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小笠原陽介「バイオメトリクス認証の現在と将来」
第1回:金融機関はどう動いたか
2005年6月28日
従来、個人認証に用いられる「鍵」として、最も多用されていたのは、暗証番号を含めたパスワードであったと言ってよいだろう。しかし、その鍵を盗んでしまえば、成りすましが可能になってしまう危険もはらんでいた。
そこで注目されているのが、バイオメトリクス認証(生体認証)と言われるものだ。これは、個々の人間に固有な身体的特徴を鍵として使う。考え方としては「盗みようのない鍵」を使えば、成りすましようもないので安全、ということだ。
これまでにも、指紋による認証が入退室管理システムなど一部で使われてはいたが、そのほかにも、手などの静脈パターンや目の虹彩など、さまざまな身体の部位を使った認証技術があり、ごく最近になって、国内の金融機関などで採用する例が見られるようになった。また、ノートPCなどへの搭載も進んでいる。
この特集では、いよいよ一般社会での実運用が始まったバイオメトリクス認証について、最新技術の内容と社会での採用動向、そしてPCでの利用の今後までを、3回シリーズで概観してゆく。
■金融機関の動向
鍵をかけて守っているものが貴重であれば、それを狙う悪い者がいることも、人間社会の現実だ。つまり貴重なものを守る鍵ほど、強固なものでなくてはならない。バイオメトリクス認証が、金融機関の現金自動預払機(ATM)で導入され始めているのも、守っているものが貴重であり、それを狙う悪意にさらされ続けているからだ。
そしてまた、ATMのように一般の多くの人々が利用するものでは、分かりやすさや心理的な抵抗感の少なさも重要だ。さらに、店頭で多くの利用者に対応するには、処理時間も無視できない。実際に導入される認証方式には、こうした数々の課題を同時にクリアできることが求められるのだ。
では、現時点で実際に導入を進めている金融機関は、どういった理由でバイオメトリクス認証を採用したのだろうか。各金融機関に聞いてみた。
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