中国発のウェアラブルデバイスは全部入り……PTエキスポで見た中国デバイス最新事情 | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

中国発のウェアラブルデバイスは全部入り……PTエキスポで見た中国デバイス最新事情

エンタープライズ モバイルBIZ
中国国際情報通信展覧会(PTエキスポ)
  • 中国国際情報通信展覧会(PTエキスポ)
  • ウェアラブルデバイス
  • 中国発のウェアラブルデバイスは全部入り……PTエキスポで見た中国デバイス最新事情
  • 中国発のウェアラブルデバイスは全部入り……PTエキスポで見た中国デバイス最新事情
  • 中国発のウェアラブルデバイスは全部入り……PTエキスポで見た中国デバイス最新事情
  • 中国発のウェアラブルデバイスは全部入り……PTエキスポで見た中国デバイス最新事情
  • 中国発のウェアラブルデバイスは全部入り……PTエキスポで見た中国デバイス最新事情
■中国最大の通信関連展示会「中国国際情報通信展覧会」

 中国最大の通信キャリア「中国移動通信」がTD-LTEのサービスを行うと言って久しいが、いよいよ秒読み段階とも言われている。筆者は中国のLTEのネットワーク開設状況と、中国の携帯電話市場の情勢などを知るべく、9月24~28日に中国・北京で行われた中国国際情報通信展覧会(PTエキスポ)という展示会に訪れた。

 PTエキスポは、中国の通信事業者を中心に今後の中国国内における通信ネットワークやサービスを紹介する場であり、GSMAが主催し上海で開かれるMobile Asia Expoと比べ、より規模の大きい展示会だ。それもそのはず、主催が中華人民共和国工業情報化部といい、政府機関である国務院の所属機関が行っている展示会であるからだ。中国移動において今年がTD-LTEの商用サービス元年となる予定のためか、TD-LTEを利用したサービスや技術の紹介が大々的に展示されていた。また別の通信事業者である中国電信においても同様にFD-LTEを紹介していた。さらに、「智慧」という言葉が会場で多く見られた。これは日本語に訳すと「スマート」に相当するが、他の単語につけると、スマートカー(車)やスマートシティ(都市)といった意味になる。そしてスマートカーやスマートシティそれぞれの展示にはLTEや新しい端末を紹介するデモコーナーが設置されるなど「LTE」一色の展示会だった。

■恐らく最先端、ウェアラブルデバイスは多機能、ハイスペック、中国のものづくり

 中国移動も中国電信も政府機関が主催の展示会だからこそ、TD-LTEをはじめとしたLTEのサービスを国内外に向けたプロモーションを大々的に行ったが、LTEの国際ローミングやLTEの技術を特定産業(警察や軍隊など)の事業者に向けたアプリケーションなどの興味深いものは一部で、その他のサービスの展示は目新しさが少なかったように思う。

 そんな筆者の目を奪ったのは、ウェアラブルデバイスの紹介を行っていたブース達である。10社程の商社やメーカーが、中国国内で作られたウェアラブルデバイスの実機紹介を行っていた。並べられていた実機をよく見てモノの説明を受けると、どの端末もユニークで新しさを感じられた。

 ウェアラブルデバイスというと、Jawboneの「Up」やFitbitの「Flex」(ソフトバンクヘルスケアで使われているリストバンド)が有名で、これらはヘルスケア用の腕時計型デバイスである。またサムスンの発表した「GALAXY Gear」のようなスマートウォッチも代表格でSMSや通話着信を受けることができる。お互いは別のジャンルで存在し、不可侵条約を結んでいるかのようだった。しかし、中国のウェアラブルデバイスは、それらの機能を可能な限り一つのデバイスに盛り込んでいた。いわゆる全部入りのデバイスを中国がこぞって作っているのだ。さも当たり前のように各社ともにこのようなデバイスを作ってきていることに感銘を受けた。だがバッテリーの持ちなど、少し配慮が必要かと思う。どのデバイスも機能を盛り込んだのはいいが、ユーザビリティという点での配慮がないような気がした。

 中国政府機関が主催する展示会なので、通常ならばショーケースで終わるはずなのだが、民間企業として自分たちの新しい製品を売り込もうとする気概も中国人の凄さと言えるかもしれない。我々は商社や貿易会社ではないと伝えても売り込みはやまなかった。

■着々と高まる中国の技術力、今こそ日本仕様のデバイスも欲しい

 ウェアラブルデバイスの開発・製造を行っているEMSメーカーに話を聞いてみたところ、「欲しいものがあれば何でも作りますよ。勿論、商品の企画もできますし」と力強いコメントが返ってきた。
 「何でも作りますよ」の言葉の裏に技術力を感じることができる反面、「商品の企画もできる」という割に展示しているデバイスはありきたりな機能を持ち合わせたモノばかりで企画力に欠けるとも捉えることができる。が、中国メーカーの技術力が上がってきていることは確かで、日本メーカーもうかうかしていられない現実が迫っていると感じられた。

 9月6~11日にドイツのベルリンで行われたIFAや、10月1~5日に幕張メッセで開かれたCEATEC JAPANに出展していたSonostarという中国の深センの企業は本展示会には出展していなかった。自社開発の電子ペーパーディスプレイを使い、SMSや着信通知の受信が可能で、ランニングの持続時間、距離、速度、燃焼カロリーデータ等の蓄積が可能なデバイスをアピールしていた。こういった中国メーカーがヨーロッパや日本市場を見据えて、各展示会でアピールしていることも驚きである。

 近年、中国ではウェアラブルデバイスへの関心度が高まってきているようで、今年の終わりから来年にかけてデバイスの普及および流行が起こりそうだと市場関係者は見ているようだ。Sonostarのようなメーカーが引き続き市場に現れ、世界を席巻していくかもしれない。

 先日、ソニーがXperia連携の製品を発表したが、日本の企業からも世界で戦っていけるような日本らしいデバイスが発売されることに期待したい。
《田村一誠》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top