NEC、ICカードに内蔵できる超薄型・湾曲OKな電池を開発……「有機ラジカル電池」活用 | RBB TODAY
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NEC、ICカードに内蔵できる超薄型・湾曲OKな電池を開発……「有機ラジカル電池」活用

エンタープライズ ハードウェア
薄型で曲げることもできる有機ラジカル電池
  • 薄型で曲げることもできる有機ラジカル電池
 日本電気(NEC)は5日、薄くて曲げられるなどの特長を有する二次電池「有機ラジカル電池」において、ICカード(規格厚0.76mm)に内蔵可能な、「厚さ0.3mm」の超薄型電池を開発したことを発表した。

 「有機ラジカル電池」は、リチウムイオン電池をはじめとする他の二次電池にはない、薄型・柔軟性・高出力性・高速充電が可能といった特徴を持っている。とくにこれらの特長を活かし、ICカードの高機能化や電子ペーパーなどへの適用が期待されている。しかしながら、従来の薄型化は0.7mmが限界とされており、規格厚さ0.76mmというICカードへの適用は困難だった。

 今回、印刷技術を用いて回路基板と電池を一体化することで、従来比1/2以下となる厚さ0.3mmを実現。これにより、大きな電力を必要とする画面表示機能や、通信機能、高度な暗号化処理機能をICカードに搭載することが可能となる見込みとなっている。

 電池を包み込む外装材として、回路基板にも利用可能な厚さ0.05mmのポリマーフィルムを使用。印刷技術により負極を回路基板上に直接形成するとともに、負極の上にセパレータ(絶縁体)、ラジカルポリマー正極などを積層して作製することで、厚さ0.3mmを実現した。なお、従来の電池では、外装材として利用していたアルミラミネートの厚みだけで0.2mmを要していたとのこと。回路基板上には小型電子部品も実装可能で、電池に加えてアンテナ、ICを実装した回路基板を用いることで、電池を内蔵した規格サイズのICカードが実現可能となった。なお、3cm角、厚さ0.3mm、電池容量3mAhの試作品において、1回の充電により表示画面の更新2000回、連続フラッシュ発光360回、位置情報送信35回などが可能だったとされている。充放電サイクル試験では、携帯電話用リチウムイオン電池と同等の性能である、500回の充放電で初期容量比75%の容量を維持した。
《冨岡晶》
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