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コラム −RBB TODAY編−




共有型のキーワードは“PON”にある



  占有型FTTHは、引き込んだ光ファイバの信号を、メディアコンバータやONUを使ってEthernetに変換しPCと接続している。信号の変換が加わるものの、基本的には光収容局と直結されるシンプルな構成になっている。

 それでは、共有型FTTHはどのように光ファイバを共有しているのだろうか。多くの事業者では、PON(Passive Optical Network)方式を採用している。まず、局舎内に設置したPONで、バックボーンの帯域を何本かの光ファイバ回線に分岐する。そして、分岐した光ファイバは利用者宅付近まで引き込み、利用者宅付近の電柱上に「光スプリッタ」を設置する。光スプリッタを通して1本の光ファイバの信号をいくつかの光ファイバに分岐、近所の利用者宅にそれぞれ分岐した光ファイバを接続する。

 つまり、共有型の場合、局舎までのアクセスラインをその周辺の複数の利用者で共有するため、ユーザひとり当たりのコストを低く抑えられるのである。したがって共有型は低コストであるうえに、いったん光回線を整備すればその周辺地域では短期間でサービスを提供できるというメリットがあるのだ。

 しかも最近では、PONの規格やスペックも急速に変化している。PON環境の変化によっては、共有型はお手軽FTTHメニューとしてどんどん成長していく可能性があるだろう。というのも、これまでのPONは標準化されたAPONやBPON、そして独自規格のものが使われてきたが、その帯域はいずれも155Mbpsや622Mbps、100Mbpsなどで「メガクラス」であった。

 しかし、実は通信事業者が本命としているのは「ギガビットクラス」である。つまり、通信事業者は「ギガビットクラスPON」の標準化をひたすら待っていたのだ。その証拠に標準化がようやく完了した今、B-PON、E-PONの動向しだいでは、いよいよ「ギガビットクラスのPON」が採用されていくのでではないかと思われる(表2:IRIの「調査結果FTTHサービスのネットワーク方式調査」より一部引用)。


表2:PONの規格とスペック

標準化団体・名称 名称・略称 通信速度(下り/上り)
ITU-T G.983.1[FSAN] APON (ATM-PON) 155M/155M
B-PON (Broadband-PON) 622M/156M, 622M
Extended B-PON 1.25G/622M
ITU-T G.984.1[FSAN] G-PON
(Gigabit-Capable PON)
1.25G, 2.5G/155M, 622M, 1.25G, 2.5G
IEEE802.3ah(EFM) EPON (Ethernet PON) 1.25G/1.25G
1000BASE-PX10
1000BASE-PX20
各社独自方式 E-PON、GE-PON、HG-E-PON  

※ギガビットを超える規格のみ着色


 現在、一般ユーザ向けに提供されている国内の共有型FTTHサービスは、ギガビットクラスPONの標準化が完了する前にサービスインしている。そのため、ほとんどのサービスメニューのアクセスライン側には100Mbpsか、独自の規格が採用されている。しかし、標準化されたPONの登場により、従来の機材はギガビットクラスPONへとリプレースされていくと予想される。

 新たな機器の採用、特にG-PONの採用が進むと、最大構成で上下2.5Gbpsというアクセスラインが登場することがわかった。その場合、サービスメニューを上下100Mbpsに設定するなら、単純計算で25戸まで100Mbpsフルスピードを利用できることになる。ただし、現状でG-PONを製造しているのはイスラエルのFlexLight社しかない(http://www.ubiq.iri.co.jp/research/FTTH_PON_1001-FUPD.pdfの11Pより)。FlexLight社がG-PON機器を中国に出荷したという話もあるが、中国ではまだ一般向けの商用FTTHサービスは登場していない。したがって、G-PONの世界はまだまだ先になりそうだ。

 その一方で、E-PON機器は国内外問わずにいくつものメーカーが製造をしており、ギガビットクラスの本命はこのE-PONになるだろうというのが大方の見方である。となると、今後の共有型FTTHは、E-PONを使ってギガビットクラスPONで光回線を共有するというスタイルになりそうだ。ちなみに1.25Gbpsのアクセスラインを持つE-PONを使うと、最大32ユーザで使ったとしても、1利用者あたり40Mbpsの帯域を確保することができる。E-PONが100MbpsFTTHサービスの本命といわれる理由はまさにここにある。





ギガビットPONの標準化がもたらす「ギガビットFTTH時代」



 PONの高速化にともない、共有型でも100Mbpsフルスピードが利用できる環境が整ってきた。そうなれば、占有型はより高速なメニューを用意せざるを得ないだろう。たとえばE-PONの場合アクセスラインの帯域は1Gbps。つまり、光終端装置がギガビットに対応していれば、いつでもギガサービスの超高速メニューに進化できるのである。

 この可能性は、これまでの流れを考えると決して非現実的な話ではない。ADSLでは、標準規格を使って低コストながら高速なアクセスラインを用意した事業者が業界をリードしてきた。同じように、FTTHサービスもギガビットクラスPONの標準化により同様の現象が起きることを予感させる。

 FTTHのスピードは100Mbpsにとどまらないだろう。占有型は宅内までギガビット、共有型は共有部分がギガビットに進化するのは時間の問題と思われる。

 次回は、本特集の総括として、FTTHの将来である「ギガビットFTTH時代」を7日に公開する。

(山本浩司)



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