いまどきのネットを騒がせている女性たちを紹介する「ネット系女子!」。15回目は、ダンボールアーティスト大野萌菜美さん。大学時代にネットに公開したダンボールアートが「精巧すぎてヤバい!」と話題になり、“ダンボール女子”としてさまざまなメディアに出演。学生時代はフィギュアや食玩の模型制作で知られる海洋堂でアルバイト、大学卒業後はヒーローのスーツを作る造形会社に就職し、その後独立。作品展やワークショップを開催しながら作品をアップし続け、今ではネットを見た海外のインテリアデザイナーやDMM.comなど有名企業からも問い合わせが殺到しています。「ヤバすぎる」ダンボールアートをこの目で見てみたい! さっそく彼女の自宅兼アトリエを訪ねてみました。■きっかけは大学の課題!?――早速ですが、手元にある作品はなんですか?「『ウルトラセブン』に出てくる『恐竜戦車』です。61式戦車(戦後日本の国産戦車第1号)の上に怪獣が乗った、シンプルだけどインパクト大なデザインが最高なんです。張り子のように、ダンボールを切って貼って重ねて作りました。ちなみに、棚から見えているものはロボットの脚。今は制作中で、結構大きくなる予定です」――戦車や戦闘機関連の本がたくさん置いてありますね。「戦車はよく作るモチーフのひとつで、作品を作るまえに構造を理解するために、写真集や画集を購入しています。最初に買ったプラモデルはドイツのティーガーという戦車です。戦車って、全身鉄板で守られているのに、下からの攻撃には極端に弱いらしいんですよ。このツンデレっぷりがすごくかわいいですよね!」――ダンボール工作を始めたのはいつからですか?「大学2回生のときです。大阪の大学でアニメを学んでいて、年に1回アニメを制作する課題があったんです。私はコマ撮りで30秒くらいのアニメをつくる予定でしたが、当時、好きなアニメのグッズを買いすぎて材料費が全然なくなっちゃって(笑)。材料費の節約ために、そこらへんにあったダンボールを使ってみたのがきっかけです。最初は切りづらいし手の油は持ってかれるしで、扱いづらい素材だと思いましたけど、何度か使ってるうちに段々好きになりました」■あたたかい雰囲気がダンボールの魅力――ダンボールアートの魅力はどこにありますか?「安価で手に入れやすいところもいいですが、なにより素材が持つあたたかい雰囲気がいちばんの魅力だと思います。だからカッターではなくはさみを使ってカットして断面に丸みをもたせたり、中芯部分の波目を見せるようにして自分なりの"ダンボール感"を大切に作っています」――ダンボールのこだわりはありますか?「以前はAmazonのダンボールを使っていたんですけど、耐久性がイマイチで・・・・・・。今はA3サイズのダンボールシートを購入しています。販売しているものなので、企業のロゴがないし、質もよくて。角や断面もきちんと処理されていてきれいなんです」――作品はどれくらいの期間で完成するんですか?「大きさによりますね。たとえば、最初に見せた怪獣戦車などの小さいものは1週間以内で作れます。大きいものだともう少しかかりますね。以前作った『スターウォーズ』のミレニアム・ファルコンは2週間かかりました」――設計図はどのように描いているんですか?「私、設計図は描かないんです。だいたい頭の中で設計して、そのままダンボールを切り出して作っちゃいます。パーツの長さが違って困ることも結構あるんですけどね(笑)」