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■ FPS型パズルという新たなジャンルに挑戦する『Portal』
『TF2』とともにバンドル配信される予定の作品が『Portal』(ポータル)である。同作品は、『HL2』ではじめて登場した反重力銃と同様に、ソースエンジンの物理演算能力を遊びに転化した新しいコンセプトの作品である。正直に言うと『Portal』を言葉で説明するのは非常に難しい。それは、本取材時にチーム代表として対応いただいたレベルデザイナーのキム・スイフト氏自らそれを認めていることからも明らかだ。
『Portal』のレベルデザイナー キム・スイフトさん。今回はチームを代表して『Portal』を紹介してくれた
(C)2006 Valve Corporation. All rights reserved.
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それを踏まえて説明すると、このゲームは、「Aperture Science Laboratories」という特殊な研究所に閉じ込められた主人公が、“Portal”といわれる特殊なデバイスを使い、出口にまでたどり着くというゲームである。
基本構造として各レベルごとに入口と出口は物理的に断絶されている。そこで重要になってくるのがPortalデバイスだ。このデバイスは、壁や床などに向けてビームを放つことで空間のゆがみを作り、レベル内の別の場所に暫定的な出口を作り上げることができる。そのように暫定的な出口を次々と作り上げていくことで、一般的な3次元世界では断絶している場所にたどりつきながら出口を目指す。最終的には、青色の光を放つPortalと赤色の光を放つPortalを操りながら、ミッションをコンプリートすることになる。
青色の光で作られた空間のねじれは、赤色の光で作られた空間のねじれにつながっている。このねじれの関係を使うこともゲームの展開で重要になってくる。多くの場合、Portalデバイスを操ること以外に、レベル内に存在する巨大な立方体などの物体を、重り代わりに活用し巨大なスイッチを押すなどの工夫が凝らさないと、出口にたどりつくことができない。なお、基本的にゲーム内に存在するのは主人公のみ。主人公に対して要所要所でインストラクションを与える“機械的な声のガイダンス”は別室から主人公を観察している研究者という設定だ。
画面上にある立方体はすべて同一の立法体が空間のねじれで複数に見えている
(C)2006 Valve Corporation. All rights reserved.
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既述のように、ゲームの目的は出口までたどり着く、というものだが、プレイテストの結果でのユーザの反応は非常に興味深いらしい。「Portalの扱いに慣れてくると、いろいろ実験を始めてしまうんです」とキムさん。実際にプレイしてみると、今までプレイした様々なゲームではまったく感じたことのない「気持ちよさ」を感じる自分がいた。
ただし、これをジャンル分けするのは非常に難しい。ポータルからビームを撃つ行為はFPSなのだが、壁・床などにビームを撃って出口を見つける行為はむしろパズルゲームだ。空間そのものは、実験室といった感じの白を基調とした単調な場所。しかし、ポータルを使って壁や床に穴をあけるという行為は非常に異次元的な印象を筆者に与えた。全体的に殺伐とした雰囲気がこの「異次元的な感覚」を助長している。ポータルを使い地面に穴をあける。するとその穴を軸として重力が働き、穴に落ちるというよりは、穴を潜り抜けることで次元のねじれのようなものを経験するのも面白い。ときには空間のねじれが、溝を隔てた向かいの空間の壁に穴をあけることもあるので、穴をくぐりぬけようとしている自己キャラクターを、空間のねじれの穴の先に自ら目撃するという「奇妙な現象」も起きる。
穴の先に広がる空間がアリーナ内のどこにつながっているかわからないため(単に壁の裏側にたどりついているわけではない)、前後左右を確認しながら出口への経路を探るという行為も楽しい。
「そのうち、出口を探すことを完全にやめ、Portalを使ってずっと遊んでいるんですよ。たとえばPortalで地面に次々と出口を作って、永遠と落下しつづけるといったことですね」とキムさん。さらに赤色の出口と青色の出口との関係を利用して、立方体が2つの穴をくぐり続けるという特異な現象を見せてくれた。
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