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Slash Games編「直撃!ゲーム最前線」

モンスターハンターは「日本的」に作られたオンラインゲーム!?
―CEDEC2005 講師インタビュー 第4回

 日本最大のゲーム開発者カンファレンス「CEDEC 2005」が、いよいよ8月29日から開催される。今年もSlash Gamesでは、講師の方々へインタビューを通じて、CEDECの注目トピックに迫っていく。

 今回はレギュラーセッション「コンシューマゲーム機におけるオンラインゲームの開発と成功 〜モンスターハンター開発過程から〜 」の講師、カプコンの田中剛氏と藤岡要氏にお話を聞いた。

――まず簡単に自己紹介からお願いできますか?

田中:カプコン編成室プロデューサーの田中剛です。「モンスターハンター」シリーズのほかに、「バイオハザード アウトブレイク」シリーズ、「デビルメイクライ2」「3」などのプロデュースをしています。

藤岡:カプコン第一開発部ディレクターの藤岡要です。グラフィックデザイナーを経て、「モンスターハンター」で初めてディレクターを務めました。現在は「モンスターハンター2」のディレクションをしています。

(左)カプコン 田中剛氏 (右)同 藤岡要氏

――「モンスターハンター」はコンソール機で、アクションゲームで、オンラインゲームという、非常にユニークなタイトルでしたね。

田中:ええ。さまざまな意味で「日本的」なオンラインゲームだったと思います。今回の講演でも、「モンスターハンター」のゲーム部分に関する内容は藤岡が担当して、それ以外のインフラ部分や、製作全体の話題については、僕の方で話すつもりです。会員数の推移などの資料面についても、できる範囲で公開する予定です。ただ技術的な話題については、「モンスターハンター」自体がもう昨年のタイトルですから、今からお話ししても、そこから得られるものって少ないと思うんです。これから「モンスターハンター」の仕組みで次世代コンソール向けのゲームを作るというのも、違うでしょうし。

――なるほど。

田中:むしろ、ゲーム開発の姿勢のような話がいいのかなと思っています。実はこの取材を受ける当たって、メインのスタッフで集まって、ざっくばらんに昔を振り返ったのですが、そこで出てきたキーワードが「アナログ感」だったんですよ。それってどういうことなのか、とか。ですから、経営者の方やオンラインゲームのプロデューサーの方が聞かれると、あれって思われるかもしれない。むしろ僕たちとしては、会社に入って間もない開発者とか、とりあえずCEDECに行って来いと言われた人とか、それこそ学生の方に向けて話したいですね。

――アナログ感、ですか。

藤岡:開発をスタートした当時から、すでにオンラインゲームはいくつか存在していて、作り手の側にもユーザーの側にも、オンラインゲームの概念や文法というのが、それなりにありました。実際オンラインゲームって、一人で遊ぶゲームよりも開発上の制約が多いんですよ。作り方にしてもそうやし、ゲーム性にしてもそう。こういう要素がないとネットゲームではない、とか。

――ゲーム中にチャットできないといけない、とか。

藤岡:ええ。他にもホンマにたくさんあるんですよ。でも、それをなぞって普通に作るのではなくて、僕らはとりあえず、すごいグラフィックのアクションゲームで、かつオンラインでも遊べるものを作ろう、という意識で開発を始めました。そのため、最初にゲームのスペック決めをする時も、オンラインであることを意識せず、オフラインで出してもすごいグラフィックだと言われるような、純粋におもしろいアクションゲームを作る、という観点で進めました。もちろん、いわゆるコミュニケーションツールとしての仕様も、ある程度はなぞっているんですが、それらにしても、なぜそれが必要なのか、本当にこうじゃないとダメなのか、ということを一つずつ判断していったんです。だから、かなりオンラインゲームとしても独特の体系になっていると思うんですよ。

田中:「モンスターハンター」の開発には、実は初期コンセプトのころから数えると、トータルで4年近くかかっています。当時からオンラインゲームといえば、「ディアブロ」「ウルティマオンライン」といったオンラインRPGや、FPSRTSといったジャンルがありました。「モンスターハンター」とほぼ同時期に「バイオハザード アウトブレイク」というオンラインゲームのプロデュースをしたのですが、そのときにユーザーからも、社内の人間からも、ネットワークのバイオハザードっていうと、「人間対ゾンビのような構図のMMORPG」を想像していた人が多かった。「モンスターハンター」にしても、普通のMMORPGでええやん、とか。でもそれって、僕らがあえて作らなくてもいいと思ったんですね。

――なるほど。

田中:僕らが作りたい物は、あくまでもアクションゲームであると。そのために、今あるインフラや環境に対して、やりたいことを強引に落とし込んでいく。決して、決められたインフラや環境の中で、最も適したゲームを作っていく、というやり方ではなかったんです。そのため、ネットワークインフラなどの環境が上がっていくまで、かなり試行錯誤がありました。僕らが開発していた2000〜2004年というのは、急速にブロードバンド環境が整ってきた時期でしたよね。それで開発のある時点で、モデム対応を外したりといった決断が、そこかしこでありました。そのたびにゲーム内容がぐっと上がるとか。

――試行錯誤の連続。

田中:藤岡はもともとモーションデザイナーでしたから、ゲーム開発を進めていく上でも、企画の子と違って、こういうゲームならこういうモーションが必要でしょう、というところから始めるんですね。たとえばキャラクターを気持ちよく動かそうとか、グラフィックにしても、もっとこんな表現をしようとか。ただPS2のメモリ容量は決まっていますから、そうすると背景チームの方で、それだと厳しいんですけど、という要望が出てきます。そうしたらみんなで考えて、なんとか工夫をして、鋳物に押し込むようにして、う、入った、とかね。だから笑い話みたいですが、ゲームとして形になったのが実はマスターアップの半年くらい前だったんです。

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