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コラム −黒木秀和−
オープンアーキテクチャに秘められた将来性
2004年4月28日
申し込みからビデオチャットまで、これまで4回にわたって掲載してきた「FLET'S.Net日記」もついに最終回を迎えた。そこで、今回はIPv6を利用した先進的な
P2P
サービスである「
FLET'S.Net
」の各機能をもう一度確認し、その将来性を検討してみよう。
FLET'S.Netで利用できるのは
P2P通信サービスとオンラインストレージ機能
FLET'S.Netでは、大きく分けて「P2P通信サービス」と「オンラインディスクサービスFLET'S.Netディスク(以下、FdNディスク)」の2つの機能が利用できる。
これらのサービスはすべて、FLET'S.Netから提供される固有の
IPv6アドレス
に対応づけられて管理されている「FdNネーム」と「FdNナンバー」のいずれかを基盤にしている。それにより、FLET'S.Netは
「なりすまし」や「詐称」といったことができない
という特徴も持つ。つまり、FLET'S.Netが提供するP2P通信サービスは、PC同士を安全にかつダイレクトに接続するサービスなのだ。
一方、
FdNディスク
はといえば、標準で100Mバイト、オプションで最大1Gバイト(月額税込630円)まで使える、FLET'S.Net上で利用できるオンラインストレージ機能だ。今現在、提供されているサービスの中でも、P2P通信サービスとオンラインストレージ機能を併せ持つFLET'S.Netほど、利用できる機能が多く、コストパフォーマンスのよいサービスは他に見当たらないだろう
。
P2P通信サービス
まず、P2P通信サービスとして提供されているツールと、そのツールで利用できるサービス内容を見ていこう。FLET'S.Netで提供されているのは以下の6種類。不在時受信機能以外は、P2P通信サービスの一形態として提供されている。
・
FLET'S.Netメッセンジャー
(
、
)
メッセンジャー機能
不在時受信機能
チャット通信
ビデオチャット
「FdNディスク」クライアント機能
・
FLET'S.Netナンバーソフトフォン
(
)
高品質な映像・音声によるリアルタイム通信
オンラインディスクサービス
FLET'S.Netのオンラインディスクサービス「FdNディスク」では、以下の4つのフォルダを提供しており、それぞれ
異なるアクセス制限をかける
ことができる。
・「message」フォルダ
・「private」フォルダ
・「public」フォルダ
・「members」フォルダ
各フォルダの読み書き特性がそれぞれ異なるため、親しい友人同士でファイル交換・共有したり、一般に公開したりと、さまざまな活用方法が可能だ。たとえば、遠く離れた場所に住むおじいちゃんやおばあちゃんに、孫の写真を見せるときなど、大いに役立ってくれるだろう。ファイルの読み書きも、インターネットエクスプローラから行なえるという手軽さだ(
)。これならば、パソコンに詳しくないビギナーでも簡単に使えるというものだ。
FLET’S.Netで広がるP2Pの世界
上記でも述べたとおり、FLET'S.Netで提供されているサービスは、IPv6を基盤とするP2P通信サービスである(FdNディスクを除く)。提供されている主なP2P通信サービスは以下の通り。
メッセンジャー機能(相手が不在でもメッセージの送信が可能)
電子メールでは送信できないような動画などの容量の大きいファイルもスムーズに送受信できる。
チャット通信
昔ながらのパソコン通信などで行われていたチャット通信だ。FLET'S.Netでは、従来のチャット機能に加えて、やりとりした内容をユーザのローカルディスクにログとして残すことができる。
ビデオチャット
お互いに相手の表情を見て確認しながら会話をすることができる。
高品質な映像・音声によるリアルタイム通信
「FdNナンバー」を用いることによって、ビデオチャットよりさらに高品質な動画がやり取りできる。
SIP
というオープンな技術が使われているため、将来の展開がもっとも期待できるサービス形態のひとつだ。
ビデオチャットとリアルタイム通信は、それぞれPCカメラを利用することから同時に利用することはできないが、それ以外のサービスは組み合わせて使うことができる。たとえば、チャットやビデオチャットをしながら関連するファイルを送信したり、FdNディスクにあるファイルを閲覧したりできるのである。まさに話題に事欠かなくてすむというものだろう。
このように複数のサービスを同時に利用すると、それぞれの利点を併せ持ったより楽しく便利なP2Pの世界を体験できることはまちがいない。各個人に合わせた有効な活用方法を、実際に利用していく中で見つけ出してみよう。
また、FLET'S.Netはフレッツ網内のサービスであるため、「高速な通信が可能」「セキュリティ的に問題が起こりにくい」といった特徴も持っている。
これらの利点をうまく使えば、自由度の高いさまざまなサービスが展開できるだろう。たとえば、ホログラフィ技術を使いスタートレックで使われていた3Dの人物投影を行うことで、本当に目の前に相手が存在して対面で会話しているかのような対話サービスが出てくれば楽しいだろうなと思っていたりする。
サードパーティも参画しやすい
開発が容易なのはオープンアーキテクチャだから
FLET'S.NetがIPv6をベースにしているということはこれまで何度となく説明してきたが、その中でも具体的にどのような技術や規格が使われているのだろうか? ここではFLET'S.Netを実現するために利用されている技術や規格について見ていこう。
FLET'S.Netは主に以下の技術や規格を使用している。
