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サービス開始!LTEの実力をチェックしてみた!

ブロードバンド 回線・サービス
自由が丘の桜並木の遊歩道で計測。ここもLTEエリアだ
  • 自由が丘の桜並木の遊歩道で計測。ここもLTEエリアだ
  • ノートPCに接続したL-02C
  • 接続ソフトを起動し、端末を認識すると初期化、接続がはじまる
  • 自由が丘のコーヒーショップで計測中
  • YouTube動画を視聴。まったく問題ない
  • 自由が丘で計測中
  • LTEエリアでも接続に失敗すると、HSUPAなど下位の接続方式で接続する
  • LTEで接続できたところ
 24日、いよいよLTEのサービスが始まった。理論値で下りが最大37.5Mbps(一部の屋内では75Mbps)となっており、データ通信カードでFTTH並みのスピードがでるというNTTドコモの「Xi(クロッシィ)」(クロッシィ)というサービスだ。さっそく、USBドングルタイプの「Xi(クロッシィ)」通信モジュール「L-02C」を試す機会に恵まれた。自宅周辺と都内にてその使い勝手と実力を試してみたので、その結果をレポートしたいと思う。

 まず、気になるのはスピードだろう。これは、RBB TODAYのスピード計測サイトをベンチマークとして、ノートPC(Dynabook NX:Core 2 Duo SU9300 1.20GHz)に接続したL-02Cで計測してみた。PCは異なるが(Dyanbook R730/38A:Core i5-560M 2.66GHz)イー・モバイル(D02HW)での計測結果とも比較する。また、参考のため、同じPC、同じ場所でUQ WiMAXでの計測結果も適宜補足する。

 計測場所は自宅のある神奈川県川崎市と、「Xi(クロッシィ)」のサービスサイトで調べた都内2ヵ所とした。都内2ヵ所はどちらも24日のサービス開始時にLTEエリアとして示された地域で、ひとつは駒澤大学周辺の路上である。もうひとつは自由が丘駅だ。自由が丘駅は、北側(正面口:HSUPAエリア)と南側(南口:LTEエリア)で対応サービスエリアが異なっていたので、それぞれの場所でもチェックしてみた。

 さっそく、計測結果からみていこう。自宅の川崎市はHSDPAエリアだが、計測は室内で行った。ちなみに自宅は木造戸建住宅である。雨戸、窓は全閉の状態だ。L-02Cの計測結果は下り298kbps/上り366kbpsとなった。3G系の通信カードとしては普通の数値だった。参考までに同じ条件で、イー・モバイルでは4.22Mbps/350kbps(下り/上り:以下同)、WiMAXでは11.61Mbps/1.5Mbpsという結果がでている。ちなみに「Xi」(クロッシィ)対応機種は、Xiエリア外においてもFOMAエリアでデータ通信が利用できる。

 自宅周辺はLTEのエリアになっていないので、この結果はFOMAハイスピードとイー・モバイルの違いを見ているに過ぎない。しかも、イー・モバイルを測定しているPCは2010年秋の最新モデルであり、CPUとクロック周波数などノートPCのスペックがかなり影響していると思われる。

 次に駒澤大学周辺へ移動して計測してみた。ここでは、国道246号線から1本入った路地の路上での計測とした。周辺はマンションなども多く道幅(センターラインなし)もあまり広くないので、上空はそれほど開けている状態ではない。結果は、「Xi(クロッシィ)」で4.46Mbps/315kbpsだった。イー・モバイルは646kbps/343kbpsというスピードとなっていた。上りのスピードは「Xi(クロッシィ)」とイー・モバイルであまり変わらないが、下りの速度は明らかな違いとなり、Web閲覧などでも、画面描画速度は体感できる差異がみられた。

 自由が丘では、最初にLTEのサービスがきていない駅の北側(正面口側)のコーヒーショップの店舗内で計測してみた。ここは、LTEはまだきていないが、HSUPAのサービスエリアとなっている。結果は「Xi(クロッシィ)」が5.96Mbps/323kbps、イー・モバイルが5.07Mbps/370kbpsとなった。

