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Slash Games編「直撃!ゲーム最前線」
最新「エピソード5」、ラスタバドはアイテムドロップが人気!
リネージュ 開発者インタビュー
聞き手:伊藤雅俊
2006年8月10日
今回、リネージュクロスランカーのエピソード5アップデートにあわせて韓国開発チームの主要メンバー3人が来日した。NCsoft Corporation ゲーム開発1室デザインチームチームマネージャーのキム ミンギュ氏、同デザインチーム キム ジョンムク氏、キム ギュホ氏だ。彼らにエピソード5および今後の展開についてお話を聞いた。
左からキム・ジョンムク氏、キム・ミンギュ氏、キム・ギュホ氏
リネージュの魅力について
― まずお聞きしたいのですが、今でもプレイヤーをひきつけているリネージュ クロスランカーの魅力とはいったい何だと思われますか?
ジョンムク: ひとつは血盟などのコミュニティが維持できていることだと思います。長く続けるには定期的なアップデートも欠かせません。リネージュは、MMORPGを定着させた、日本における先行役となりました。そのほかのリネージュの魅力としては、システムの合理的な設計があったことがあげられます。操作についても、簡単に巨大なゲームがプレイできます。また、アイテムやレベルのバランスは、プレイヤーに達成感を感じさせます。
― なるほど。リネージュが登場して以来、さまざまなMMORPGが韓国で開発されてきましたが、そうした後発タイトルとはどのように差別化しているのでしょうか?
ジョンムク: ゲームのスピード感ですね。ポーション等の回復アイテムをすぐ使えるといった操作感や、ゲーム自体もすいすい進めることができる点などです。現在の競合タイトルはアイテムバランスの調整などに困難をかかえているようですが、リネージュはその点をうまくまとめていると思います。アイテムにしても、クラスの制限はありますが、強いアイテムでもレベル制限なく使えます。また、3Dではなく2Dということで、"3D酔い"のおそれがありませんし、直感的にプレイできるようになっています。
アップデートの方向性について
― 今回、日本のリネージュクロスランカーで大型アップデートが導入されるわけですが、今回に限らず、アップデート全体の方向性やテーマとして、どういった軸をお持ちなのでしょうか?
ジョンムク: リネージュでは、いつでも簡単に入れて、すいすい遊べるように、と考えてアップデートを行っています。我々のテーマとして、ひとつにはアイテムに関するものがあります。それは、アップデートによって以前のアイテムの価値を損なわないようにすることです。アップデートを行ったことで、ある武器の価値が無くなってしまったりすると、プレイヤーにとっては財産が失われたのと同じ感じを与えてしまいます。また、そのほかにも他のゲームの長所を取り入れていくことも重要な要素となっています。長く運営しているリネージュですが、新しい要素を取り入れることで常にプレイヤーを飽きさせないようにと思っています。
それから、アップデートそのものというわけではありませんが、リネージュを人に勧めるときに、以前のような「とりあえずやってみて欲しい」というスタンスから、情報発信をどうするかという部分にも集中しなければならないと考えています。
エピソード5について
― では、いよいよ今回のインタビューの本題である、エピソード5についてお聞きしたいと思います。まず、エピソード5の特徴、プレイヤーに「ぜひここを見てほしい」というポイントを教えてください。
ジョンムク: 1つは「ラスタバド」ですね。リネージュのストーリーである戦争のクライマックスにあたります。ダークエルフのNPCや、タイムアタックなど、いろいろな新要素がありますので、これはぜひ体験して欲しいと思います。
このほかにも、「影の神殿」と「海賊島」がありますが、こちらは戦争とはちょっと違って、外伝的な要素になっています。こうしたストーリー以外の部分でも楽しんでもらえるのではないでしょうか。
― エピソード5ですが、韓国ではすでに導入されていますね。韓国での評判はどうですか?
ジョンムク: 「ラスタバド」については、高い確率でレアアイテムが手に入るというのが魅力だと喜んでいただけています。
― アイテムが高い確率で手に入ると、相対的にアイテムの価値が下がってしまうのではないでしょうか?
ジョンムク: アイテムのバランスをとるのは難しいですが、我々はいろいろと研究を終えて実装しています。長くやっている人にとっては、製作アイテムやレアアイテムを楽しめるようにしたいと思ってます。また、既存のよいアイテムと同程度のアイテムを追加していくことで、選択肢を提供しているのです。
― 今回のラスタバドですが、韓国版と日本版でバランス調整などパラメータの違いはありますか?
ジョンムク: NCsoft Corporationのゲームは、提供している国による違いはなく、同じバランスで提供しています。今回開発チームが来日した目的は、日本のニーズの吸い上げにあります。エヌ・シー・ジャパンによるリネージュのローカライズ状況や、運営の中からニーズを吸い上げたいと考えています。ちなみに、ゲームの基本仕様は世界共通になっていますが、イベントについては日本からのリクエストに基づいて、日本独自のものを開発・実装するということはおこなっていますよ。
ギュホ:我々としては、ゲームとして柔軟性のあるリネージュを作ることを目指しています。
― 今回のアップデートは、内容としては上位プレイヤー向けのストーリー関連がメインですが、新規ユーザにアピールする部分はいかがでしょう?
ジョンムク: エピソード4、5では、既存ユーザだけでなく新規ユーザに見て欲しいアップデートも入れていました。エピソード5では、初心者ダンジョンを整備しています。ただ、高レベルユーザがおもしろいプレイをできるようにすることで、それを見た新規ユーザが引っ張られるような、そういう部分もあると思います。
その先、エピソード6について
― さて、気が早いのは百も承知なのですが、パート2(現クロスランカー)が完結するという「エピソード6」はいったいいつ頃登場するのでしょうか?
ミンギュ: 韓国バージョンについては、時期的には年末から来年はじめぐらいを目標に開発を進めています。
ギュホ: とはいえ、今はエピソード5でいっぱいなので、それが落ち着いてからってことになりますけど。
― なるほど。確かにエピソード5が一段落してからの話ですね。エピソード6でストーリーが一区切りつくわけですが、その先の方向性はどのようにお考えですか?
ジョンムク: これまで量的に拡大してきた部分を、質的にも高めていこうと考えています。その整理をつけてからパート3が始まるのです。
ギュホ: パート2からパート3への「架け橋」を整えることも重要だと考えています。これは、プロローグ、エピローグを単に見せていくというだけではなく、質的な整理も行っていくということですね。
― なるほど。ありがとうございました。
インタビューを終えて
リネージュといえば、言うまでもなく韓国でMMORPG市場を立ち上げたビッグタイトルである。韓国国内では今なおユーザは多く、それゆえRMTの利用者も多いようだ。「以前のアイテムの価値を損なわないようにする」という言葉は、動産としてのゲーム内アイテムという考え方が確立していることを感じさせるものだった。オンラインゲームでは、開発者は単にゲームを開発しているのではなく、プレイヤーを満足させつつ新要素を入れていくという難しい舵取りを常に求められているのだろう。
3年にわたって展開してきたクロスランカーの最終章がどのように展開されるのかも興味深いが、パート2が終わった後の「質的な整理」がどのようにおこなわれるのかにも注目したい。
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