【Interop Tokyo 2012】WLANの設計・環境を最適化するメルーの3大テクノロジー | RBB TODAY
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【Interop Tokyo 2012】WLANの設計・環境を最適化するメルーの3大テクノロジー

ブロードバンド テクノロジー
メルー・ネットワークスのブース。「BEST OH SHOW AWARD 特別賞」を獲得したコントローラと各種アクセスポイントを展示
  • メルー・ネットワークスのブース。「BEST OH SHOW AWARD 特別賞」を獲得したコントローラと各種アクセスポイントを展示
  • メルー・ネットワークスの3大テクノロジー
  • メルー・ネットワークスのコントローラ「MC4200」。中・大規模ネットワーク向けの製品で、最大500基(推奨)のAPを制御できる
 エンタープライズ向けのWLAN装置を提供するメルー・ネットワークスは、「Interop Tokyo 2012」において、ワイヤレス部門で「BEST OH SHOW AWARD 特別賞」を獲得したコントローラ「MC4200」と、各種アクセスポイント(AP)を展示していた。

 同社のWLAN装置には、他社にない差別化された3つの大きなテクノロジーが盛り込まれている。最大の特徴は、複数のAPで単一チャネルのWLAN環境を構築できる「シングルチャネルデプロイメント」という技術だ。コントローラ側でAP同士の電波干渉を制御しながら、スループットを向上させることが可能だ。

 企業がWLANの導入を検討する際には、電波の干渉対策が必須になる。たとえば従来のチャネル設計では、隣り合うAP同士が同一チャネルにならないようにAPを配置し、電波の出力を微調整することで、干渉を取り除くアプローチを取っていた。しかし、現実にはAPの出力調整だけでは調整しきれず、セルサイズ以上に電波が届くこともある。同一チャネルでの干渉を完全に取り除くのは困難だ。うまく調整できたとしても、あとでカバレッジホールが見つかれば、すべてのチャネル設計を見直すことになる。また組織変更がよく行われるような企業では、たびたびレイアウトが変わるため、再度のサイトサーベイが必要になり、その作業にかかる手間やコストも非常に無駄になる。

 そこでメルー・ネットワークスでは「従来の発想を転換し、コントローラ側で同一チャネルの干渉を制御することでコリジョンをなくし、複数のAPを同一チャネルで展開できるようにした」(同社システムエンジニア 中西良夫氏)という。単一チャネルなので、従来のWLAN製品より簡単にプランニングでき、カバレッジホールがある場合でもAPを単純に追加するだけでよい。また広帯域が必要な場合は、チャネル・レイヤリング機能を使用して、複数チャネルを重ねて利用することができる。この場合でもAP出力を調整する必要がなく、設計が容易だ。

 もう1つのテクノロジーは、AP間をまたぐ無線通信において、ハンドオーバーを発生させない「バーチャルセル/バーチャルポート機能」だ。WLANをモバイルで利用する際に、クライアントが移動すると、以前のAP接続を引きずって、新しいAPになかなか切り替わらないことがある。あるいはAPが切り替わるタイミングで、クライアントが以前のAPと新しいAPのどちら側に接続して良いのか判断できずに、ピンポン状態でAP間に交互に接続されてしまうこともある。

 このような問題を解決するために、メルーのコントローラは、クライアントに対して常に最適なAPを判断して制御を行う。「クライアント側から見ると、実際に通信をするMACアドレスと同じものが引き継がれていくため、あたかも1つのAPとして認識される」(中西氏)。そのため、どのAPにつながっているのか全く意識することなく、複数のアクセスポイント間の移動が可能になるのだ。つまりハンドオーバーが発生しないため、通信が途切れる心配もなく、シームレスな移動性を提供できるわけだ。

 3番目のテクノロジーは「エアタイムフェアネス」と呼ばれる技術だ。中西氏は「より多くのクライントがWLANに接続されるようになると、シェアードネットワークであるため、どうしてもクライアント間で通信の不平等が発生してしまう」と、従来の問題点を指摘する。たとえば802.11aと802.11nが混在している通信環境もあるだろう。その際に、もし両者が同時に同じデータ量の通信をしようとすると、802.11nのほうが通信が速いため、短い時間で済んでしまう。両者が同時に通信していれば、11aであろうが11nであろうが、交互にデータが送信されるため、結局のところ送られるデータは同じ量になってしまう。

 そこで同社では、データの通信量ではなく、クライアントごとにネットワークのアクセス時間を均等に分配する時分割のような技術を取り入れた。11aでかかる時間と同じだけ11nにも時間を割り当てるようにすれば、11nのデータ転送の総量が大きくなり、通信速度の効果を十分に発揮できるようになるわけだ。簡単にいうと、APにデータを溜める桶のようなものが用意されており、データが溜まったら送信する作業(キューイング)を、11aでも11nでも同じ時間ずつ実行してやるというイメージだ。

 今回の受賞では、このような他社にない画期的な同社のテクノロジーが大きく評価されたようだ。受賞製品の「MC4200」は、最大500基(推奨)のAPを制御できる中・大規模ネットワーク向けのコントローラだが、同社では1500基(推奨)までのAPに対応するコントローラも用意している。規模が大きくなるほどサイト設計も難しくなるため、これからも同社のテクノロジーの優位性が際立つことになるだろう。
《井上猛雄》
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