 今度は駅の南側(南口)に移動して、別のコーヒーショップに入って計測した。ここはLTEエリアである。しかし、最初は店舗の2階でつないでみたのだが、L-02Cの接続ソフトの表示はHSUPAとなっていた。場所は地図で再確認してもLTEエリアのはずである。おそらく、建物の構造やその他の条件で2Fの座った席ではLTEの電波を受信できないのだろう。そう思って同じ店舗の1Fに移動したら、案の定LTEで接続できた。イー・モバイルでもWiMAXでも鉄筋の建物の奥や、階によって圏外になることがある。「Xi(クロッシィ)」とて例外ではない。

 さて、その結果だが、「Xi(クロッシィ)」は9.46Mbps/247kbps、イー・モバイルが3.23Mbps/296kbpsという数字となった。上りは、端末の電力消費などの問題を考えると200~300kbpsというのが現実的な設定なのだろう。どちらも上りの速度差はあまりないが、下りはLTE実力がでているといえるだろう。

 ちなみに、同じ場所でWiMAXでの計測は6.49Mbps/1.71Mbpsとなった。実測値ではあるが、上りの1Mbps以上でているのはWiMAXならではだが、下りはWiMAXより「Xi(クロッシィ)」のほうが速くなっている。

 今回の計測は、統計的な計測、分析を行ったわけではないので、この結果から、「Xi(クロッシィ)」の傾向を評価したり、他のサービスと単純な比較をするのは難しいが、LTEの下り速度は最大37.5Mbpsという理論値の27%と3割近くを達成しているのでよしとしよう。添付ファイルの送信などを行わなければ十分な速度だが、LTEといっても上りは3Gレベルと変わらないと思ったほうがよいだろう。

 通信モジュール(USBドングル)の使い勝手は悪くない。PCに挿入した状態で、あまりでっぱることがなく、喫茶店のテーブルなどでも横方向を気にする必要はあまりない。設定や接続も簡単で、設定ソフトをクリックするだけで、端末の初期化、接続まで数十秒で終わる。なお、必要な設定ソフトのインストールは、PCに接続すれば自動的に処理が始まる(ゼロインストール)。設定画面のシンプルでわかりやすいが、端末の認識に少し時間がかかるのと、モジュールをUSBソケットに差し込んでいるのに、設定ソフト起動直後に「機器が取り外されました」というメッセージが表示されることがあった。しばらくすると正常に認識して初期化や接続が自動的に始まるが、ちょっと戸惑う表示だ。

 LTE接続の状態で、アプリケーションもいくつか試してみた。6~9Mbpsという計測数値がでているので、YouTubeの動画視聴なども問題ない。音声が途切れたり、画面がフリーズするなどの症状は確認できなかった。機器を返却する日に、都内、神田錦町のオフィスビル12階で接続するチャンスがあった。窓際ではあるが、12階の高さでもLTEで受信でき、下りは7Mbps台、上りは400kpbs台だった。試しにハイビジョンのYouTube動画を視聴してみたが、全画面にしても十分視聴に耐える再生だった。ただし、全画面表示では、ハイビジョンといっても細部までくっきりといかず、シーンチェンジなどの際にブロックノイズなどがみられた。これは、「Xi(クロッシィ)」の問題というよりYouTubeハイビジョンの限界だろう。

 また、スカイプも問題なく使えた。筆者は仕事がら、デジカメの画像データを出先から送信することがあるのだが、自由が丘のLTEエリアで、5MBのデジカメ画像(jpgファイル)を1枚、Gmailから送信テストを行ったところ、アップロードと送信で3分30秒くらいかかった。画像をリサイズするなどして300KB前後になったファイルは20秒ほどで送信完了までいけた。

 ドコモのデータ通信サービスはmoperaなど対応プロバイダ契約が必要なのだが、「Xi(クロッシィ)」でも同様である。最後に、今回の計測結果を表にまとめたので、そちらもあわせて確認してほしい。
《中尾真二》
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