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「重力波」ついに世界初の直接観測に成功……なにがすごい? どう役立つ?

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LIGOに掲載された研究論文
  • LIGOに掲載された研究論文
  • 国立天文台(NAOJ)サイト
  • 東京大学宇宙線研究所サイト
 全米科学財団と国際研究チームは12日、「重力波」の直接観測に、世界で初めて成功したことを発表した。重力波望遠鏡「LIGO」(ライゴ)により観測された。

 「重力波」は、質量を持つ物体によって引き起こされる時空の歪みが、波のように伝わる現象だ。ちょうど100年前にアインシュタインが発表した「一般相対性理論」において、存在が予言されていた。1993年には連星から重力波が出ていることが、間接的に観測され、ノーベル賞を受賞もしている。

 「LIGO」(Laser Interferometer Gravitational-Wave Observatory:レーザー干渉計重力波観測所)は、重力波検出のための施設名およびその研究チームを指す。アメリカ国立科学財団(NSF)により設立され、マサチューセッツ工科大学、カリフォルニア工科大学が中心となり、1992年より研究を開始している。

 「重力波」の直接観測は、数日前から国内外の研究者間でも噂となっていた。歴史的な偉業のため、研究チームのノーベル賞受賞は確実と言われている。研究論文「Observation of Gravitational Waves from a Binary Black Hole Merger」は英語ながら、LIGOのドキュメントセンターで公開されており、誰でも目を通すことができる。

 今後は天文学の分野で、「重力波」を利用することで、従来の光や電波では観測できなかった、未知の天体現象を解明できる可能性が高い。日本では、重力波望遠鏡「KAGRA」(かぐら)が2018年完成を目指し建設中だ。
《冨岡晶》
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