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GM業の苦労と楽しみ
― GMのお仕事の中で苦労している点や楽しい点についてお聞かせください
木村:ではまず苦労しているところから。最近良く取り上げられている、不正な海外からの接続者やRMT、BOTといった対応に関して、こちらの内情をユーザ様に言いたいけれども言えないっていうところが一番苦しいですね。当社の運営ポリシーや個人情報保護のポリシーに引っ掛かってしまって、具体的な対策内容などについて、伝えたいけど伝えることができないという状況が多々発生しています。
― なるほど。
木村:対策内容などをユーザ様へお伝えできれば、少しは理解していただけるのかもしれませんが、(どう防いだのかが)不正な利用者にも同時に伝わってしまう為、イタチゴッコのサイクルも短くなってしまうんですね。根本的なところで不正な利用を出来なくするといった解決ができればいい問題なのですが、法律上の問題含めなかなか難しいところがあります。
― 海外からの接続でユーザさんとトラブルになることはよくあるのですか?
木村:ありますね。
― ユーザさんへのお願いといったことはありますか?こういうふうにして欲しいとか、これはやめてとか、こういう情報があったら寄せて欲しい、といった感じで。
木村:そうですね、イベントへの協力要請について、企画内容を検討して良いものであれば協力させていただきたいですね。これはぜひよろしくお願いします。あとは最近、アカウントハッキングの被害に遭われるユーザ様が非常に多いので、セキュリティの意識を高く持っていただきたいと思います。アカウントを盗用されたという申告をいただいて、弊社資料による不正アクセスの証拠の確認が行なえた場合には補償を行っていますけれども、必ずしも不正アクセスの証拠が確認できるわけではないので、補償が行えない方もいらっしゃいます。
ちょっと前まではゲームの不正なマクロツールなどに組み込まれていて、ダウンロードして使用すると引っ掛かるというパターンが多かったように思いますけれども、最近はそうしたツールよりもWeb上にURLが貼り付けてありまして、それをクリックするとトロイに引っ掛かってしまうというパターンが一番多いのかなというふうに思います。セキュリティカードという、2重パスワードのようなシステムがあって、それを導入してからはだいぶ減ってはきているんですけれども。
― ゼロになったわけではない?
木村:ゼロになったわけではないですね。
どうしたらGMになれますか?
― 読者の中にはGMになりたいという人もけっこういると思うのですが、どうしたらGMになれるのでしょう?また、性格などで向き不向きはあるんでしょうか?
木村:そうですね。エヌ・シー・ジャパンの場合、現在、募集をおこなっていますので、まずはエントリをお願いします。
性格上の向き不向きですが、GMは、メール対応やサポートのほかにもゲーム内のイベント運営や企画なども行いますし、データ分析も行ないますので、その中で合ったことをやればいいのかなと思います。性格についてあえて言えば、ストレスに弱い方はあまり向いていないかもしれません。運営に対して否定的な意見に出会ったり、攻撃的な意見を最前線で受け止めることが多いので、それに対して自分自身を追い詰めるようなことがあっては対応もできません。そうした状態に慣れすぎてしまい鈍感で受け止められない方でも困りますが。ストレスに強く、かつ冷静に、否定的、攻撃的なものも含めて意見として吸い上げられる方が望ましい。視野の狭い方であるとか、一面的なものの見方しかできないっていう方はちょっと厳しいと思います。
あとはリネージュに限らずゲームが好きである事、ゲームに限らずいろいろなことについて経験豊富な方がいいのかなと思います。ただ、一番はGMになって出来る何かを行なっていきたいという熱意かな。どの業界どの企業でもそれは同じことかもしれませんが。
― 入社して現場に出るまで、どれぐらい研修期間があるんですか?
木村:人によりけりですかね。GMサポートからGMになるわけですが、この期間は人によってまちまちですね。長い人はもう1年以上GMサポートです。一人前になるのは、短い方で3か月ぐらいです。
― 短くて3か月。
木村:行なっている基本的な仕事だけでも他のGMと同じレベルまでとなると、それくらいはかかりますね。
― 木村さんは2002年にエヌ・シー・ジャパンに入社ということでしたが、それ以前はどちらに?
木村:大学生でリネージュのユーザーでした。卒業したら地元の山口で公務員をと考えていましたね。その当時は東京に来てGMになるなんて想定すらしていなかったのですが、たまたま話があって、面接を受けたらあっさり決まったんです。
― 公務員試験とかも受けられたんですか。
木村:受ける直前でした。エヌ・シー・ジャパンの面接を終えて実家に帰ってきたら封書が届いてたんですよ。見たら、『明日から来てください』って。山口にいるのに、明日から、ですよ(笑)
― おおらかな頃ならではのエピソードですね(笑) ありがとうございました。
インタビューを終えて
ゲームマスターと一口に言っても、会社によってもタイトルによっても、その業務内容や体制はかなり違っているので、今回の木村氏のお仕事内容についてはあくまでエヌ・シー・ジャパンのリネージュクロスランカーでのものだ。
木村氏も「言いたいけれども言えない」と苦労をにじませていた海外からの「出稼ぎ」接続やBOTなど、MMORPGを取り巻く問題は解決しにくものも多い。こうした問題では、隠すことによってセキュリティを維持せざるを得ない部分もあると思うが、それによって一般プレイヤーがフラストレーションを感じてしまっているのも現実であろう。GMだけではどうにもならないところも多々あるとは思うが、ユーザの声に直接触れるGMの方々には今後もよい仕事をお願いしたい。
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