【データウェアハウス & CRM EXPO】「Knowledge Suite」は中小企業にこそ使って欲しい――ブランドダイアログ社長の稲葉氏 | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【データウェアハウス & CRM EXPO】「Knowledge Suite」は中小企業にこそ使って欲しい――ブランドダイアログ社長の稲葉氏

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
ブランドダイアログ代表取締役社長の稲葉雄一氏
  • ブランドダイアログ代表取締役社長の稲葉雄一氏
  • Knowledge Suite
  • 中小企業にこそ使ってほしいと強調する稲葉氏
  • Knowledge Suiteの概念
 「第15回 データウェアハウス & CRM EXPO」にて、ブランドダイアログ代表取締役社長の稲葉雄一氏が「ビジネスに活かす!SaaS型CRMの最新動向と活用事例~吊しのスーツを着こなす経営者達」と題した講演を行った。同講演では主に中小企業がSaaS型ビジネスアプリケーションを導入するにあたって直面する課題とその解決方法が語られた。

 稲葉氏は冒頭、「2009年初頭からSaaS型の業務支援アプリケーションが、業務改善や組織改革の一助を担うという期待から中小企業の経営者などに注目されているが、実は多くの企業が導入に失敗している」と指摘。同社のグループウェア製品「GRIDY(グリッディ)グループウェア」の導入企業を対象とした調査でも、業務効率化を実現した企業は10%に過ぎず、他の90%は一部の機能のみの利用に留まっていると話した。

 その理由の一つとして氏は「経営陣の思惑と、従業員の現実の距離感」を挙げた。経営陣はグループウェアをはじめとするビジネスアプリケーションに「情報共有」や「組織の見える化」といった業務改善、ひいては売上げに直接つながる効果を期待するが、これは企業が求める将来の理想像であり、利用する社員の側から見ると「面倒な作業が増える」、「結果だけで評価されてしまう」、「会社から監視されている」といったネガティブな側面ばかりが目立ち、利用の促進が難航することが多い。氏は会社都合の「見える化」「可視化」ではなく、従業員から会社に対しての「見せる化」を実現するべきだと主張。会社が一方的に売上げという結果だけを求めるのではなく、現場の業務プロセスを社員が「見せる」ことによって、売上げに繋がらない業務にも正当な評価を与えたり、無駄な会議をなくすなど作業の軽減を図るなど、わかりやすいメリットをまず見せるべきだと語った。

 また、導入成功のポイントとしてもう一つ、最初は「便利」という視点でのカスタマイズや機能要望をしないということも挙げた。導入担当者はCRMやSFAといった業務支援アプリケーションについての知識を要しているため、より便利にするため高いお金をかけてカスタマイズや機能追加をする傾向がある。しかし、このような高度な機能を用意しても、現場からは「またやることが増えた」と思われる傾向にある。使われるかどうか分からないものに初期投資する必要はなく、まずは最小限からスタートし、運用が軌道にのってからカスタマイズしても遅くはない。「高価なオーダーのスーツを注文するのではなく、吊しのスーツを着こなす柔軟性と判断が必要」と例え話しを使って主張した。

 その後稲葉氏はセキュリティについても言及。SaaSアプリケーションの選択の基準として「Pマーク、ISO27001取得企業であること」、「IDCのクラウドセンターが日本国内にあること」、「SLAを開示していること」を提示、さらに情報漏洩の原因の6割以上が管理ミスであるという調査結果を示したうえ、セキュリティと共に運用のルール化の重要性を指摘した。
 
 以上のように稲葉氏はビジネスアプリケーション導入の課題とその解決策を示した上で、同社のSaaS型ビジネスアプリケーション「Knowledge Suite(ナレッジスイート)」の紹介を行った。「Knowledge Suite」は、グループウェア「GRIDY グループウェア」、営業支援アプリ「GRIDY SFA」、顧客管理アプリ「GRIDY CRM」、問い合わせ履歴管理アプリ「GRIDY CENTER」、さらに現在開発中の代理店管理アプリ「GRIDY AGENCY」、Web販促支援アプリ「GRIDY AFFILIATE」の計6つのサービスから構成される。初期費用無料、ユーザー数無制限、完全従量制で、ストレージの使用量(2000円/1GB)で利用することができる。初期費用やユーザー数、保守費用などで課金されることが多い他社のサービスとは異なり、SaaSが持つコストメリットの恩恵を享受できるサービスであるとアピールした。

 「Knowledge Suite」を導入すると、スケジュールの共用、会議室や社用車の予約管理、決済承認などのワークフロー、といった通常のグループウェアの機能はもちろん、「Gridy SFA」を使って、獲得した名刺と営業日報を入力するだけで、社員の活動や取引、見込み顧客の可視化が可能になり、社員から会社に対しての「見せる化」を容易に実現することができるのがウリだ。稲葉氏は、「組織、体勢、業務のプロセス作りを始めた中小企業にこそ使って欲しい」と意欲を示した。

 続いて稲葉氏は、「Knowledge Suite(ナレッジスイート)」を導入に成功している企業の事例紹介をいくつか行った。フリーのデザイナーが7名の集団である「moss design LLP」では、「ファイル」、「トピック」機能を使って情報共有を行っている。また、会議室がないため「設備予約」機能を使って打ち合わせのための飲食店を登録するというユニークな使い方も行っている。「OWNDAYS」ブランドでメガネ・サングラスの店舗を展開するオンデーズでは、「ファイル」、「トピック」機能を使って、フランチャイズ店舗の管理運営や販促資料の配布・共有を行っている。トピックにはYouTubeにアップロードした動画を埋め込むなど、毎回見てもらえるような工夫をしているという。精密金属部品加工メーカーのTANOIでは、「トピック」、「ワークフロー」機能の他、「備品管理」機能を在庫管理にといった独自の使い方を行っている。今後は「GRIDY SFA」、「GRIDY CRM」の機能の導入にも積極的だという。

 このように導入に成功した企業の事例を見ていくと、すべての機能を使うのではなく、2~3の機能しか使用していないという共通点があるという。稲葉氏は「最初から欲を出さずに、まずは課題を解決するために必要な少数の機能に限定して運用し、毎日使ってもらうことで社員にツールの便利さを体験させ、徐々に便利の先にある機能を増やしていくといったプロセスを踏むことが、ビジネスアプリケーションをスムーズに導入するためには重要だ」と語り講演を締めくくった。
《RBB TODAY》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top