iDCのクラウド戦略「Cloud ISLE」発表——ビットアイル
■クラウドは活用フェーズに
高倉氏は、ビットアイルの沿革と都内にある同社の4つのデーターセンターの現状などを解説したうえで、ITアウトソーシングやデータセンターの市場動向について述べた。それによると、国内のITアウトソーシング市場は、データ量の増加、その管理の重要性の高まり、環境対策、コア業務へのシフトといった要因から、堅調に成長しているとした。また、矢野経済研究所の発表によれば、この市場の2007年度〜2013年度の年平均成長率は4.3%であり、2013年には市場規模が3兆円を超えるとの予測もあるとのことだ。
国内データセンター市場も、景気後退によるコスト削減圧力が高まっており、サーバーなどのハードウェア市場のマイナス傾向があるものの、逆に投資抑制などからデータセンターサービスの利用はむしろ増えているという(IDC Japan)。とくに2008〜2012年のiDC市場の年平均成長率は12.7%と、こちらも堅調に推移しているそうだ。同様にSaaS/XaaSといったクラウド市場と仮想化市場も拡大を続け、こちらの2008〜2013年の年平均成長率は、ともに25%を超える数字となっている。高倉氏は、今後は多数のベンダーからクラウド関連のサービス提供が開始され、仮想化の運用も拡大し、さらなる活用フェーズに入ると予測する。
さらに、このような市場動向によって、ユーザーのビジネススタイルやニーズの変化が表れ、またIT業界もそれに呼応すべく変化を余儀なくされているという。とくにIT業界では、バリューチェーンの変化、ハードウェア・ソフトウェアの売り先、売り方の変化、システム構築からサービス構築への変化が重要となり、これにどのように対応していくかが業界に問われているとの認識を示した。
■「Cloud ISLE」戦略を推進
ビットアイルでは、このようなクラウドコンピューティングへの取り組みとして「Cloud ISLE」という戦略を進める。これは、今後出現するサービスやビジネススタイルのニーズに応えるためのクラウド基盤を提供できるiDCとして、データセンターのサービスを強化するものだ。具体的には、ビットアイルが持つ4つデータセンターをひとつリソースプールととらえ、ユーザーの多様なニーズに対応すべく、小規模から大規模、短期から長期まで柔軟かつ広範囲に、クラウドコンピューティングする。そのため、サーバ、ネットワーク、OSや仮想化環境、運用や監視サービスを統合的に活用する基盤としたい考えだ。
そして、「Cloud ISLE」の一環としてビットアイルが直接提供するサービス、Cloud LAB、サーバオンデマンド、プライベートクラウドを紹介した。、将来的にはクラウドを使ったディザスタリカバリ(DR)、SaaSプラットフォームの提供、クラウドインテグレーション、クラウドの運用監視などへと広げていく予定だという。
Cloud LABは、クラウド環境構築には不可欠といえる各種の仮想化技術を検証するためのサービスだ。VMware、Xen、Hyper-V、Virturozzoなどを始めとする5つの仮想化製品のパフォーマンス検証やアプリケーションの動作確認などをできる環境を提供し、サービス提供を支援するというものだ。サーバオンデマンドは、主に既存のビットアイルユーザー向けに月額方式でサーバリソースを提供する。プライベートクラウドは、SIer向けにクラウド基盤を提供し、パフォーマンスとセキュリティを両立させたシステム構築に活用してもらうというものだ。
これらは、類似のサービスがすでに存在するものだが、ビットアイルでは、既存ユーザーへの選択肢として提供するものなので、ユーザーの選択肢を広げるという意味とニーズに応える意味であらたにサービスメニューに加えた。クラウドといえど、都内にデータセンターが集中している同社の地理的なメリットは、競合サービスとの差別化にもなるの可能性を示した。
■アプリケーションオンデマンド
今回の発表の目玉はもうひとつある。アプリケーションベンダーとの協業により展開するサービス「アプリケーションオンデマンド」だ。これは、ネオジャパンとアクセルビットとの協業によるクラウドを利用したアプリケーション展開サービスだ。アクセルビットが、仮想化技術によるクラウドアプリケーションの管理プラットフォームを開発し、ベンダーに対してサービス登録や課金管理のポータル機能を、エンドユーザーに利用ポータルを提供する。
ここで、発表はネオジャパン 取締役 狩野氏にバトンタッチし、アプリケーションベンダとしてのクラウドへの取り組みと今回の協業について説明した。
