ハンクス、ジム・キャリー、キアヌ・リーブスなどの2枚目を担当し、アニメでは機動新世紀ガンダムXのジャミル・ニート役などが知られている。優しくしっかりした声で落ち着かせてくれる。TUTORIALにはまさに適役だ。
シビレルほど嬉しい配役は「東京ヘリ秘密指令」ミッションで機長役の池田秀一氏。機動戦士ガンダムのシャア役はあまりにも有名で、池田氏もそれを意識しているのか、語り口はほとんどシャア調。「操縦は君に任せる。無線は私が担当しよう」と言われると、なにか戦局を左右するような任務を与えられたような高揚感だ。もっともこのミッションは「羽田空港を発ち、汐留にいるVIPを成田空港へ送る」という任務で、もちろん戦闘はない。無線で指令を受けるとシャアは言うのだ。「そうか。成田空港へはヘリか!」と。「大佐、だから僕たちヘリパイロットですから。しかもこのお客さん常連ですから」と突っ込みを入れたくなるほど“シャア全開”なのだ。
空港設備も作り込まれている
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パイロットの友人という設定で登場する声優は松井菜桜子氏。名探偵コナンのお嬢様役で人気の松井氏は「海峡横断計器飛行」ミッションで隣に座っているという設定だ。お嬢様が所有するセスナ機を借りて空のデートを楽しめる。強めの語り口で終わればお抱えパイロットのようだが、語尾がフワッと揚がって楽しいデート気分にさせてくれた。
声優陣は主に海外ドラマの吹き替えで活躍する人をキャスティングしたようで、韓流ドラマや洋画好きにとってなじみのある声ばかり。声優ファンが声をコレクションしたさにFSXを買うのもアリかもしれない。ちなみに声はストーリーに沿った部分だけではなく、ミッション終了後に特定のシーナリーや建物などを解説してくれるし、ミッションのコースから外れたときなども様々なパターンで台詞が聴ける。声を探すためにどんどんフライトテクニックが上がっていくことだろう。メインキャストではないけれど、航空機が登場するドラマが好きな人なら、磯部勉氏の声を探してみてほしい。「超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ」で主役のジャン・マイケル・ビンセント役の吹き替えを担当していた声優さんだ。
羽田から汐留を目指すミッション。東京タワー、レインボーブリッジ、フジテレビが見える
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