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●ヨン様の存在が大きすぎて……
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韓国で8月23日に開催されたプレミア試写会で。左からイム・サンヒョ、ぺ・ヨンジュン、ソン・イェジン、ホ・ジノ監督 (※ 画像はすべてクリックで拡大) |
話を映画に戻そう。久々に演技するヨン様が見られる『外出』だが、韓国と日本では反応が若干違う。アジアからの取材陣400人を含め1,400人のマスコミ関係者を招待した8月23日のプレミア試写会(関連ニュース:ヨン様『四月の雪』試写会で感激〜ソウル)では、日本と中国の記者らは「この映画は絶対にヒットする、素晴らしい」と褒め称え、一方、韓国の記者らは「うん……」と頭を抱え悩む場面が見られた。冬のソナタと変わらない冬、雪、ヨン様のメガネ、ヘアースタイルなどから「日本のファンを意識しすぎた映画」と批判する声もある。
ホ・ジノ監督は韓国映画ファンなら誰もが名作として称える「8月のクリスマス」で一躍有名監督となった。何でもないようなありきたりの日常を静かに、でも独特の感性で表現するのが得意。だが「この映画はヨン様の存在が大きすぎてホ監督らしさを生かせなかったのでは」と韓国では言われている。
韓国でも日本同様、「ヨン様の冬ソナに続く繊細な感情演技がとてもよかった」と言う人が多いが、それよりソン・イェジンの変身が注目された。制服が似合う可憐な少女から一皮向け、自分から進んで「この映画にはベッドシーンが必要。女性が上になった体位の方がいいのでは」とアイデアを出したというほどで、大人になった演技に感嘆している。
●タイトルにも日韓の感性の違い
日韓で映画の評価が分かれるように、感性の違いはタイトルにも表れている。『四月の雪』はホ監督が映画のシナリオをまとめる段階から考えていたタイトルだったそうで、「春が好きだけど雪も好き」というセリフから生まれた。めったにあり得ないけど十分起こりうることを象徴しているよう。ホ監督の作品には象徴的なセリフが多いので『四月の雪』というタイトルもとてもいいと思ったが、韓国ファンは、何を言いたいのかわからないタイトルよりは禁じられた愛を象徴するかのような『外出』のほうがピッタリと口を揃える。
●リアルな感情から生まれたあの名シーン
韓国ファンお勧めの場面は予告編にも出てくる刺身屋で2人がお酒を飲むシーン。これは台本なしで、本当にお酒を飲みながらアドリブで撮ったそう。また洞窟でのキスシーンは、監督の指示でソン・イェジンには何も言わずにいきなりヨン様がキスしたため、驚きながらも幸せそうなリアルな表情がカメラに収められたとか。
ヨン様が屋台で後輩と酔いつぶれるほど飲んだ後「一人にさせてほしい」と言い泣き崩れる場面、9時間もかけて撮ったという噂のベッドシーンにも息を飲んだが、「あれれ?これだけ?」って感じで物足りないという意見が多い。映画サイトの掲示板では、ストーリの流れとして、もう少しインパクトあるベッドシーンでもよかったんじゃない? という書き込みが多かった。
●ヨン様の理想の女性像にも変化が
ヨン様は「この映画を撮りながら理想の女性像が変わった」と言う。今まではしっかりと自分の仕事を持ち努力する女性が理想だったが、映画のソン・イェジンのような賢母良妻タイプもいいなと思えるようになったとか。また『外出』を撮影しながら演技のパターンにも変化があり、今までは人物を綿密に分析し台本どおりに完璧に演技しようとしていたが、ホ監督と出会ってからその時々で登場人物になりきり、感情的に演技することもあったと告白している。
『外出』は韓国では9月8日に公開されたが、コメディ映画に押され、まだ観客はそれほど入ってない。しかし、すでに前売りは1位をキープしているため、9月17日から19日のお盆連休が終われば、忙しかった主婦達が大挙して映画館を訪れるだろうと予想されている。韓国のヨン様ファンの間では「外出は2度観るともっと好きになる映画」と言われているので、日本のファンも負けずに何度も観て、自分だけの名場面を探してみてはいかが?
(趙章恩)
■著者紹介
趙章恩(チョウ・チャンウン):韓日ITジャーナリスト
3歳から高校卒業まで韓日を行き来する生活で、中学生の頃から通訳として活躍。韓国大手商社の日本担当を経て現在ITジャーナリストであると同時に、世界中から殺到するIT視察団を切り盛りするコーディネーターとしても多忙な毎日を送っているが、寝る時間を削っても毎日最低2時間はドラマを見てしまう「ドラマ廃人」。ITよりドラマや芸能界事情のほうが詳しいのではと疑われている。日経新聞「ネット時評」、BCN、夕刊フジなどに連載。著書に「韓国インターネットの技を盗め!」(アスキー刊)、「日本インターネットの収益モデルを脱がせ!」(ドナン出版)など。
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