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6月▲日
<生きること、生かされること> |
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朝起きたら、俳優の窪塚くんのニュースでもちきりだった。
このコラムが公開される頃にはもっとはっきりした情報が出ているとは思うけど、現在のところ、自宅マンションの9階から転落したという。が、幸運にも意識もはっきりしており、全治3か月とか。
9階から落ちて(いやこの表現が正しいかどうかはともかくとして)、全治3か月って!
しかも「重体」ではなく「重傷」レベルだなんて! 凄すぎる。もう彼には神がついているとしか思えない。
これは明らかに彼は「生かされている」のだ。自分の意思ではないところで、見えざる手によって「生きろ!」と言われているとしか思えない。
ためしに自宅マンションのベランダに出てみたのだけれど、改めて下を見下ろしてぞっとした。私の住んでいる部屋は7階ながら、ここから落ちて無事で済むとは到底思えないのだ。高いところから落ちたらニャンパラリと着地するといわれている猫ですら、多分、どうにもならない高さな気がする。
にもかかわらず、これ以上高い場所から落ちて骨折程度で済むなんて! ありえなーい。すごすぎる!
最近、ライターの奥山貴宏の「癌闘病日記」を読んでいるので、なおさらそんなことを思う。彼のことは日本テレビで放送されたドキュメンタリー番組を見て知ったのだけれど、以来、どうしても気になって2日に1度ほど日記を読みにいっている。すでに1年ほど前に余命2年と宣告され、今なお入院治療中にもかかわらず、彼は現在も驚くほど精力的に仕事を続けているのだ。
正直、私は基本的に非常にヘタレな人間なので「癌闘病記」的なものは基本的にあまり読みたくない。単行本化されているものを仕事で読む機会は多いのだけれど、なんていうか読んでいて辛くなってくるのだ。そりゃもちろん、闘病がお気楽な話であるはずはないので当たり前なんだけど。
でも、奥山氏の日記は、さすがに本人が文章書きのプロであるだけに、常に客観的な視点で自分自身を捉えていて、そこが「読みたい」と思わせる肝になっている気がする。
人間は誰だっていつか死ぬ。
そんなことは誰だって解っている。でも、その「いつか」が多くの人にとってはいつなのか見当もつかないわけで。昔「自分がいつ死ぬのか判ったとしたら、それを知りたいか、知りたくないか」という質問が流行った(私の周囲だけ?)ことがあって、そのときは「絶対知りたくない!」と思っていたのだけれど、今だったら知りたいな、と思う。
それを受け止められるだけの強さがあるかどうか、自身はないけど、このままある日突然死んでしまったら、それはそれは後悔する気がしてならないのだ。
……なんてなことを考えていたら、あら不思議。働く意欲が湧いてきた(気がする)!
さぁ頑張って、みなさん自分のために、働こうではないですか! 禁煙しなくちゃなー。
テキスト:藤田香織
イラスト:アニー・ヨシムラ
著者紹介
藤田香織(ふじた かをり)
1968年三重県生まれ。書評家・ライター。
体脂肪率というものの存在を知ってから、一度も30%以下になったことがない半ひきこもり。好きなことは寝ること食べることだらだらすること。嫌いなことは歩くこと走ること動くこと。
2004年春現在「本の雑誌」(本の雑誌社)、「FRaU」(講談社)、「Hanako」(マガジンハウス)、「東京ウォーカー」(角川書店)、「週刊女性」(主婦と生活社)、「ネムキ」(朝日ソノラマ)などでレギュラー書評・エッセイを執筆中。
幻冬舎Webマガジンの「だらしな日記(ときどき)は、毎月1日&15日更新。著書に「だらしな日記」、「やっぱりだらしな日記+だらしなマンション購入記」(共に幻冬舎)などがある。ホームページ「だらしな村」の日誌は1日おきに更新中。
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