Slash Games編「直撃!ゲーム最前線」
アイテム課金に切り替えてセカンドローンチを
目指す「ストラガーデン」 その舞台裏とは!?
2006年2月10日
聞き手:小野憲史
韓国や北米といった海外生まれのタイトルが多いMMORPGの中で、独自のシステムと
開発体制でユーザの支持を得ている国産MMORPGがこの「ストラガーデン」だ。
当初、月額課金のかたちで商用化したが、2005年12月に基本プレイ無料+アイテム課金へと
切り替えたことで、ユーザの拡大が加速しているという。今回、開発チームにストラガーデン
の現状と、その舞台裏について話を聞いた。
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「5年前に開発を始めたときの夢ががようやくかなった」
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| ドワンゴ ネットワークゲーム開発部部長 山口 尚氏 |
− 今日はよろしくお願いします。まずはストラガーデンの概要についてお話いただけますか?
山口:ストラガーデンのポイントは、武器防具のバリエーションが非常に豊富で、すべて3Dの可愛い系のグラフィックで表現されていることにあります。頭部・上半身・下半身・足・両手の武器といった単位でアイテムを組み合わせ、億を超えるバリエーションのキャラクターが作成できます。最初は黄色い服などでスタートするのですが、成長につれて好きなアイテムを装備して、外見をカスタマイズできる仕組みです。すでにサービスをはじめて2年近くたっているので、ゲーム内世界で非常に多くの数のアイテムが流通しています。街中など大勢のキャラクターが集まっている場所に行くと、同じ外見のキャラクターが見つけられないくらいほどになりました。5年前から開発を始めたときに夢見ていたことがようやく叶ったという感じです。
− なるほど。
山口:もう一つの特徴が戦闘システムです。現在MMORPGで主流の戦闘システムは、ゲーム世界で徘徊しているモンスターを見つけて、モンスターをクリックすると攻撃したり、魔法を唱えるというシステムなんですが、ストラガーデンではランダムエンカウント方式を採用しています。戦闘システム自体はシミュレーションRPG風のテイストになっています。画面スタイルから敬遠される方もいらっしゃるのですが、それほど難しい内容ではなく、モンスターの近くに移動して攻撃を繰り返すだけで、サクサクと倒していくことができます。その一方で、やり込んでいくとより戦略性の深い戦闘が楽しめます。
− 確かに、他のゲームには見られないスタイルですね。
山口:ええ。また敵味方がそれぞれ移動・攻撃するのではなく、お互いが事前に移動地点を決めておき、同時に移動・攻撃する方式(=同時プロット方式)を採用しています。そのため運の要素も強いんですよ。デュエル(対人戦)の場合は、たんに相手を全滅させるだけでなく、パーティの後ろにある旗をとりあう「旗取りゲーム」や、相手のリーダーを倒す「リーダーを倒せ」といった指定もできます。とっかかりは優しく、奥は深い戦闘システムになっていますよ。
− やり込んでいるプレイヤーも多そうですね。
山口:トッププレイヤーの皆さんは本当に上手いです。GMイベントでプレイヤーにGMが負かされる、といったこともありますよ。GM側はお互いに近くの席で、声を掛け合いながらプレイしているんで有利なはずなんですが、彼らの攻撃の組み立てや技の連携などが見事なんですよ。あるキャラクターがGM側キャラクターの背後に罠をしかけ、次に別のキャラクターが相手を罠にはじき飛ばして、都合2回ダメージを与えたり。もう流れるよう決まっていくんです。すごいものですよ。
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「対モンスター戦と対人戦で、レベル差の影響を変えています」
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− 今回の基本プレイ無料化に伴い、かなりの改変が行われているようですね。
古畑:ストラガーデンは、もともと昨年3月に月額課金モデルとしてスタートし、7月に一部アイテム課金の要素が加わり、12月21日に改めて基本プレイ無料のアイテム課金モデルに切り替わりました。さらに、これにあわせて「プレミアムサービス」という新サービスも開始しています。これには「30日間」「90日間」の2種類があり、それぞれプレミアムのサービス権利を販売するというものです。
− はい。
古畑:次に、アイテム課金に移行したことで、ユーザー数がかなりのスピード感で増加しています。具体的には一ヶ月あたりの新規登録者数が、前月比の約7倍。同時接続者数が約3倍に増加しました。このほか、以前登録されていた方で、無料化を機会に再度プレイされるようになった方もいて、これらがあわさって今のようなスピード感につながっているように思います。実はもう少しで登録ユーザー数がキリの良い数字になりますので、そのときに改めて実数をお知らせする予定です。
− それは楽しみですね。
古畑:また基本プレイ無料化に伴い、提携先の拡大を行い、ユーザーさんの入り口を増やしていく予定です。オンラインだけでなく、パッケージ販売やPCへのバンドルも予定しています。目安としては桜の花が咲くまでに実施したいですね。また、各媒体へのプロモーションも、そのタイミングで行っていく予定です。
− もちろん「東京」の桜ですよね?
