【WTP 2014】5G・移動通信システムは日本の技術でリードしていく……総務省政策担当者が語る | RBB TODAY
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【WTP 2014】5G・移動通信システムは日本の技術でリードしていく……総務省政策担当者が語る

ブロードバンド 回線・サービス
総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信課 課長 布施田英生氏
  • 総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信課 課長 布施田英生氏
  • 国内における携帯電話の普及と主な機能の進展をグラフで説明
  • 世界ではGSMの利用率が未だ高いという
  • 通信事業者の売上と契約者数を比較した解説図
  • 移動体通信システム用周波数の割り当て状況一覧
  • 周波数再編は終了促進措置によりスムーズに進みつつあるという
  • 700/900MHz帯の再編イメージ
  • 第4世代システムの特長
 無線通信技術の展示会「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2014」が東京ビッグサイトで開催されている。29日に開催されたセミナーでは、総務省の布施田英生氏が「モバイルブロードバンドのさらなる発展に向けた制作動向」と題した講演を行った。

 布施田氏ははじめに昨今の移動通信を取り巻く環境の紹介から始めた。携帯電話は端末が小型化されるとともに爆発的に普及を拡大してきた。2013年12月末時点で携帯電話サービスの加入者数は約1億4,110万人いるといわれているが、そのうちLTEサービスは約3割にあたる3,880万人が加入する。布施田氏は「この3割のLTEユーザーによるデータトラフィックが、全体の約7割を締めている」としながら、そのボリュームが着実に増え続けていることを指摘した。

 移動通信のトラフィックの推移については、過去3年間で伸び続けている。伸び率は昨年までの年間2倍規模のスピードからやや鈍化しているというが、これについはWi-Fiとのオフロードなどが同時に推進されているからだという。1日内のトラフィック変化については、平日は昼休みの時間に上がり、夜の22時から24時までのピークに向かってトラフィックが上がるという一定的な傾向がみられるとした。

 全世界での携帯電話の普及状況については、2012年末時点で約63億人、人口普及率は90%に達する。契約数の伸び率が高いとされているのはアジア太平洋、およびアフリカ地域であり、約32.6億の契約者数がいると言われている日本/中国/インドのアジア太平洋圏で人口普及率90.7%に迫る。ただ、世界全体の傾向としてはまだ第2世代(GSM)の端末普及率が75%もあり、「第3世代のW-CDMA/CDMAの割合は高まりつつあるが、3.9世代のLTEユーザーは全世界ではまだごく少数。アフリカについてはまだGSMしか使えない国も存在する。今後、東京オリンピックの開催までに、異なる通信方式と使う地域の人々が日本に訪れたときに、どう互換性を確保していくかも議論に昇っている」と布施田氏は語る。

 LTEの提供状況については、2014年1月末現在で100カ国268の商用ネットワークがLTEサービスを提供している。LTE回線上で音声通話を行うVoLTEは、NTTドコモが6月からのサービスインを予定しているが、韓国で2012年8月から先行スタートしている背景について布施田氏は「なぜ韓国が先に始められたのかという指摘もよく受ける。それは例えば3Gしかつながらないエリアに移った時の通話環境の確保であったり、VoLTEのデータ処理に必要な能力の高いチップ開発を待つなど、両国の間でお客様へのサービス確保をどこまでこだわるかの違いだと思っている」と答えた。

 また世界各国での通信事業者の売上規模と契約者数についても比較しながら、布施田氏は次のように考察を加えた。「日本では限られた1億数千万人のユーザーをキャリア各社が分け合っているが、ユーザー1人あたりの売上高が高いことからビジネスが成立している。一方で中国では1人あたりの売上高は低いものの、ユーザーが桁違いに多い。顧客規模を重視するビジネスモデルだ」(布施田氏)
《山本 敦》
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