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 最新タイトルの仕組みまで話す!
 


GDC 2004の会場および会場内風景
Photo courtesy of the Game Developers
Conference

 また、とにかく驚かされるのが、リリースしたばかりのゲームのノウハウについて、ここまで話してしまうのかとびっくりしてしまう講演が多いのです。例えば、今年は「ヘイロー2」関連の講演が多いようですね。AIから、音響まで様々な発表があります。最新の開発について、現場の開発者の人が実際に講演を行います。

 私が最初に参加したのはGDC 2001なのですが、当時は日本で開発者が表に出て講演するといったことはあまり行われていなかったため、このオープンなカルチャーに非常にショックを受けました。朝から晩までゲームについての講演を聴いて、夜になったらパーティで、さらにゲームの事を議論する。世界中からゲーム産業に関わっている人が集まって、5日間の集中合宿を行うという感じです。

 私にとっては、ゲームについて考える上で、幅を大きくしてくれる非常に重要な経験になりました。自分が知っていると思っていたゲームというのは、実際にはとても狭い範囲でしか見えていないのではなかろうかと考え始める機会になりました。

 E3といったトレードショーと大きく違うのは、現場にいる人と実際に議論をできる雰囲気です。GDC全体がコミュニティとして機能していて、とてもフレンドリーでオープンな雰囲気が漂っています。

 片言の英語だろうが、かまわず海外の人も話しかけてきます。こっちの下手くそな英語に懸命に耳を傾けてくれます。私が始めていった時は、まだ全然英語がダメで、片言も片言だったのですが、あんまり英語がうまくなくても十分コミュニケーションが取れる部分があるんだなと。なぜなら、北米の人も当然ゲーム業界に関わってる人で、当然ゲームが大好きだからです。だから、オタク同士の会話というか。あまり詳しく説明しなくても十分通じる部分があったりするためです(笑)

 ゲーム開発会社はなぜ開発者に講演をさせるのか
 


― なぜ、そこまで情報をオープンにするのでしょうか?

Photo courtesy of the Game Developers
Conference

 私自身ずっと不思議に感じていた部分でもありました。なぜ、ここまで専門情報を公開してしまうのだろうかと。北米圏では、リナックスコミュニティに代表されるような、情報を公開することで得られるフィードバックがあるのだろうと思います。

 講演者には、入場が無料になるパスが獲得できるという大きな特典があるのですが、講演料は出ません。基本的に交通費やホテル代は自費です。また、公募によってかなりのセッションが決まります。

 いろいろ聞いてわかってきたのですが、講演する個人にとってはそれがキャリアパスになるという明確な理由があると思うのですが、開発会社にとっても、積極的に講演させることで企業ステイタスを構築するという重要な意味があるようです。そういった場で積極的に講演させることで、企業がオープンであることをアピールし、チーム全体の士気を上げたり、ノウハウとして会社自身に結果を残す契機として利用したり、有能な人が集まりやすい場を作るといったメリットがあるようです。「エイジ・オブ・エンパイア」のアンサンブルスタジオや、「ヘイロー2」のBUNGIEなど、力ある中堅デベロッパーほど積極的に講演者を出す傾向があるように感じています。

 あるデベロッパーの友人は、「自分と同じ問題にぶつかっている人がいたとしたら、同じ問題に時間をかけるのは無駄だと思うから、お互いに共有して、もっとクリエイティブなところに時間を割くべきだ」と言い切ります。「また、これを話したからって、僕はもう次の問題をやってるからね。だから話したってすでに終了しているから、問題ないんだよ」とも言います。

 それでも、海外の人に交じって話していても、お互いにまだ未発表のプロジェクトのことについては聞かないなど、秘密と公開についての暗黙のルールが存在している印象があります。秘密についてのマナーのようなものが、GDCの発展を通じて作られてきたようです。

 また、どうもゲーム開発そのものの考え方に根本的な隔たりが存在しているようにも思うようにもなりました。

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