富士通研、関係者のビジョン共有を支援する新手法を開発……“思いの関係”を可視化
生活や仕事の場に入り、生活者や働く人の視点から日常の姿を調査する、文化人類学・社会科学の現場調査法「エスノグラフィー」を応用することによって、同じプロジェクトに関わる異なる立場のメンバーの“思い”を引き出して可視化し、一人一人が納得して取り組める共有ビジョンを形成するという。
プロジェクトを成功に導くためには、「共有ビジョン」を持つことが重要だが、共有ビジョンを導く方法論は確立されていなかった。消費者の暗黙的な視点を引き出す方法として、マーケティングやプロダクトデザインなどの分野では、「エスノグラフィー」が着目されていおり、富士通研では2004年より研究に取り組んできた。
「Group Vision Analysis」は、メンバーの思いを調査者が聞き出すインタビュー技法と、聞き出した思いを可視化する技法から構成される。エスノグラフィーのインタビューでは、ふだん当たり前に実施していることなど日常の行動に着目。話をしやすいストーリーをきっかけにインタビューを進め、成功したなら何が成功の要因なのか、失敗したなら何が失敗の要因かを聞き出す。これによって、メンバーが持っている成功の基準を明確にして、メンバーの思いを掘り起こす。さらに「何のために行っているのか(ありたい姿)」と「それを実現するには何をすべきか(実施すべきこと)」を目的や手段の関係として図示。図では上位にありたい姿、下位に実施すべきことを表記して、内容によっては階層的に表現し、さらに、内容が同じものについては、異なるメンバーのものを重ね合わせる。これにより、分析者が、メンバーの納得できる「ありたい姿」と「実施すべきこと」を簡単に見つけることができる。
同社では今後、本手法を地域連携や、業界を横断する社会的な課題解決に展開していく予定。また、業務が大きく異なる組織群や、多くの組織が関わるプロジェクトなどへの試行も進めていく。なお本技術の詳細は、8月29日から東京で開催されるエスノグラフィーのビジネス応用を議論する国際会議「EPIC 2010」にて発表される。
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