狩野氏は、クラウドコンピューティングについて、一般的なアプリケーションベンダーにとって、ビジネスモデルの面でリスクや障壁が少なからず存在しているという。パッケージとは違った販売チャネルやストック型ビジネスへの移行、ノウハウや既存リソースの再利用といった問題もある。また、SIerにとってもハードウェアコストの圧縮要請から、システム構築もサーバーや機器よりも、提案、コンサル、運用といったサービスやストックビジネスへの移行が進むとみている。その結果、システム構築におけるアプリケーションベンダの役割もクラウド対応という側面が重みを増すと述べた。
アプリケーションベンダにとって、クラウド対応は火急の問題であるとして、そのためのソフトウェアの改修の手間をいかに省くか、既存のデータやリソースをいかに活用できるか、課金モデルをどうするかがポイントとなってくるそうだ。今回の協業は、まさにその問題へのひとつの回答となりえるものではないかという。
■共通プラットフォーム「AXLBOX」
アプリケーションベンダとエンドユーザーをクラウドで結ぶための、共通プラットフォームとなるのが、「AXLBOX」だ。これを開発したアクセルビットの長谷川氏は、その管理画面をデモしながら、そのしくみを説明した。
AXLBOXは、アプリケーションユーザーからはポータルサイトのように見える。ユーザーはプロバイダのブログやSNSのサービスを申し込むような画面や手順によって、使用したいアプリケーションを選択し、購入する。それによって利用可能になるアプリケーションは、ビットアイルのデーターセンター上に構築されたアプリケーションオンデマンドシステムだ。このシステムは、仮想化インフラにPVC(Parallels Virtuozzo Containers)を利用したサーバープールが構築される。アプリケーションベンダーは、自社のソフトをPVC対応させてリポジトリサーバに登録する。ライセンスの管理、ユーザーへのプロビジョニング、課金処理などは、PBA(Parallels Business Automation)が担当し、AXLBOXを経由してユーザーに配信されることになる。
つまり、アプリケーションベンダは、自社製品のクラウド版をスクラッチで開発したり、ソフトウェアの設計を変更する必要がない。PVC対応への改修とテストを行えばよいだけだ。そして、ビジネス上で最大のネックとなるライセンス管理、課金処理、配信インフラなどの問題は、ビットアイルのデーターセンターの利用契約をするだけでクリアできてしまう。
ビットアイルでは、アプリケーションオンデマンドのパートナーとなるアプリケーションベンダを広く募り、11月にはそのためのセミナーなども開催するとしている。
注目ニュース
ビットアイル(Bit-Isle)は、同社の運営するインターネットデータセンターにおけるセキュリティソリューションについてシマンテック、三井物産と提携、ビットアイルの法人利用者向けに、セキュリティ・チ...
ビットアイルは8日、「Cloud ISLE」のブランドで展開するクラウドサービス群の第1弾として、「Cloud LAB」サービスの提供を開始した。
総務省は8日、「クラウドコンピューティング時代のデータセンター活性化策に関する検討会」を開催すると発表した。
ビットアイルは27日、自社のiDCサービス利用顧客企業に対し、事業継続対策を低コストで実現することをコンセプトとした、「IT事業継続サービス」の提供を開始した。
ビットアイル、日本電気(NEC)、およびNECネッツエスアイの3社は10日、エコ関連サービスで協業を開始したことを発表した。
5日、ビットアイルは、都内に4つめとなるインターネットデータセンターを開設し、稼働を始めたと発表した。同時に、プレス向けにこの第4データセンターの見学会も行われ、設備等のお披露目ともなった。
東京都内にて、データセンターの建設が相次いでいる。ここ1年を見ても、大塚商会は秋葉原、KDDIは府中市、伊藤忠テクノソリューションズは文京区にてそれぞれデータセンタの運用を開始している。都内では、デ...
ビック東海とビットアイル、テラスの3社は17日、動画配信ソリューションを含む戦略的業務提携について、共同で検討を進めることに合意した。
CSKホールディングスとビットアイルは18日、資本・業務提携をしたと発表した。ビットアイルが第三者割当増資による株式発行を実施し、CSKホールディングスが15,000株を引き受ける。
ブロードバンド・エクスチェンジは、ビットアイルのデータセンタにBEXサービスの接続拠点「天王洲局」を開設、サービスを開始した。BEXは、アクセス事業者とコンテンツ事業者を接続するレイヤ3 IXサービ...









































