定額制ビジネスに勝算あり……少子化の今こそ子どもにフォーカス! | RBB TODAY

定額制ビジネスに勝算あり……少子化の今こそ子どもにフォーカス!

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どんなおもちゃが届くかわからないプレゼント感覚、サプライズ感も喜ばれているという
  • どんなおもちゃが届くかわからないプレゼント感覚、サプライズ感も喜ばれているという
  • 英語絵本は英国から輸入。ベビーからキッズ初級(3歳以上)、キッズ中級(6歳以上)まで幅広い年齢に対応
  • 「父親としての視点・ニーズがトイサブ!運営に役立っています」と話す、トラーナコントロールズ代表の志田典道氏
【記事のポイント】
▼保管場所は自宅兼事務所の1室だけ、低コスト・スモールスタートを実現
▼子ども関連ビジネスはママ友の口コミ、祖父母の孫育てが狙い目
▼ユーザーのプロファイルを基に、関連商品をレンタルが展開できる


■“プロが選ぶ上質な知育玩具”で教育意識の高い親を取り込む

 欧米で広まり、日本でも注目を浴びつつあるシェアリングエコノミー。その“シェア”の概念を取り入れた、BtoCの定額制のレンタルビジネスが次々と生まれつつある。「トラーナコントロールズ」が昨年11月に立ちあげた、子ども用玩具の定額制レンタルサービス「トイサブ!」もその一つだ。

 同サービスのコンセプトは“子どもの発達をより豊かにする知育玩具の毎月定額キュレーションレンタルサービス”。3ヶ月から3歳の子供を対象に、毎月、隔月、半年と期間を選ぶことができ、毎回3~7点の1万5千円相当のおもちゃが届く。

 「トイサブ!」の特徴は大きく3つある。おもちゃマイスター厳選の知育玩具に特化していること。ユーザーのプロファイルを元にカスタマイズしたおもちゃが届くこと。そして、プランシートという効果的な遊び方と、そのおもちゃの知育面から見た効果の説明書が添えられていることだ。

 自身も3人の未就学児の父親だという、トラーナコントロールズ代表の志田典道氏によると、親目線での「あったらいいな」を具現化しようと思ったのがサービス設立のきっかけだという。

「当時はおもちゃ売り場の男の子は戦隊もの、女の子は人形といった画一的な品揃えに辟易していました。また、子どもにはもっとバラエティに富んだ、有益なおもちゃに触れさせたいと思っても、都心部のマンション住まいでは収納スペースが限られています。自分たちがそう思うのだから、他の親も同様なのではないかと考えたわけです」

 サービス立ち上げの際に参考にしたのが、シェアリングエコノミー発祥の地アメリカで同様のサービスを行っていた「Sparkle Box(現在はPleyが買収)」と「Little Peanut」だ。これらの仕組みに、上質な知育玩具への特化、玩具のカスタマイズ、プランシートといった日本向けのローカライズを施している。

 なお、プランシートについては、「遊び方が分らない」という親の悩みを解決するためのものとのこと。「欧米では学校でペアレンティングという授業がありますが、日本では親になる勉強ってしませんよね。結果生まれた悩みを解消したかった」と志田氏は話している。

■小さくスタート、状況を見ながら設備投資

 サービス設立にあたり、トラーナコントロールズが用意した玩具や設備は意外にも小規模だ。当初用意した玩具は30個ほどで、それを注文に合わせて買い足す形をとった。スタッフは志田氏、おもちゃマイスターの女性、そして志田氏の奥様の3名。ユーザーのリクエストやこれまでのレンタル履歴をシステムで管理するのが、志田氏の役割となる。そのデータを元に、玩具をカスタマイズするのがおもちゃマイスター。梱包や発送の作業は奥様が担当している。

「現在はおよそ500種類1000個ほどの玩具を用意していますが、ほぼユーザーの手元にあるので、保管場所は自宅兼事務所の1室だけで済みます。小さく始められ、状況を見ながら設備投資、広がりを持たせられるビジネスモデルは、色々なモノに応用できますし、小回りの利く中小企業にこそ向いているのではないでしょうか」


 サービス開始時の販促活動に関しては、プレスリリース無料配信サービス「PR TIMES」で告知しただけ。それを見たニュースサイトやテレビ番組などから取材依頼が入り、こうした媒体を入り口とした集客は今なお多いそうだ。また、子ども向け商品に関しては、ことにママ間での口コミが大きな力を発揮する。同じマンション内や、同じ幼稚園エリア内からの申し込みが相次ぐ傾向にあるようだ。

■会員のデータを解析し、次のビジネスへ繋げる

 会員のプロファイルを読み解くと、様々なアプローチ方法も見えてくる。同社が前面に打ち出している“プロが選ぶ上質な知育玩具”。ここに価値を見出すユーザーは、結果的に高級住宅地の住人が多い傾向にあるとわかった。こうしたエリアの住人は、ある程度の世帯所得があり、英語教育への意識も高いことが想定される。

 そこで、同社が新たに始めたのが英語絵本のレンタルサービス「エデュティ」だ。これについては志田氏の読み通り、「トイサブ!」会員が、引き続き「エデュティ」を利用するという流れが生まれている。さらに、不要玩具の買い取りサービスも開始したが、これは「弊社の会員の方は玩具を大切にきれいに使う方が多い」からこそ実現したもの。こうしたユーザーの特性を鑑みて、間もなく子ども服レンタルも展開を予定している。

 また、子ども関連の消費で忘れてならないのが祖父母の存在だ。ネット検索での流入ワードもやはり“知育玩具”が多いが、そのうち2割は祖父母からの申し込みだ。彼らはネットを使いこなすし、予算もあるので年間一括払いのプランを選択する傾向にあるという。こうした孫へのプレゼントというニーズを踏まえ、今後は祖父母世代に向けての販促も考えているようだ。

■恒常的な安定収益と汎用性が大きなメリット

 トイサブ!の会員数は現在230組。黒字化したのは設立から約1年後のことで、黒字に転じた月の売り上げは130万円。これについては従来の月会費制に加え、一括払いで15%オフの年間払いを設けたことが大きかったという。解約率が6.8%と低いこと、順調に会員数を増やしていること、英語絵本や子ども服の展開も考えれば、このまま右肩上がりの成長が見込めるとのことだ。

 子ども向けビジネスにおける志田氏のアドバンテージは、3人のお子さんが通う幼稚園のネットワークにある。マーケティング対象も、注文が集中した際に梱包作業にあたってくれるのも幼稚園の親御さんだ。同社のおもちゃマイスターもベビートイインストラクターの資格を持つ幼稚園ママ。彼女が月齢に合った知育玩具という観点で、志田氏が耐久性という観点で、それぞれおもちゃを選ぶ。

 「トイサブ!」が掲げる“おもちゃのプロが選ぶ上質な知育玩具の定額キュレーションサービス”というキャッチコピーは、教育意識の高い親に響く言葉で溢れている。玩具を置くスペースが限られている、買い与えてもすぐに飽きる、買いに行く時間がないといった現代の親の悩みを解消している点も支持を集める理由だろう。その背景には3児を育てる志田氏ならではの親目線がある。これをいかに取り入れ、ママ友の口コミにのるようなサービスを提供できるかが、子供関連ビジネスにおける重要な要素となるのは間違いない。

【定額制ビジネスに勝算あり:3】少子化の今こそ子どもにフォーカス!

《尾崎美鈴/HANJO HANJO編集部》

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