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― イベントは首都圏中心で?

前田: いえ。今回はたまたま東京だったというだけで、私達としてはこれまで地方も重要視してきました。東京やその他政令指定都市以外でも、まんべんなくやっていきたい。私がヒアリングしてる範囲だと、例えばネットカフェにしても、お客さんのモチベーションがすごく高かったりするんですよ。地方で人口も少なくて、全体としての稼動もそんなにないのに、お客さんの情熱がものすごく強い場所があったりする。そこは足で稼いでやっていきたいなと思いますよね。

― 情熱ということで、特に印象に残っている地方・場所はありますか?

前田: 例えば福島の郡山、茨城の水戸、北海道の旭川もそうですし。それに、福井の開発、愛知の中川・・・九州では沖縄の北谷とか。

― かなり回られてるんですね。

前田: 全国回っています、ネットカフェ事業者とのコミュニケーションもさることながら、やっぱりお客さんとのコミュニケーションですね。お褒めの言葉をいただいたりすると、勇気付けられますし、社内にフィードバックするようにしています。

― なるほど。

前田: カンファレンスとかやっていくと分かってくるところですが、お客さんにしても、メーカーの人間とコミュニケーション取りたがっている人多いんじゃないかなと思います。

― やっぱりその直接声を届けられるというか、投げられるっていう場ですしね。ネットカフェさん向けのサポートとしては、どういったあたりに気を付けていますか?

前田: セキュリティ関係の注意などは、メルマガやFAX同報などで本当に細かい情報でも逐一回覧をするようにしています。あとは、販促物にしても陳列のご提案やお客さんの動線・目線についての提案であったり。あと、すごく長時間プレイされる方もいらっしゃいますので、健康管理や精神衛生面ですね。あとは、これから新しくオープンする店舗さんに立地関係の提案とかもする時ありますよ。

― もはや、ネットカフェ経営コンサルになってきてますね。

前田: そうそう、コンサルですね。導入しておいたほうがいい商品やコミック本のご相談にも乗ったりしています。(笑) たまたまネットカフェを利用して、そこでリネージュに出会って、デビューして、ヘビーなお客さんになった方も多くいらっしゃるので、どの段階で興味を惹けるかをとても重要視しています。電源を入れた段階で会員登録のポップアップが開いたり、その前にリネージュのムービーが流れたり。そういう導線作りですね。ネットカフェはどこも時間制を取っているので、リネージュもリネージュIIも稼動が高いコンテンツということで大事に扱っていただいていますね。
 あと「アカウントを取ったはいいけどプレイが分からない」「Webメールアドレスを持ってない」といった質問が来るときに、できるだけ店舗のオペレーションを煩わせないような仕組みづくりをしています。最近でもガイダンス・バーチャルティーチャー"LINEAGEII" というシステムを投入しました。これは、アカウント登録のWebページを追っていくと、音声ガイダンスでアカウントの取り方とか全部レクチャーしてくれる、というものなんですよ。入力毎に音声ガイダンスでアナウンスしていくのですが、プレイ時のインターフェイスの説明なども入っています。

― 非常にいいですね。最初、プレイヤーさんは変なところで引っ掛かっちゃったりするんすよね。IMEが切れてなくて全角で入れちゃったりとか。

前田: セキュリティレベルを高めるために、どうしてもプロセスが多くなってしまうのですが、本当はちょっとしたことを誰かに聞きたいのに近くにネットカフェスタッフの方がいないとか、周りに先輩プレイヤーがいないとかそれで止めちゃったとかあるかもしれないですしね。
これは企業としても大きな機会損失になりますので、こういうことは避けていきたい。

― ネットカフェで遊ばれるプレイヤーさんというと、何人かでつるんで一緒に来てワイワイやるっていう感じなんですか、それとも1人でふらっと来て遊ぶる感じなんですか。

前田: 場所によって違いますね。オープン席でもうリネージュII専用に開放されているブースがあるような店では、常連さんが5〜6人で来るっていうこともありますし、プライバシーを重視して個室に篭っちゃう方もいらっしゃいます。ほんと、場所によりますね。


 「ゲームパブリッシングだけじゃないプラスアルファ」
 

― 前田さんの普段の仕事内容というと、各地のネットカフェさんを回るということになるわけですか?

