【CEATEC 2012 Vol.20】日産「眠れる獅子が目を覚ました」…自動運転EV | RBB TODAY
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【CEATEC 2012 Vol.20】日産「眠れる獅子が目を覚ました」…自動運転EV

ブロードバンド フォトレポート
日産自動車電子技術開発本部IT&ITS開発部ITS開発グループ・飯島徹也担当部長
  • 日産自動車電子技術開発本部IT&ITS開発部ITS開発グループ・飯島徹也担当部長
  • 日産自動車・NSC-2015
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  • 日産自動車電子技術開発本部IT&ITS開発部ITS開発グループ・飯島徹也担当部長
日産自動車は自動運転機能を搭載した電気自動車(EV)ベースのテストカー『NSC-2015』を出展している。NSC-2015の開発責任者を務める、電子技術会開発本部の飯島徹也ITS開発グループ担当部長は「眠れる獅子が目を覚ましたもの」と表現する。

‐‐‐‐:今回のショーではEVによる自動運転を提案していますが。

飯島部長(以下:飯島):前回は、「リーフ to Home」でいわゆる電気パワーが家とコラボする、そして電気自動車がより身近になってくるというところをご紹介したわけですけれど、今回はEV自身が車として進化していく姿というものを新たに提案しています。

今のEVは眠れる獅子なわけです。眠れる獅子というのは、目を閉じたロボット。要するに自分で動く能力を持ち、そして動く力も持っているけど目は閉じたまま。後は外が見えさえすれば、情報がありさえすれば自立して動けるということです。


‐‐‐‐:具体的にはどのような方法で行うのですか。

飯島:自動駐車設備というシーンを想定してますが、2つのアプローチからやっています。ひとつはスマートフォンを使ってLTEでクラウドとつなぐことで、車がこれから入ろうとする駐車場の詳細な寸法、どこが明いているか、どこに止めるか、そして順番があったら何番目に止めなさい、そういう情報を設備側のクラウドから受ける。

そして、その次には車の周りについている4つの目(センサーカメラ)で、車自身の周辺はどうなっているか確認する。そうするとクラウドからもらった詳細な駐車場の情報と、車自身が見えている駐車場の白線などの情報とを照合することで、自分はどこにいるのかというのを5cm以内の精度で把握する。あとは指定された場所に、カメラの情報をもとに自走して止める、そういう仕組みです。


‐‐‐‐:クラウドと車の機能分担はどうなっていますか。

飯島:クラウドからは情報と交通整理だけです。詳細な地図と、車が駐車スペースに入る順番の指示それだけ。頭脳は車自身で持たなくてはいけない。カメラから入って来た画像を処理して数値に置き換えるとともに、クラウドからもらったデータと照合して、次はハンドルを何度動かして、何km/hのスピードでコントロールすれば良いを判断するのが車の役割。


‐‐‐‐:スマートフォンはどのような役目をしますか。

飯島:そのキュー(指示出し)です。情報はクラウドから降りてくる。そして自分の目(センサー)で見る、この2つでリロードされるわけです。指示するのは自分の持っているスマホでやるわけです。無人バレーです。


‐‐‐‐:無人バレーは2011年の東京モーターショーでも『PIVO3』で提案していましたね。

飯島:あれはコンセプトなので、今回は実際に動くものをお見せします。前回の東京モーターショーはコンセプト、今回のCETEACはリアルです。車自身がセンサーで見た情報を実際に処理して、自分のいる位置に換算するソフトウエアの開発に1年くらいかかりました。人間と同じことをしようと思ったら、スマホの1万倍くらいのCPUがなければいけないけど、そこまでは必要ない。限定された情報と、車をインテリジェントに動かすためのわずかばかりの頭脳を追加して与えてやるだけで、こういうことができるわけです。


‐‐‐‐:そうしますとセンサーの解像度もそれほど高い精度を要求していないということですか。

飯島:今回使っているのは既存のアラウンドビューモニターです。メガピクセル画像です。メガピクセルといえば、人間の視力のだいたい100分の1くらいの解像度ですが、相当のことはできると思います。だから5cm(以内の精度で把握する)というのも納得いただける寸法だと思いますね。


‐‐‐‐:市販化が視野に入っているスペックになっているというわけですね

飯島:そうですね。それぞれの個々の技術というのは、市販に近いレベル。例えばクラウドとつなぐというのは、今もうリーフはつながっていますね。そこは新しくない。また車が周辺を見たものをインテリジェントで処理する、それもそんなに遠い技術ではない。自動駐車という機能を実現するため要素技術はもう明日の技術なんです。

では何が一番遠いものかというと、限定された駐車場設備の中で、無人で自動運転するということに範囲を絞って実現しようとしているわけですが、そのためには無人環境の駐車場とか、自動駐車専用の設備というものを準備していく必要がある。そこに関しては我々だけではやりきれないところがある。

もし実現させようとしたら、そこが最大のハードルになります。ただ、電動化社会というものは、こういう未来をみんなでみることで一緒に進んでいかなければいけない話だから、そこに社会的なメリットがあればみんなで協力してやっていきましょうということで、こういう未来の提案をしています。

【CEATEC 12】日産「眠れる獅子が目を覚ました」…自動運転EV

《小松哲也@レスポンス》
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