富士通、統数研の新スパコンを受注
新システムは、PCサーバ群による分散メモリ型スーパーコンピュータ(理論ピーク性能33.7TFLOPS)と、UNIXサーバ2台による共有メモリ型スーパーコンピュータ(理論ピーク性能4TFLOPS)の2つの計算機を中心とし、大規模共有ストレージシステム、物理乱数発生システム、可視化システムなどからなる複合システムとなる。
分散メモリ型スーパーコンピュータシステムは「インテルXeonプロセッサーX5570(2.93GHz)」を搭載するPCサーバ「PRIMERGY RX200S5」360ノードにより構成。ノード間は最新の高速インターコネクトであるInfiniBand QDRで接続され、高性能な並列演算を実現した。共有メモリ型スーパーコンピュータシステムは「SPARC64 VII」を搭載するUNIXサーバ「SPARC Enterprise M9000」2ノードにより構成。大容量メモリ搭載により、大規模データ解析処理を可能とするシステムとなっている。大規模共有ストレージシステム(ディスクアレイ装置)としては、富士通のストレージシステム「ETERNUS DX80」35台が採用され、ユーザー容量1.37ペタバイトの大容量データ保存領域を構成する。
2つのスーパーコンピュータの操作環境は、富士通のHPCミドルウェア「Parallelnavi(パラレルナビ)」によって統合され、利用者はそれぞれのシステムの違いを意識することなく、1つのスーパーコンピュータシステムとして利用できる。「Parallelnavi」シリーズは、科学技術計算に適したプログラム開発からジョブ(プログラムの処理単位)の実行、運用管理まで、スーパーコンピュータに必要な基盤ソフトウェアをすべて網羅し、高い運用性を実現したミドルウェアとなる。
統計数理研究所の田村義保 副所長は「統数研が南麻布の地に移転して来たのは1955年2月です。その時点で、『FACOM415A』という相関計算専用の計算機を用いていたようです。また、1956年にリレー計算機である『FACOM128』を導入しています。この計算機は日本の商用計算機の第一号機であり、統計科学が50年以上前から最先端の計算性能を要求していたことがわかります。くしくも、2009年10月の立川移転後にも富士通製の計算機が統数研の計算機室に初めて入るわけです。高い性能を評価しての選定結果ではありますが、日本全体が新しい出発点にたつ今、まわりまわっての『縁』というものを感じています。『SPARC Enterprise M9000』は2システム導入していますが、片方は主記憶が2テラバイトもあり、大規模データを扱う必要がある統計科学の研究に最適なものとなっています。分散型計算機『PRIMERGY RX200S5』も日本で初めてQDRファットツリー構成になっており、高速並列演算を実行しやすいようにしています。この計算機で次世代スパコンのアプリケーションの1つとなるデータ同化手法の研究などを進めて行きたいと思います。今回導入の機器を用いることにより、統計科学を活用したデータ中心科学の発展に貢献できると考えています」とのコメントを寄せている。
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