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au WALLET登場で競争激化!? 主要電子マネーとの違いは?

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発表会での様子。イメージキャラクターは所ジョージ
  • 発表会での様子。イメージキャラクターは所ジョージ
  • 他の電子マネーサービスとの比較
  • 共通ポイントカードとの比較
  • スマホ向けアプリ「au WALLET」も同時に提供が開始される
  • au WALLET
  • 楽天Edy
  • Suica
  • WAON
 KDDIの電子マネーサービス「au WALLET」が21日にスタートする。同サービスは、チャージ式の磁気カードシステムを採用したプリペイド型の電子マネーサービス。世界210以上の国と地域にある約3,810万店のMasterCard加盟店で利用できる。

 プリペイド式で気軽に持てること、使える店舗数が多いこと、スマートフォンとの連携、ポイントが貯まること、などが特徴とされる「au WALLET」だが、具体的に他の電子マネーサービスと比較するとどうだろうか。今回は、クレジットカードや電子マネーの評論家 岩田昭男氏に電子マネー比較のポイントを聞き、他の代表的な電子マネーサービスとの違いを探った。

 そもそも、各種電子マネーサービスはどんな分類に分けられるのか。岩田氏によれば、「庶民の生活に密着した“流通”“交通”“通信”の三分野を“三通”と呼び、この中でau WALLETは通信系に分類できる」とのこと。通信系に類する「au WALLET」の比較対象として、岩田氏は交通系から「Suica」、流通系からは「楽天Edy」「nanaco」「WAON」といったサービスを挙げた。これらを、『決済可能店舗数』『チャージ方法』『ポイント機能』といった切り口で比較してみたいと思う。

■クレジットカードのように、多くの場所で使えることが強み

 まず『決済可能店舗数』について。「au WALLET」は冒頭でも述べたようにMasterCard加盟店での利用が可能で、その数は実店舗とネット店舗を併せて世界約3810万店。国内における数字は非公開だが、ネットでは国内最大級の店舗数に対応しているという。MasterCardはVISAカードと並んで普及率が高く、多くの店舗で利用できる印象がある。プリペイド型電子マネー「WebMoney」サービス加盟店でも利用可能。一方、「Suica」は国内約24万5000店の実店舗と、ネットではえきねっとショッピングやアマゾン等のECサイトで利用できる。流通系で最も利用可能店舗数が多いのは「楽天Edy」で、国内約37万1000店で利用可能。ネットは楽天グループのサイトが中心となる。

 国内での対応店舗数がはっきりせず、一概には言えないが、やはりMasterCard加盟店全てにおいて使えるというのは「au WALLET」の大きなアドバンテージであるように思う。また、利用手数料が4%発生するものの、海外で唯一利用出来るのも大きな違いだ。

 次に『チャージ方法』だが、「au WALLET」は、auショップ・au WALLETアプリ・au WALLETサイトの3つのチャネルからチャージが可能。アプリからシンプルな操作でチャージができることはKDDIならではの特徴と言える。アプリとサイト上では、月々の通信料と合算して請求されるauかんたん決済によるチャージや、じぶん銀行からのチャージ、クレジットカードによるチャージなどが可能となっている。また、「au WALLET」の利用で貯まるWALLETポイントを1ポイント1円としてチャージすることもできる。

 店頭・アプリ・Webサイトの3チャネルでチャージが可能なのは他のサービスも同様で、店頭に関しては全国のコンビニなどでチャージできる「Suica」や「楽天Edy」、「nanaco」も利便性は高い。「au WALLET」ではデビューキャンペーンとして初回チャージ分に10%のボーナスをつけたり、じぶん銀行経由のチャージの場合にボーナス分を上乗せしたりといった部分で優位性を出し、スタートダッシュをかける構えだ。

■ポイントアップ店の拡大に期待

 『ポイント機能』は、利用できる店舗、ポイント付与率/変換率の点から見ていく。利用できる店舗については、どのサービスも先に述べた『決済可能店舗数』と同等である。加盟店でのショッピング以外の利用方法として、「au WALLET」では日ごろ利用する携帯電話の通信料に充てられることが特徴。その他auの各種商品やデジタルコンテンツの購入にも利用できる。「Suica」は交通機関への乗車、「nanaco」はオリジナルグッズとの交換などに利用可能。また、「Suica」「nanaco」「WAON」「楽天Edy」は提携サービスのポイントとの交換も可能となっている。

 ポイント付与率は、「au WALLET」「楽天Edy」「WAON」が200円につき1ポイント、「Suica」は店舗によって100円~200円につき1ポイント、「nanaco」は100円1ポイントで最も付与率が高い。いずれも1ポイント1円相当で利用できる。ただし、店舗や曜日によってボーナスを設けているサービスもあり、「au WALLET」ではセブン-イレブンを始めとして、200円につき2ポイント~3ポイントが貯まる“ポイントアップ店”が存在する。また、auショップ店頭で専用端末にau WALLET カードをかざすと、抽選で最大3,000ポイントをプレゼントする「au WALLET ウェルカムガチャ」も6月2日から実施予定。「WAON」の場合には、イオンの店舗で“ポイント5倍デー”などのキャンペーンを定期的に実施。「Suica」や「nanaco」も曜日や店舗によって幾つかのボーナスキャンペーンを実施中だ。

 ポイントサービスという点では、電子マネー以外にも「Tポイント」「Ponta」などの共通ポイントカードがある。これらは、利用可能店舗数で数万店程度のものが多く、「au WALLET」など他の電子マネーサービスには及ばない。また、「au WALLET」と競合するというよりも、同時に利用すれば双方のポイントが貯まるため、上手く共存できる可能性がある。

 岩田氏によると、電子マネーサービスを比較する際に重要なのは「決済件数」だという。「数が少なくても常に使われているカードなら有望な電子マネーと言われる」とのこと。決済件数が増えるためには、使い勝手の良さ、利用可能店舗数、ポイントの魅力などが重要になってくる。KDDIの田中孝司社長は「au WALLET」の勝算について、「どこでも使えてポイントも貯まる、スマホアプリで簡単にチャージもできるという便利な側面をアピールしていきたい。今回はプリペイドカードというアプローチの方がわかりやすくて、多くの方々に受け入れられると考えた。スマホアプリと組み合わせれば、チャージ金額やポイントの残高も見られるし、使い勝手は良くなるはず」と述べている。プラスチックカードを採用した選択については様々な意見が出ているが、分かりやすく使いやすいという点では、確かに万人に受け入れられやすいように思う。店側も日頃クレジットカードでの決済をこなしているため、新たな問題は発生しないだろう。今後、ポイントアップ特約店の増加や、ポイント利用先のさらなる拡大が望めれば、後発のサービスとはいえ、通信系を代表する電子マネーに成長する可能性は十分にある。明日のサービス開始以降、その動向に注目したい。
《白石 雄太》
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