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■ 学校が嫌いな子供だった。

 実は、WCG2006の日本予選会場で、僕はKeNNyと「うまい焼肉を食べに行こうぜ」という約束をしていた。日程調整の結果、9月18日。ハッピーマンデーの敬老の日になった。KeNNyは蒲田のLEDZONEに居た。9月23日に、スウェーデンの女性プロクラン“Les Seules”がLEDZONEに来店する。予選を勝ち抜いたチームが彼女たちと対戦できる、というわけで、KeNNyは仲間たちと練習を兼ねた作戦会議をしていた。そんな大事な時間をわざわざ割いてくれたと聞き、僕は恐縮した。

 僕らの大好きな焼肉屋まで、クルマで1時間ほどかかる。その車中がインタビューの場になった。顔見知りだからちょっと切り出しにくい。

杉山:「さて、今日はEスポーツ選手の恋愛というテーマで話を聞こうと思うんだけど」

KeNNy:「何言ってるんですか、そんなこと言いません(笑)」


杉山:「冗談です。生い立ちからお願いします」

 1986年、福島県福島市に生まれる。しかしすぐに埼玉に引っ越し、埼玉県川口市立芝園小学校を卒業。芝園中学校を卒業。

KeNNy:「学校名まで書くんですか」

杉山:「だって後輩たちが聞いたら嬉しいでしょう。先輩がゲームの日本代表だよ」

KeNNy:「そうですか(笑)。当時、芝園団地に住んでいたんですよ」


杉山:「じゃ、生粋の芝園ッコだね」

KeNNy:「ですね(笑)。その後、蕨市に引っ越しちゃいましたけど」


 現在も埼玉県蕨市に両親と住んでいる。埼玉育ちの埼玉っこだ。父はギタリスト、母が公務員。妹がひとり。

杉山:「高校はどこに行ったの?」

KeNNy:「進学しなかったんですよ。中3でカウンターストライク始めちゃったし」


杉山:「えっ、でも高校くらい行くでしょう?」

KeNNy:「行きたいと思わなかったんですよ。勉強があまり好きじゃなかった。中学もあまり行っていなかった」


杉山:「不登校児だったんだ」

KeNNy:「そうですね」


杉山:「学校でいじめられたとか?」

KeNNy:「いえ、そんなことないんですよ。学校自体が好きじゃなくて、学校に行かなくても生きていけるな、なんて思ってた」


杉山:「先生が訪問したり、同級生が迎えに来たりとかしたでしょう」

KeNNy:「先生はたまに来ました。でも積極的でもなかった」


杉山:「親は怒らなかった?」

KeNNy:「最初は怒られましたよ。でも、だんだん言わなくなりました。好きにさせてくれました」


 おおらかな両親、というイメージ。しかし、僕はどちらかというと親の世代に近いから、辛い心境だっただろうと推察する。しかし、息子を信じた。きっと彼に合う世界があると。それがゲームだった。

 その不登校児がいまや世界を渡り歩くゲームプレイヤーだ。チームの中心メンバーで、仲間もたくさんいる。年下の選手たちからも慕われている。“学校にとらわれない生き方”の成功例かもしれない。それは、いまの不登校の子供たちに勇気を与える話だといえそうだ。

KeNNy:「そうですね。僕は学校には行かなかったけど、ゲームからいろんなことを教わりました。ゲームがきっかけで仲間が増えた。友達づきあいもゲームで覚えたし、杉山さんも含めて、いろんな歳の人と知り合いになれたし、人脈も広がった」

杉山:「社会経験という意味では、同じ20歳の中でいちばんいろんなことを経験しているよね。社会的にも国際交流的にも」

KeNNy:「そうですね」


酒が飲める年になりました。日本酒が好きです。特に久保田
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