“日本品質”のサービスでICTビジネスを世界につなぐ——NTTコム和才社長
最初にNTTコミュニケーションズ代表取締役社長の和才博美氏が壇上に上がり「モバイル/インターネットの普及によるICT革命によって、企業ではビジネスモデルの、個人ではライフスタイルの変革が見られる」と指摘、それぞれについて解説を行った。
まず、企業のICT環境については、従来のハード/ソフトを所有し運用する形から、データセンターにサーバを置き、必要なサービスを必要なときに料金を支払って利用するクラウドコンピューティングの形に移行してきていると説明。
クラウド隆盛の理由としてインフラコストの下落やサーバ・ストレージの仮想化技術の発達、利用できるアプリケーションの多様化をあげ、企業側から見るとITコストの削減やどこでも使える柔軟性、さらにCO2排出量などの環境負荷削減効果といった大きなメリットがあるとした。
一方、クラウドは自社のデータを見えないところにあるデータセンターに預けるという形になるため、セキュリティや通信品質などの不安要素を感じるユーザーも存在すると指摘。その点NTTコミュニケーションズが提供するクラウドサービス「BizCITY(ビズシティ)」は、OCNやgooなどNTTグループが運営する大規模サイトでも安定した運用を実現しているデータセンターと、通信事業者として長年高品質なインフラを提供してきたネットワークマネージメントの豊富な経験があるため、一般的なクラウドサービスに存在するブラックボックス的部分がほとんど存在しないとし「企業のクラウド化に際する不安のかなりの部分を解消できる」と胸を張った。
さらにBizCITYの特徴である、IP/VPN経由のプライベートクラウドと、一般のインターネット経由のパブリッククラウドの接合部分におけるセキュリティについても強調。クラウド企業の満足度調査でもGoogle、IBMに次ぐ世界3位に評価されているという最近のレポート結果もあげ「NTTコミュニケーションズのクラウドサービスは、多機能、セキュア、デバイスフリーな環境を提供する」とまとめた。
個人のライフスタイルについては、ECサイトにおける消費者の行動に大きな変化が見られると指摘。「従来のように欲しい物を検索して購入するという単純な流れではなく、購入前に多様な情報源を使ってリサーチを行うことが最近の消費者の特徴」と社内で自らが主宰する「私設ラーメン同好会」を例にとってユーモラスに語った。
消費者が利用する情報源も企業のウェブサイトやECサイトに掲載されている商品情報といったネット経由のものだけではなく、知人からの口コミ、実際に店舗で実物を見た印象、店員から得た情報といったネット以外の情報も加味し、総合的に判断を行う傾向があるという。
また、ブログやSNSの普及により商品の購入者による口コミも消費者の大きな情報源になっており、最近は単なる商品の感想だけではなく、気に入った商品を積極的にレコメンド(推奨)する人も多く、それが別の消費者の購入の決め手となるといった新しいサイクルも見られると指摘した。
このためECサイト運営者は情報を重視する消費者の行動を正確につかみ、自サイトでの購入に結びつける必要があるとし、サイト訪問者という優良な潜在顧客を逃さず囲い込むための訪問者の行動把握は必須、そのためには高機能なアクセス解析によりユーザーの行動を「見える化」するツール「Visionalist」が役立つとアピール。
さらに、PCサイトだけに力を入れるのではなく、携帯用サイト、コンタクトセンター、リアル店舗など、消費者と接するすべての部門から得た情報をCRMで共有し、ユーザーのニーズをつかむ事が重要になってくると指摘、「NTTコミュニケーションズはそれらすべてをトータルで考えたソリューションコンサルティングを行うことができる」と自信を見せた。
和才氏は最後にNTTコミュニケーションズのグローバル事業についての説明を行った。
同社では現在22か国・地域の51都市に拠点を置き、そのうち28都市ではデータセンターを運営しているという。
イギリスの調査会社によるグローバル通信会社ベスト8でアジアで1社だけ選ばれたこともあげ、「これからも“日本品質”のサービスでお客様のICTビジネスを世界につなぎ続けてまいります」とプレゼンテーションを終わらせた。
続けてエジプト考古学者でサイバー大学学長の吉村作治氏により「ハイテクで探るピラミッドの謎」と題した講演が行われた。
吉村氏はコンピュータによる大量のデータ分析や、電磁波地中レーダーなどのハイテク機器を活用して未盗掘のミイラを発掘した経験を紹介し、「データ分析を演算能力の高いコンピュータに任せることによって、考える時間が増えた」とICTの効用を強調、「ピラミッドやミイラなどは当時の最先端技術、これらを研究する考古学にモダンテクノロジーを使うのは当たり前」と持論を展開した。
最後にもう一度壇上に上がった和才氏からの「考古学にとって“つなぐ”とはどういう意味をもっているでしょう」との質問には、「学問を後世に伝えていくという“縦”のつなぎ、日本だけではなくグローバルに研究を行っていくという“横”のつなぎが必要」とし、「未来は“ある”物ではなく“作る”物、過去の膨大なデータを分析して情報を取り出すのはICT、その結果から未来を作っていくのはわれわれ人間」と、ICTを活用して過去を未来に“つないで”いく作業を続けていきたいとまとめた。
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