国内競争環境への不満続出——総務省タスクフォース・検討部会

2009年12月13日(日) 18時32分
総務省タスクフォース・検討部会の模様の画像
総務省タスクフォース・検討部会の模様
過去の競争政策の評価の画像
過去の競争政策の評価
NTTグループの市場支配力の画像
NTTグループの市場支配力
各国のブロードバンド市場の状況の画像
各国のブロードバンド市場の状況
日本のICT競争力の画像
日本のICT競争力
日本独自仕様の弊害の画像
日本独自仕様の弊害
ブロードバンド普及率の画像
ブロードバンド普及率
現行の競争環境の歪みの画像
現行の競争環境の歪み
フェムトセル基地局対応の画像
フェムトセル基地局対応
 10日に総務省で開催されたグローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース「電気通信市場の環境変化への対応検討部会」(過去の競争政策のレビュー部会)では、NTTと総務省に対する批判が相次いだ。共通しているのは、事業者間の競争関係を促進する環境が不十分であること、ドミナント監視を強化すべきであるという点だ。主な発言者はKDDI代表取締役社長兼会長の小野寺正氏、ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏、ケイ・オプティコム代表取締役社長の藤野隆雄氏、ジュピターテレコム代表取締役社長の森泉知行氏、イー・モバイル代表取締役社長兼COOのエリック・ガン氏、そして日本電信電話代表取締役社長の三浦惺氏。

 KDDIの小野寺氏は、諸外国ではドミナント事業のシェアが低いにもかかわらず、日本ではNTT東西のシェアが上昇してきており独占性が強くなっている点を指摘。「光アクセスのインフラ基盤は電電公社時代に国民負担によって構築されてきたもの」「NTT東西はシェアをほぼ100%占めているメタルの加入電話の加入者情報を利用することにより、容易にFTTHサービスのお客様を誘導することが可能だ。ところが他の事業者はそういう情報をもっていないので当然営業コストが上がる。その意味で、従来のメタルのお客様情報をどのように取り扱うのか、ここは非常に多くの問題だろうと思っている」とした。またNGNについては競争事業者の存在を無視した設計と非難。「全ての顧客をNGNに収容するということを意図しているのは、NTTが公明している」として、NTT持ち株会社下でのNTT再編の根本理念を変更するという大きな政策変更にもかかわらず、活用業務として認可されている点に疑問をなげかけた。「活用業務では電気通信事業の公正な競争に支障を及ぼす恐れがないことが認可の要件になっているが、明らかに競争条件の大きな変更であり、活用業務として認可されていることに、我々は非常に疑問をもっている」と発言した。

 ソフトバンクの孫正義氏はタスクフォースの議論の方向性がずれてきており、政権交代により競争環境が軽視されている点に危惧を感じると問題視した。「具体的にはインフラ整備は十分である、これからは利活用に話題を転化しようという傾向が見られるが、デジタルデバイドも含めインフラ整備は不十分であり100%の普及を目指すべきである」と発言。また、「国際競争力を強化するためには国内の競争で疲弊している場合ではないという意見も見られるが、まるでこれは国内では競争しなくていいから、日本の代表選手であるNTTを中心としてこれを擁護せよ。とうけとられても仕方ないような議論がなされている」と批判した。さらに日本の国際競争力が低下している原因については、世界標準をとらなかった点を指摘。携帯電話における韓国やフィンランドの例を挙げながら「当時は日本独自方式、PDCという独自方式にすべく総務省もNTTも議論をリードしたのではないか?」として、それが世界標準をとっていったフィンランドや韓国に大きく遅れをとった原因であると指摘、失われた10年になってしまったと発言した。

 ケイ・オプティコム代表取締役社長の藤野隆雄氏は、固定ブロードバンドの新しいサービスは競争環境のなかで生み出されたものだが、ADSLがめたりっく通信やソフトバンク、FTTHの100Mbpsや1GbpsサービスがUSENやKDDIやケイ・オプティコムから登場したことを挙げ、NTT独占では発展は見込めなかった点を強調した。また、現在は利用者の利便性にプラスとなる競争環境にひずみが生じていると問題視した。「活用業務と称してなし崩し的に業務範囲を拡大したり、権益子会社に自主的な業務をシフトすることで規制から逃れたりしている。また、グループ内でNTTブランドを共有し人事交流も活発に行われて一体化が進んでいる」として抜け道のないルール化を求めた。

 具体的に挙げられたのが、フェムトセル基地局対応の例だ。「NTTドコモに対してフェムトセル基地局対応の協議を申し入れていたが、ずるずると待たされたあげく、NTT東西との協議のみ先行してこのような発表になったと聞いている。法では合理的な理由なく、特定の電気通信事業者に対して不当に優先的な取り扱いなどができないことになっているが、NTTグループ間の協議を優先することで結果としてNTTグループが他より先行して新サービスの市場投入ができるという状況になっている」と批判した。インフラを充実させていくことが重要であり、資インセンティブを確保するとともにサービス競争と設備競争を両立させることが必要で、国際競争力を確保するためにも、足元の競争力環境は重要だと強調した。
《RBB TODAY》
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