古畑:もちろんです(笑)。がんばります。
− 無料化に伴って、アップデートに変化はありましたか?
山口:これまで月額課金モデルでゲームを運営してきましたので、アップデートもそれにあわせたものになっていました。月額課金モデルだと新規ユーザーさんの伸びが緩やかなので、ユーザーレベルの層が見えやすい特徴がありました。そこで、トップクラスのユーザー向けにアップデートを行う形で、ゲームのボリューム感を増やしていくスタイルだったんです。シナリオの追加に伴って、新しいフィールド、新しい街、新しいモンスターが生まれる、といった感じですね。
これを、無料化にあたっては下のレベル向けの部分をあらためて作り込みました。初めて遊んでいただいた方に遊びやすいよう、チュートリアルシナリオや、案内や遊びの部分の追加ですね。過去の反省や、作り込みが足りなかった部分を中心に改良しています。
− なるほど。
山口:また、MMORPGでは一般に、レベル差のあるプレイヤー同士が一緒に遊びにくい傾向がありますが、ストラガーデンでは一緒にパーティを組んで遊んでいただきたいと考えました。そのためストラガーデンでは、対モンスター戦と対人戦で、レベル差の影響を変えています。Lv20のモンスターとLv10のキャラクターが戦う時と、Lv20のキャラクターとLv10のキャラクターが戦う場合とでは、キャラクター間での戦闘の方が、レベル間の差がより圧縮されるような仕様になっているのです。そのため、キャラクター間での戦闘では、低いレベルのキャラクターでも戦闘に貢献できるようになっています。
− ユニークな仕様ですね。
山口:この仕組みを拡大して、試験的にボス戦でもその効果を導入しました。最近追加したあるクエストなのですが、低レベルのキャラクターでも、対ボス戦で高レベルのキャラクターと同じように活躍できる仕組みです。低レベルのキャラクターが足を引っ張るようなことが減少します。高レベルのキャラクターは数多くのスキルを備えているので、有利であることに変わりはないのですけど。
− なるほど。
山口:また最近、Lv20〜30対象のサブクエストを追加しました。このクエストはLv50以上のキャラクターにはそれほど美味しくはないのですが、クエストをクリアすると、アイテムとして植木鉢がもらえます。この植木鉢をダブルクリックすると、それが何かに変化する仕組みです。さらに、植木鉢を所有している期間や、そのとき一緒に持っているアイテムによって、変化後のアイテムが変わります。これも、高レベルキャラクターと低レベルキャラクターが一緒にパーティを組んで遊んでもらうための仕掛けの一つです。
もっともストラガーデンをこれまで育てていただいたのは、長時間プレイしていただいている、高レベルキャラクターの方々であることは違いありません。そこで、こうしたレベル層への仕掛けも考えています。「ストラガーデン」の世界は、大きく4か国に分かれていて、新規プレイヤーは4か国のどれかを選択してゲームを始めることになります。その後、国々を渡り歩きながら、国ごとに固有のシナリオやクエストを行い、いろんな体験をされていくわけです。
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新シナリオ「魔王編」
(c)2004-2006 FromNetworks,Inc. (c)2004-2006 DWANGO Co., Ltd. Published and Distributed in Japan by GAME GARDEN INC. |
そこで、そうした過去のシナリオ群の総集編的な位置づけの「魔王編」というシナリオ(Lv55〜)を、2月後半から開始します。今、高レベルキャラクター向けの最新シナリオとして「ラデニウス編」がアップされていますが、これと並行して展開していきます。この「魔王編」を遊ぶことで、自分が過去に体験しなかったエピソードや、そのときの各国の事情なども、改めてわかるような仕組みです。
− 盛りだくさんですね。
山口:ええ。今年はアップデートを2ラインで考えています。「魔王編」や「ラデニウス編」などメインのシナリオには、かなりストーリー性の高いものを用意しており、レベルキャップの解放などの要素も、こちらで盛り込んでいきます。こちらは、比較的長期スパンでのアップデートになります。その一方で「植木鉢」シナリオなど、サブクエストの側で日々の遊びの提供を行っていきます。こちらはできるだけ短期間で、次々にアップデートしていく予定です。これまではサブクエストというと、単なるレベル上げの手段という位置づけをしがちでしたが、そうではなくて、できるだけ新しい遊びの要素を追加していくつもりです。
我々は、できるだけ現状に即した内容のものを、ライブ感覚で提供していこうと考えてます。それでも最短で2週間。ちょっと大きなものだと、2〜3か月くらいは開発に時間がかかってしまいますが。