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杉山淳一:もっともっとMOD!
〜PCゲームに残された、とっておきのお楽しみ〜

2006年3月24日

「Hummer Editor」はValve社が提供するMODマップエディタ
※クリックで拡大画面を表示

 PCゲームにあって家庭用ゲームにない機能
 

 現在、日本で「コンピュータゲーム」と言えば家庭用ゲームを指す。しかし、1990年11月にスーパーファミコンが登場したとき、まだ日本のPCゲーム市場は活気があった。

  前年の1989年には、NECのPC-8800シリーズ互換の最終モデルPC-9801DOが発売され、PCゲームの16ビットへの移行は事実上完了していた。16ビット機のPC-9800シリーズでは32ビットのインテル80386プロセッサ搭載機が登場し、低価格PC/AT互換機FMVシリーズも誕生している。家庭用ゲーム機にはない高精細な画面のゲームや、文字を多用するシミュレーションゲームの分野においてはPCゲームのほうが優れていた。ファミコンブームの絶頂期に、スーパーファミコンが登場することによって、PCゲームは衰退すると思われた。しかし、実はPCゲームの絶頂期はその翌年の1991年だった。当時、私はパソコンゲーム雑誌の広告営業を担当しており、1991年はその雑誌の広告収入の歴代最高記録を達成した。家庭用ゲームは玩具市場、PCゲームはホビー市場という棲み分けが成立した。

 1994年にセガサターンやプレイステーションが発売されると、当時のPCゲームを凌駕するような美しい画像が家庭用ゲームでも楽しめるようになった。PC自体の市場は拡大しており、家庭へのPCの普及も進んでいたけれど、それを上回る勢いで家庭用ゲーム機が普及したため、国内のゲームメーカーは、PCよりも家庭用ゲーム機に注力するようになる。これにより日本のPCゲームの市場は縮小傾向になっていった。ゲーム業界でもPCゲームの時代は終わり、と思う人も多かったようだ。

 一方、海外のゲーム市場は、PC/AT互換機の隆盛により一定の市場規模を堅持していた。アメリカでは1993年末に『DOOM』というファーストパーソンビュータイプのアクションゲームが登場し、LAN対戦機能が人気を呼んだ。PCを友達の家などに持って行き、ケーブルでつないで遊ぶというスタイルが流行し始めた。家庭用ゲームはスタンドアロン市場を席巻したが、PCゲームはネットワーク機能に活路を見だした。その後、パソコン通信網を利用したMORPGなど、現在のオンラインゲームの基礎ができあがった。

 家庭用ゲームでも、1994年に誕生したXBANDをはじめ、オンライン対戦やオンラインスコア登録、ダウンロードサービスに対応した作品はあったけれど、オンラインゲームはPCゲームのほうが圧倒的に多かった。私の主観ではあるけれど、現在のMMORPGの盛り上がりを見ると、PCゲーム市場は1991年の華やかな頃よりも遙かに大きい。確かにゲーム市場全体においてPCゲームのシェアは小さいかもしれないが、インターネットの普及やゲーム市場自体のパイが大きくなっていることを考えると、PCゲーム市場の大きさは過去最大と言っても良いのではないか。

 しかし、PCゲームの優位点だった“オンライン機能”という楽しみも、ついに家庭用ゲーム機器に飲み込まれようとしている。いままでもモデムが内蔵されたドリームキャストやプレイステーションのBB Unitがあったけれど、「ゲーム市場全体の中では少数派。まだまだオンラインゲームはPCのもの」という印象があった。しかし、今やニンテンドーDSのWiFi機能を使えば簡単にオンライン対戦が楽しめるし、Xbox Live!も普及し始めた。今年11月に発売予定のプレイステーション3も最初からブロードバンドに対応する。オンラインゲームはコミュニケーションが大切、キーボードがなければチャットができない、という話も過去のものになった。ブロードバンドの普及はボイスチャットを可能にしたからだ。

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