Slash Games編「直撃!ゲーム最前線」
ゲームデザイナー米光一成に聞く「キングオブワンズ」のつくり方
2005年12月16日
聞き手:小野憲史
今秋、新機軸のオンラインカードゲームがリリースされた。「ぷよぷよ」「バロック」のゲームデザイナーとして知られる米光一成氏の最新作「キングオブワンズ」だ。カードゲームとチェスの詰め対戦の要素が融合した内容で、ファミコン時代の名作ゲームが遊べる「なつゲー」サイト上で配信されている。ここでは「キングオブワンズ」を題材に、米光流のゲーム観やゲームデザイン論について徹底インタビューをおこなった。
米光一成(よねみつ・かずなり)
1964年生まれ。広島県出身。コンパイル、スティングを経てフリーランス。「ぷよぷよ」「トレジャーハンターG」「バロック」「キングオブワンズ」などを企画・開発。ゲームデザイナー、ライター、講師として幅広く活動中。最新刊「日本文学ふいんき語り」(麻野一哉・飯田和敏・米光一成/双葉社)が好評発売中。 |
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「ネットワークゲームは前から作りたくてしょうがなかった」
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− 今日はよろしくお願いします。米光さんというと「ぷよぷよ」「バロック」のイメージが強いんですが、ネットゲームには前からご関心があったんですか?
米光:うん。前から作りたくて作りたくてしょうがなかった。「ウルティマオンライン」が衝撃的で、英語版からハマって遊んで。馬に乗ったアメリカ人にJAPだとかって罵られながら殺されたりねー。でも遊びこむほどに、もうこういう方向のMMORPGは「ウルティマオンライン」が1本あれば、他にいらないやって、僕は思って。それで逆に、小さな、お昼休みに遊べるくらいのネットゲームを作りたいなぁ、と。そのころ良く言ってたのが「小さいけど結晶みたいに美しいゲームを作ろうよ」って。1998年くらいですね。
− なるほど。
米光:ただ、当時はネットゲームは儲からないって言われちゃって、会社のウェブサイトの中でやるぐらいしかできなかったんです。で、最初にやったのが、「eMotion
e-Mail」というゲーム。メールベースのアドベンチャーゲームで、ユーザーにメールが届くんですよ。メールの最後に選択肢があって、ユーザーがどの選択肢を選ぶかで、ストーリーが変わっていく。
− 専用のウェブメールとかではなくて、Outlookなどの普段使っているメーラーに直接届く形式でしたよね。
米光:そう。ふだん使っているメーラーの受信メール欄に、仕事とか遊びなど現実のメールに混じって届いているのが、実はゲームのメールなんですよ。悠香ってコから、駅であなたを見かけて……みたいなメールが届くところから始まる。今ならスパムメールかって思われちゃうかもしれないような設定だけど。リアルとゲームの境界線が曖昧になって面白かったんですよ。それが2000年くらいの話。
− その後、携帯電話ゲームなどの監修もされて。
米光:2004年にベンチャーリンクからiモード向けのミニゲームサイトとして配信された「クーポン・ごちゲ〜ム」を監修しました。ゲームで高得点を取ると、現実のお店で使えるクーポンがもらえる内容にしてくれという依頼だったんですよ。これも現実とゲームのリンクという要素が入ってる。「石原壮一郎の大人力総研」っていう携帯コンテンツ内の「大人力クエスト」の脚本を今、やっていて、「eMotion e-Mail」と同じ感じで、メールベースのアドベンチャーゲーム。
− なるほど。それで満を持して「キングオブワンズ」になるわけですが……。もともとどういう経緯で開発がスタートしたんでしょうか。
■キングオブワンズ
史上初の魔法専門学校「マルクト魔術学園」を舞台にしたオンラインカードゲーム。手持ちのカードからモンスターを召喚し、相手のモンスターを倒しながら、最終的に相手のリーダーを倒せば勝ち。FLASHベースのブラウザゲームで、機種を問わず幅広く遊べる。基本使用料は無料。 |
米光:「ウルティマオンライン」の後に「ファイナルファンタジーXI」や「ラグナロクオンライン」がヒットしたこともあって、MMORPGなら予算は出すよと言ってくれたところはあったんですけど、大規模なのは、僕が作らなくてもいいやって思ってたんですね。儲かってることの後追いじゃなくて、ちがうことやりましょうよ、これからは小さい規模のオンラインゲームですよってずっと言ってたんです。
− なるほど。