・IPv6技術
・IPv6アドレスのアドレッシング技術
・DNSによるアドレス解決技術
・
SIP
技術
今日のインターネットを構成している技術や規格は、そのほとんどが
IETF(Internet Engineering Task Force)
で提案、策定、承認されている。承認されたものはIETFの公開ドキュメント集である
RFC(Request For Comments)
に明記されるが、これは誰でもインターネットで入手し、閲覧することができる。また、NTT東日本のFLET'S.Net公式ホームページには、IP通信サービスやIP通信網サービスのインタフェースといったFLET'S.Netに関する
技術参考資料
も公開されている。
つまり、FLET'S.Netで使われている技術や規格は、RFCや技術参考資料という形で広く世の中に公開されており、誰でもその技術や規格を自由に利用できるオープンアーキテクチャなのだ。もし、あなたがFLET'S.Net上で運用する新たなサービスやアプリケーションを作りたいのならば、これらの技術や規格を理解して、準拠したサービスの仕組みを構築すれば実現できてしまうのだ。
たとえば、オリジナルのコンテンツ提供サービスチャネルを作ってみるのもおもしろいだろう。FLET'S.Netのオープンアーキテクチャを利用すれば、コンテンツサービスプロバイダの持つコンテンツを活かすようなサービスも、簡単に作り出すことができるに違いない。
このようにオープンアーキテクチャであるということは、サービスを提供する側にとって、技術的な面からもコスト的な面からも大きな利点となっている。というのも、誰もがFLET'S.Netで利用できるアプリケーションを自由に開発できる可能性を与えてくれるからだ。しかも世界標準規格なので、開発期間も短くてすむうえ費用を抑えることもできる。つまり、FLET'S.Net上のアプリケーションやサービス開発というのは、すべての企業にとって非常に参入しやすくなっているのである。
IPv6の普及でインターネット社会はどう変わる?
これまで何度も説明してきように、FLET'S.NetはIPv6を利用したサービスだ。約10年前、インターネットの普及に伴い、旧来のIPv4ではグローバルIPが枯渇してしまうと想定されたことからIPv6の仕様は策定されてきた。IPv6は、それまで使われていたIPv4を部分的に修正・拡張し、冗長な部分をそぎ落とすことによりシンプルかつ大幅に拡張性を持たせている。このため切り替えは急速に進むだろうと予測されていた。しかし予測に反して、その必要性を誰もが認めているにもかかわらず、なかなか実用にはいたらず普及するまでにはならなかった。
また、IPv6が制定された直後は、導入することであたかもバラ色の未来が開けるかのような夢物語が多く語られていた。もちろんIPv6に変えるだけでそうなるわけがなく、重要なのは従来のIPv4では制約されていた部分を、IPv6の持つ拡張性によって開放することでいかに新しい画期的なサービスを考え出せるかどうかにかかっている。
つまり、 IPv6のメリットを活かすような画期的なサービスやキラーアプリケーションを提供することができれば、IPv6の利用は一気に広がっていくだろうと予測できるのだ。そして、その兆しは確実に芽生えている。これはIPv6に対応したサービスが次々と登場してきたことからも明らかだろう。
その中で、他のサービスとは異なり、FdNメッセンジャーやFdNディスクといったツールを使って、メッセージやファイルの送受信、ファイル共有などの多彩なコミュニケーションを手軽に楽しめるサービス、それが「FLET'S.Net」だ。FLET'S.Netによって、より多くのユーザがIPv6サービスを楽しめるようになるだろう。
さて、このままIPv6が普及していくと、インターネットの利用形態はどのように変わっていくのだろうか? そのひとつが今や流行語のひとつになった「
ユビキタス
社会」の到来だろう。ユビキタスとは、「いつでも」「どこでも」「どのような機器」でもIPを使った通信が可能になる社会を意味している。つまり、ありとあらゆる電気製品がネットワークを介して繋がることで、利用者はいついかなるときでも利用したいと思う機器にアクセスできるようになるのだ。
現在、ユビキタス化を推進するために、デジタル家電や、携帯電話・PDAなどのモバイル端末、ホームセキュリティなどのあらゆる分野でメーカーが研究・開発にしのぎを削っている。テクノロジーの進化は急速に進んでおり、そう遠くない未来にこのようなユビキタス社会は実現されていくことだろう。
また、今まで明確に別れていた通信網と放送網の区別が曖昧になり、インターネット上でテレビ放送や報道配信といったことが盛んに行われるようになるだろう。これにより、 今までのインターネットでは考えられなかったまったく新しい利用形態やサービスが出てくることが期待できる。
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第1回「我が家にFLET'S.Netがやってきた!」を読む
第2回「メールでは送れない大きなファイルもらくらく転送」を読む
第3回「最大1Gバイトのディスクなら使い方もいろいろ」を読む
第4回「ビデオチャットを楽しもう」を読む
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執筆/黒木秀和@インターネット総合研究所
Copyright(c)1998-2004 Internet Research Institute, Inc. All Rights Reserved.
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