【国際コインランドリーEXPO】“日常”こそ、ITで変えていく | RBB TODAY
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【国際コインランドリーEXPO】“日常”こそ、ITで変えていく

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コインランドリービジネスに特化した唯一の展示会として、日本で初めて開催された「第1回国際コインランドリーEXPO 2016」
  • コインランドリービジネスに特化した唯一の展示会として、日本で初めて開催された「第1回国際コインランドリーEXPO 2016」
  • コインランドリーにスマートイノベーションを広めることで、ビジネスの可能性がさらに広がると話す、ITビジネスコンサルタントでジャーナリストの神尾寿氏
  • 東京ビッグサイトで開催されたイベントには、3日間で延べ1万7525人が来場した
【記事のポイント】
▼コインランドリーに導入しやすいITは”スマホアプリ”
▼洗濯機の予約や混雑情報の確認など、ITを駆使したサービスで顧客満足度を向上
▼IoTの普及とともに、その運用コストは下がりつつある


「生活に根ざしたコインランドリーこそ、ITと繋がることで社会を変えることができる」

 これは、コインランドリービジネスに特化した展示会「第1回国際コインランドリーEXPO 2016」で開催されたセミナーにおける、ITビジネスコンサルタントでジャーナリストの神尾寿氏による発言だ。

 女性の社会進出などライフスタイルの変化が著しいなかで、コインランドリーの需要はますます高まっている。IT業界のジャーナリストとして15年ほど活動している神尾氏は、自動車とITとの融合を積極的に進めてきた一人。今、ITはいろいろな業種、業態に広まっており、ランドリー業界にも広がる可能性が高いとしている。セミナーではIoTやキャッシュレスなど、業界において今知っておくべきITトレンドについて解説した。

■これから期待されるのはスマートフォンの外への広がり

 スティーブ・ジョブスが2007年、初代iPhoneを世に送り出してから9年が経った。この間にスマートフォンの広がりとともに、インターネットが人々の生活や社会に溶け込んでいくという、グローバルな動きが起きている。スマートフォンが大衆化することで一人が一台、インターネットにダイレクトに繋がるデバイスを持つ時代になったわけだ。

 近年スマートフォンは高機能化、多機能化をしているが、進化の道筋がスマートフォンの中から外へと広がりをみせている。16年10月には日本でApple Payというエポックメイキングな機能がスタートした。これによって、Androidだけでなく、iPhoneでも電子マネーを使った決済が実現している。

 Apple Payに見るように、スマートフォンの外にあるプロダクト、サービス、ビジネスとスマートフォンが連携して、新しい価値を生み出し、新しい市場や収益を生み出すことが期待されている。つまりこれから大切なのは、「非IT市場のIT化」だと神尾氏は話す。そこで提唱しているのが「+IT」という考え方だ。これは、ITをメインにするのではなく、ITを何かを作用させるためのテコとして使うことだという。

 「+IT」の要素は大きく3つ。一つはIoT(モノのインターネット)という考え方。いろいろな機器がインターネットにつながることによって、スマートフォンのアプリなどと連携できる。次に、神尾氏が日本市場に広めたいと考えているのがキャッシュレス化だ。現金を非現金化するメリットは大きく、これによってポイントサービスはさらに広がる可能性が高い。そして、3つ目がスマホアプリ。使いやすくて便利なアプリがあると、そのサービスやプロダクトが使われる傾向にあるという。



■スマホアプリとの連携が新たな集客ツールとなる

 アメリカの調査会社ガートナーでは、2020年頃にはインターネットにつながっている端末のうち約70~80%は、パソコンやスマホではなく「モノ」になると予測している。今後、IoTデバイスで新しいビジネスが生まれていくことは間違いないだろう。

 市場拡大が約束されているなかで、注目すべきメリットは、通信料金が将来的にかなり安くなること。通信は割り算の世界なので、同じインフラを共有するデバイスの数が増えれば増えるほど、単価は下がる。つまり、現状だけで判断するのではなく3年後、5年後、10年後の視点を持つことが大切だ。今、値段が合わないからと諦めてしまうと、数年後に始まるIT化の潮流から遅れをとる可能性が高い。

 コインランドリー業界がITを採用し、活用していける可能性が高いのは、スマホアプリとの連携だと神尾氏は話す。例えば、スマホアプリから自分の洗濯物の状況がわかったり、洗濯機の予約を行う。ORC(文字認識)カメラで、衣類の洗濯タグ表示から洗濯方法を知らせることも可能となるだろう。

「その次にあるのがキャッシュレス化で、これは利用者が小銭を用意しなくてもよくするためのもの。まずはクレジットカード対応からとなりますが、できれば電子マネーも導入を検討していただきたいですね。そのほかではコインランドリーの混雑状況が見られれば、利用者の信頼を得ることができ、集客効果が期待できます」

 混雑状況の発信による集客効果については、駐車場業界で実証済みの事例だそうだ。そして最後に神尾氏が挙げたのがUIデザインの高度化だ。スマホアプリと連携する際には、お年寄りや機械が苦手な人のことを考える必要がある。音声認識などのシステムがあってもいいだろう。

 コインランドリーの利用者は、かつての洗濯機を持たない学生から、さまざまな層へと広がりつつある。IT導入によるUXの向上は、その中で新たな集客につながる可能性を秘めているだろう。その動きを注意深く見守って、導入のタイミングを見逃さず、ビジネスの可能性につなげていきたい。

~国際コインランドリーEXPO:2~“日常”こそ、ITで変えていく

《寺田愛/HANJO HANJO編集部》
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