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■ 「シド・マイヤー レイルロード!」の世界にはライバルとの協調はない

 『シド・マイヤー レイルロード!』(SMR)はライバル会社の株をすべて買えば勝ち。ひたすら列車を効率よく動かして金を稼げばいい。では、どうすればライバルより余計に稼げるのだろうか。ここで必要になるテクニックは「線路の設計」と「貨物の運用」である。実は、SMRの鉄道システムは歴代のRTシリーズと決定的に違うことがある。信号システムが追加され、信号機と信号機の間は原則として1つの列車しか入れなくなった。これは初代『レイルロードタイクーン』やかつての『トランスボートタイクーン』、フリーウェアの『シムトランス』に似た概念である。

 RT2、RT3では1本の列車に複数の列車を配置できた。列車がぶつかった場合、優先度の低い列車が透明化されて待機。優先度の高い列車に進路を譲る。実際の鉄道には有り得ない話だが、プレイヤーには見えない列車交換設備が存在するという都合の良いシステムだ。地形自体がデフォルメされた空間では鉄道ファンにも気にならないことであった

懐かしい初代の『レイルロードタイクーン』。英語版は無料でダウンロードできる。
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初代RT。2Dのシンプルな画面だった
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 一方、SMRには「ルーティング難易度」という設定項目がある。難易度が「低」の場合は、RT3と同じく列車の透明化が行われる。「中」の場合は信号機間に1列車しか入れない。ただし、列車が混雑したり、線路設計を間違えた場合に限り透明化が行われる。渋滞してから透明化が行われるまでの時間、透明化から復帰する時間がかかるので、列車の運行効率は悪くなる。なるべく渋滞のないルート設定が必要だ。そして「高」では透明化が行われず、渋滞すれば列車は停まったままだ。実際の鉄道も信号機と信号機の間は1列車が原則。鉄道用語ではこれを「閉塞区間」という。つまり、SMRはRT3よりリアルだと言える。

 SMRとRT3の鉄道システムの違いは、ライバル鉄道との関係にも現れている。RT3ではライバルの線路に自社の線路を接続できた。つまり、自分で線路や駅を設置しなくても、ライバルの線路と接続し、列車を乗り入れることで長距離列車を設定できた。もちろん線路や駅の使用料金はライバルに支払う必要があるけれど、長距離旅客列車の利益のほうが遙かに大きい。もちろんライバルの列車も自社に乗り入れてくる。これはまさしく実際の鉄道でも行われている「相互乗り入れ」である。このシステムのおかげで、ライバル会社を買収するよりも、協調した方が儲かるというシステムになっていた。

 しかしSMRは、このルールを禁止した。ライバル線路との接続は禁止。駅の共同利用も禁止。ライバルが大きく発展させた都市から荷物を奪うなら、自社の線路を敷き駅を建てる必要がある。これは関西圏や関東圏で見られる国鉄と私鉄の競争に似ている。これも実際の鉄道に似たシステムだと言えるだろう。SMRはRT3のようにライバルの線路と接続できないので、ライバルの線路の向こう側へ線路を延ばすなら、鉄橋をかけて乗り越えるしかない。そして鉄橋の上にあらたな鉄橋を架けられないという制限がある。

こちらは『レイルロードタイクーン3』の画面。同じ線路に複数の列車を配置できる
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『レイルロードタイクーン3』では、視点が自由に動くことも特徴だった
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[お詫び] 初出時、「シムトランス」をオープンソースソフトウェアと表記しておりましたが、正しくはフリーウェアです。お詫びして訂正します。(2007/5/17 12:37 編集部)

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