『崖の上のポニョ』がジブリ初のブルーレイ版で12/8登場〜宮崎監督ドキュメンタリーも
ここでは映像面に注目して内容を紹介していこう。作品は“ポニョフィルター”が存分に活かされ、「高精細でありながら柔らかい」、ある意味で相反する要素が上手く融合している。画素の粒子がきめ細かいのは当然だが、むしろ力点はそこには置かれていない印象だ。明らかにCGでは出せないジブリならではの温かみが感じられ、人物や風景の線のニュアンスがはっきりと浮き出ている。
圧巻のシーンはいくつもある。例として真っ先にあげたいのは、ポニョが魚の大群とともに海上に上がってくる場面。魚の1匹1匹が、きちんと表情を持って描き分けられているのには驚きだ。もう一つ、台風が迫り大雨が襲う中で軽自動車が海岸沿いを走るシーンでは、まるでモンスターのように波が襲ってくるような迫力がある。7月に発売されたDVDでもこのダイナミックな迫力は体感できたが、今回はスケールが何倍にも増しており、一緒に観ていた5歳のわが子も、思わず驚きの声を上げていた。そこで描かれた波の「青」はよりはっきりと「青の濃さ」が出ており、その点にもブルーレイならではの表現が活かされている。
また、ブルーレイ化されたことで、これまで気づかなかったディテールまで見てとれるようになった。たとえば背景に描きこまれた数字や、無造作に置かれたヌイグルミ、ハチミツのとろみ、ラーメンに浮いたスープの脂など——自然とこうした発見があるのが面白い。海中で魚が泳ぐシーンも多く出てくるが、それらはまるで「架空の水族館」と呼んでも差し支えないほど。大小の海中生物が意思を持つかのようにいきいきと動き、自由に泳ぐ魚たちが心を和らげてくれる。一方で水面への映り込みなども計算しつくされ、光と影のバランスが緻密に描かれているのがわかるはずだ。
大容量データを収録可能なブルーレイならではのボーナスコンテンツも充実している。特筆すべきは、絵コンテとアニメ本編の対比による「ピクチャー・イン・ピクチャー」だ。最初から最後のシーンまで、宮崎駿監督は詳細に絵コンテを描き上げており、もはやそれだけでストーリーが完成しているのだ。この特典は大変見ごたえがある。
ほかに、全編英語吹き替えによる「北米版本編」、「ノンクレジット・エンディング」や「タイアップTVスポット」なども収録されている。大ヒットした主題歌のミュージックビデオや、同韓国語版ビデオなどお楽しみ企画も収められた。
また同時に超長編ドキュメンタリー『ポニョはこうして生まれた。〜宮崎駿の思考過程〜』も発売された。題名どおり、ポニョの構想が生まれてから絵コンテが仕上がるまで、約2年半にもわたり宮崎監督に密着した特濃映像。本編総時間は何と約12時間半。この長時間収録もブルーレイだからこそ実現可能となったものだ(DVD版は5枚組)。さすがに一気に見通すことは難しいかもしれないが、「宮崎駿」という日本を代表するクリエイターをあらゆる側面から知るには格好の素材である。
ハンディカメラ1台を用いて会話形式で進む内容となっており、飾らない宮崎氏のキャラクターも含めて、親密さが浮き彫りになっている。創作に対する「宮崎哲学」の金言が各所にちりばめられ、ジブリファンならずとも感心する場面は多いだろう。本編にあわせてこれを観れば、ポニョをより深く堪能することができそうだ。
・製品ラインアップ
<2009年12月8日(火)発売>
『崖の上のポニョ』
ブルーレイディスク:7,140円
『ポニョはこうして生まれた。〜宮崎駿の思考過程〜』
DVD:9,240円
ブルーレイディスク:11,340円
『「崖の上のポニョ」特別保存版』 初回限定生産
DVD:19,110円
・『崖の上のポニョ』(2枚組)
・『ポニョはこうして生まれた。〜宮崎駿の思考過程〜』(5枚組)
・『久石譲in 武道館〜宮崎アニメと共に歩んだ25年間〜』
『「崖の上のポニョ」ブルーレイディスク 特別保存版』 初回限定生産
ブルーレイディスク:18,480円
・『崖の上のポニョ』
・『ポニョはこうして生まれた。〜宮崎駿の思考過程〜』(2枚組)
※ 初回限定特典
・「ポニョのシールブック」、
・DVD「課外授業 ようこそ先輩 〜伝わる"地図"を描く〜」(出演:鈴木敏夫(映画プロデューサー)他)
※「崖の上のポニョ」ブルーレイディスクの初回限定特典は、「ポニョのシールブック」のみとなります。
<発売中>
『崖の上のポニョ』
DVD:4,935円
VHS:4,725円
三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー提供作品
『ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢』
DVD:3,990円
ブルーレイディスク:4,935円
注目ニュース
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