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NTT、世界で初めて「光RAMチップ」の動作を実現

ブロードバンド テクノロジー
RAMに用いた光メモリの構造図
  • RAMに用いた光メモリの構造図
  • 情報流通量と消費電力の増大
  • 4ビット集積光RAMチップ
  • 光メモリ動作
  • 従来の光メモリとの消費電力・サイズの比較
  • 光RAMチップのランダムアクセス動作
  • 将来の応用イメージ
 日本電信電話(NTT)は24日、「光ランダムアクセスメモリ」(光RAMチップ)の動作を世界で初めて実現したことを発表した。26日(英国時間)には、成果を英国科学雑誌「Nature Photonics」のオンライン速報版で公開した。

 「光RAMチップ」は「フォトニック結晶」と呼ばれる人工構造を用いて、光メモリの消費電力を従来比300分の1以下に低減し集積チップ化したもの。現在、光ファイバーを用いて伝送される高速な光データは、ネットワーク機器で一旦電気に変換された後に電気回路で処理されており、その際の変換電力及び電気回路の処理速度がNW機器の性能ネックとなっている。とくに、最も光化が困難だと考えられてきたのはNW機器の中で高速な信号を蓄積・転送するために用いられているRAM(ランダムアクセスメモリ)だった。今回開発された、光RAMチップを用いることで、光データを電気に変換することなく蓄積・転送することが可能となり、将来的には、ルータなどのネットワーク処理機器の大幅な高速化、低消費電力化が期待できる。

 NTTは、フォトニック結晶の強く光を閉じ込める特性を利用して、超低消費電力、超小型の光メモリを実現。さらにこの光メモリ(1ビット)を4つ集積したチップを作製し、高速光信号を電気信号に変換することなく高速処理できる、世界初の光RAMチップを実現した。用いられた光メモリは、従来の光メモリに比べて消費電力は300分の1しかなく、超小型であるため、大規模な集積化にも適用可能だという。

 今後、NTTの研究所では今回開発した光RAMチップを高密度化し、集積度を上げていく研究を進め、10キロビットから1メガビット程度規模の光RAMの実現を目指し、将来的にはルータに代表されるネットワーク機器に適用することで、ネットワークの処理速度の高速化および大幅な低消費電力化の達成を目指す。
《冨岡晶》
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