富士通、3G携帯のハンドオーバー技術で平成23年度全国発明表彰「発明賞」受賞 | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

富士通、3G携帯のハンドオーバー技術で平成23年度全国発明表彰「発明賞」受賞

エンタープライズ 企業
従来と本発明の比較
  • 従来と本発明の比較
  • ハンドオーバーの概略
 富士通および富士通研究所は27日、同社の移動通信方式に関する発明が、発明協会が主催する「2011年度全国発明表彰」において、「発明賞」を受賞したことを発表した。

 受賞対象は、1998年に富士通が出願し、2003年に特許として登録された「CDMA移動通信における基地局切替え方法の発明(特許第3479935号)」。第3世代移動通信システム(3G)の携帯電話端末が移動する際に接続する基地局を順次切り替えていくハンドオーバー技術に関するものとなっている。この発明で実用化された方式は、3Gの国際標準であるW-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)で利用されている。

 W-CDMAを用いた携帯電話システムでは、ハンドオーバーの際に、通信の連続性を確保し、ハンドオーバー前後の基地局からの信号の受信タイミングを合わせ、通信が途切れないように基地局を切り替える必要がある。このとき、2つの基地局の周波数が異なる場合には、端末は2つの基地局からの信号を同時に受信できないため、周波数を切り替えて測定を行うこととなる。従来技術では、端末だけで2つの基地局からの信号の時間差を測定するため、測定のための周波数の切り替え時間が長くなり、音声の瞬断やデータ伝送速度の低下が発生し、重要な課題となっていた。

 本発明では、基地局からの信号の時間差測定を端末だけで行うのではなく、端末と基地局側で分担して行うことにより、端末における測定時間を短縮して測定による中断を解消し、音声の瞬断およびデータ伝送速度低下を起こさない測定を実現した。本発明はW-CDMA標準に採用され、パテントプールから標準必須特許として認定されており、世界中で利用されている。

 「全国発明表彰」は、日本における発明、考案、または意匠の創作者ならびに発明の実施および奨励に関し、功績のあった方々を顕彰するもの。
《冨岡晶》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top