前田: そうですね、ネットカフェと、オフラインイベントのオーガナイズ、それに新規事業を今進めています。

― 新規事業というのは?

前田: 簡単に言うと、エヌ・シー・ジャパンはゲームパブリッシャーとして機能してきたんですが、これに付加価値を付けていきたい。ゲームパブリッシングだけじゃないプラスアルファですね。

― パブリッシャー以上の付加価値ということになってくると、また非常に面白そうですね。

前田: これは随時お知らせしていきますので。

― 基本的にはオンラインゲームに絡むわけですよね?

前田: もちろんです。

― 前田さんの今までのお仕事歴についてお聞かせいただけますか?

前田: 今でも結構何でも屋みたいな感じなんですけど、これ昔からなんです。同じくITベンチャー系でしたが、そこではポータルサイトの運営や出版関係、モバイルサイト、イベントプロモーション・・・本当に何でも屋さんですね。ビットバレーにITベンチャー系企業が集中していた、あの頃ですね。

― ポータル、出版、モバイル、イベントプロモーションっていうと、まさに今、そのあたりが全て活きてくる感じですね。エヌ・シー・ジャパンに入ったのはいつ頃ですか?

前田: 僕が入ったのは2002年の時ですね。その当時っていうのは、 一部の店舗を除いてインフラもまだまだ未整備の状態でしたから何かと大変でしたよ。

― そういう時期から比べると、今は非常にやりやすい?

前田: 本当にやりやすくなってきましたね。

― あの頃はタイトルも少なかったからオンラインゲームの認知もなく、ネットカフェというよりも漫画喫茶にパソコンがあるっていう位置付けの時期でしたよね。


 「いらっしゃった方には損をさせない」
 

― では最後に、リネージュIIフェスタに来る人、オフラインイベントにそのうち参加したいと思っている方にコメントをいただけますか?

前田: オフラインイベントに関してすごく重要視していますので、いらっしゃった方には損をさせない、来ていただいた方には絶対何か得られるものがあるようにしたいと思ってます。地方から来られる方もいらっしゃるので、ノベリティグッズ等の特典は付けていきたいと思っています。
 例えば夏のイベントは、夏の風物詩的なかたちで皆様にイメージしてもらいたいと思います。これは感覚的なものなのですが、真夏⇒クーラー⇒うちわ⇒屋内イベント⇒オンラインゲーム⇒リネージュIIという感覚もひとつには植えつけたいと思います。今年の冬、来年このイベントを振り返っていただいて「楽しかったな」と思っていただければ幸いです。今回参加できなかった方もいらっしゃると思うんですけれども、また次も間髪入れず仕掛けていきますので、またご参加ください。

― ありがとうございました


 インタビューを終えて
 

 エヌ・シー・ジャパンは、日本におけるサービス開始当初からネットカフェをその柱のひとつとして事業を展開してきた。ブロードバンド普及以前、ほとんど「ネットカフェ」が存在しないような状況の中でも、韓国におけるPC房の経験から日本でも同様のスタイルを模索してきた。ネットカフェでMMORPGというスタイルを日本に作り上げたのが前田氏であると言ってもいいのかもしれない。

 とはいえ賞金の出るイベント、アップデートの進行の違う地域をつないだイベントにユーザー育成データを使用することには個人的には疑問も残ったわけだが、これは日本の運営チームからはいかんともしがたい部分もあったのだろう。

 前田氏が「プラスアルファ」と表現した新規事業の内容や展開に注目したい。


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