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――それでは「ゲーム開発におけるMotionBuilder/HumanIK Middleware」のセッション概要についても教えてください。

芳賀:はい。こちらのセッションでは、まずは8月下旬に発売予定の「MotionBuilder7」の機能について、お見せしたいと思います。ただ、それ以上に拡張性の部分についても、焦点を当ててご紹介したいですね。というのもこれまでMotionBuilderについては、拡張性についてプレゼンテーションをする機会があまりなかったものですから。

 Mayaには前述のように拡張手段としてMELとAPIがありますが、MotionBuilderではスクリプトベースのPython Scriptingと、C++によるOpenReality SDKがあり、これらで機能拡張を行うことになります。これらを使用したTIPSのご紹介などですね。またFBXSDKについてもお話しする予定です。

――FBXSDKとは耳慣れない言葉ですね。

芳賀:今年の3月にフリーで公開したばかりなので、そうかもしれませんね。もともとFBXとはMotionBuilderで使われているファイル形式で、3Dフォーマットでは最も多く使われています。Mayaだけでなく、3ds MaxやSOFTIMAGE|XSI、LightWave 3Dなど多くの3Dツールでインポート・エキスポートができます。しかもモデルの形状だけでなく、頂点カラー、UV情報、スキン、アニメーション、モーフィング、階層、マテリアル情報まで扱うことができます。

――それは便利ですね。

芳賀:FBX SDKはそこから一歩進んで、ソフトウェアやハードウェアベンダーが、自社環境でFBXフォーマットをサポートするための、ソフトウェア開発ツールキットです。極端な話をすると、フォトショップでFBXファイルを開けるようにすることもできるはずです。また、社内のゲームエンジンでFBXファイルを読み込めるようにすることも可能です。FBXSDKはこういった目的のために提供されるFBXファイルを扱うため開発キットです。MotionBuilder7の発売にあわせて、こちらも拡張されます。よりゲームフォーマットとして使用できるような内容になっていますよ。

――グラフィックデータのインポーター・エキスポーターの開発は、どこも頭の痛い問題ですからね。

芳賀:ええ、すごくたいへんですよね。特に今は次世代コンソールに目がいきがちですが、PSPやDSなどの携帯ゲーム機もありますし、携帯電話ゲームの性能も急速に上がっています。ゲームデータの中間ファイルフォーマットとしても有効ではないかと思います。携帯電話ゲームへの出力についても、できればデモをお見せしたいですね。もしかしたらこちらは「Maya7」セッション内での話になるかもしれません。

――なるほど。

芳賀:また表題にもあるとおり、MotionBuilderにはHumanIK Middlewareというライブラリがあり、これを組み合わせて使うとFull Body IKの計算が、実機上でリアルタイムにできるようになります。MotionBuilderをHumanIK Middlewareとあわせて使うと、さらに強力なミドルウェアとなります。現在はXbox用とPS2用、Windowsプラットフォーム用がそれぞれ発表されています。当日はHumanIK Middlewareに対応したデータの作成方法についても解説できればと考えています。MotionBuilderについても、せっかくですのでお見せしましょう。

――お願いします。

芳賀:MotionBuilderでは基本的な操作はドラッグ&ドロップで行います。他の3DソフトウェアからFBX形式で出力したキャラクターのモデルデータを読み込みます。すでにボーンなどの基本的な情報は設定は他の3Dソフトウェアで行われています。最初にキャラクターが2本足で歩くのか、4本足で歩くのかを選びます。基本的なセットアップはこれだけで終了です。実際のアニメーションは、ユーザーが手でつけることもできますが、モーションキャプチャーのデータを使うこともできます。モーションキャプチャーのアニメーションデータを読み込んで、キャラクターモデルに転送するだけで、すぐにキャプチャーデータどおりにアニメーションするようになります。

――たぶん文字で読んでも伝わらないと思うのですが、とても簡単そうですね。

芳賀:実際、簡単になりました。キャラクターの拡大や縮小も簡単ですし、足の接地面についても、前述のようにフロアコンタクトで設定できます。立って歩いている状態から、しゃがみ歩きに移るなどの動作も、足の接地面を気にせず、すぐに作ることができます。さらにMayaを含む他のアプリケーションと異なるのは、リアルタイムエンジンを内包しているので、これらがすべてリアルタイムで確認しながら調整できる点です。このあたりがMotionBuilderが受け入れられている理由ですね。

――MotionBuilderは「動き続ける世界」なんですね。

芳賀:さらにMotionBuilder7では、二足歩行と四足歩行だけでなく、三本の腕を持ち、五足歩行で移動するモンスターというように、よりゲーム的なキャラクターの動きの作成を支援する機能も追加されました。またビジュアル情報が改良されて、キーフレームの位置や、それぞれの設定条件などが、3Dビュー上で一目でわかるようになっています。いちいちエディタなどで確認していると、時間がかかりますからね。実際に会場でデモを見ていただければ、違いがよくわかると思います。

――先ほどもMaya上でMotionBuilderのFull Body IKが使えるという話がありました。

芳賀:ええ。Full Body IKについては、MayaとMotionBuilderの両方で同じ情報を持っているので、キャラクターデータの転送なども簡単ですし、両者でまったく同じ操作が可能です。キーフレームの打ち方なども同じになっています。ただ、MotionBuilderはMayaと違いあくまで中立の立場を取る製品です。そのため、今回のMotionBuilderセッションでは3ds Max、LightWave 3D、SOFTIMAGE|XSIとの連携もお見せします。また、3ds Max、LightWave 3D、Maya、SOFTIMAGE|XSI間でのFBXファイル形式を使用したデータの共有などについてもお話する予定です。

――どちらのセッションも、非常に盛りだくさんで、高度な内容になりそうですね。

芳賀:そうですね。ただ、基本的にはどちらもアーティスト向けの機能紹介やTIPSなどから入っていって、後半はプログラマーよりも内容に移っていくという流れを考えています。ですから、3DCGに興味のある方なら職種を選ばないと思います。最近はアーティストとプログラマーの両者が一緒に働かなくてはならない傾向にありますよね。特にシェーダーなどは、アーティストが求めるものをプログラマーが書く必要があります。

――二人三脚の絵作りが増えていますよね。ただ、それが難しい。

芳賀:アーティストはプログラムができないことが多く、一方でプログラマーがアーティストの要望を100%理解するのも、また難しいですからね。今回の2つのセッションでは、そうした溝を少しでも埋められるような話ができれば良いなと思っています。理想はまだまだ遠いですが、少しでもそこに近づけるようにがんばりたいと思います。

――ありがとうございました。


(聞き手 小野憲史)

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