富士通、アジア太平洋域災害管理システム「センチネルアジアSTEP2」を構築 ~ 衛星画像を各国に配信 | RBB TODAY
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富士通、アジア太平洋域災害管理システム「センチネルアジアSTEP2」を構築 ~ 衛星画像を各国に配信

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マヨン山の南東側斜面の拡大図(溶岩流出後)
  • マヨン山の南東側斜面の拡大図(溶岩流出後)
  • マヨン山の南東側斜面の拡大図(溶岩流出前)
 富士通は31日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が事務局を務める「センチネルアジアSTEP2」のシステムを構築し本格稼働を開始した。

 「センチネルアジア」は2005年にJAXAが提唱し、アジア太平洋地域宇宙機関会議(略称APRSAF)が推進する国際プロジェクト。現在、23カ国、58機関、9国際機関が参加している。「センチネルアジアSTEP2」は、アジアにおける防災・減災活動を支援するため、JAXAなどアジア各国の政府機関が保有する地球観測衛星で取得した衛星画像を、衛星を保有しない国を含めたアジア各国の防災機関へ、衛星やインターネットの通信を利用し配信するシステムとなる。

 東南アジアなどの国からもセンチネルアジアのシステムにアクセスしやすいよう、日本の中央サーバ以外に、タイとフィリピンに地域サーバを設置。これにより中央サーバと同じ災害情報を地域サーバからもダウンロード、閲覧できる。また各国の防災機関が必要なときに災害情報をダウンロードや閲覧できるよう、森林火災情報、雨分布画像、気象衛星画像などを、中央サーバから地域サーバに5分ごとに衛星通信またはインターネット通信を使用して定期配信している。さらに定期配信だけではなく、災害発生時などの緊急時にアジア各国から要求があった場合、災害地域の緊急観測を行う。

 これによりアジア各国は、近年多発している台風、洪水、地震、津波などの大規模自然災害時に、各国がより迅速に防災活動に取り組むことが可能となる見込みだ。なお2009年10月~2010年3月の試験運用間に、12月25日のフィリピン マヨン山噴火の被害状況把握などにおいて使用され、有効情報であることが実証されているとのこと。システム構築にあたり、PCサーバ「PRIMERGY」を9台、ネットワークディスクアレイ「ETERNUS NR1000」、高信頼基盤ソフトウェア「PRIMECLUSTER(プライムクラスタ)」を導入。インターネット環境が十分に整備されていない地域にも配信できるよう、富士通の高速ファイル転送ソリューション「BI.DAN-GUN(ビーアイドットダンガン)」が衛星やインターネットの通信機能に組み込まれており、高速なファイル転送を実現した。
《冨岡晶》
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