相互接続、相互運用を目指す新しいInterop——村井純氏
今回の発表は、モバイルと通販関係のイベントがUBMジャパン(CMPテクノロジーの親会社)に残るが、それ以外のイベント事業が事業部ごとナノオプトニクス・エナジーの子会社であるナノオプト・メディアに移管する形になる。CMPテクノロジーのイベント事業からの事実上の撤退にも見える。
記者発表会には、ナノオプト・メディア 代表取締役の藤原洋氏、CMPテクノロジーからナノオプト・メディア F2Fフォーラム事業部 事業部長になった大嶋康彰氏のほか、初期のころからInterop Tokyoの開催に係わってきた慶応義塾大学 教授 村井純氏、同 中村修氏らも出席して、新しいイベント事業と、次年度のInterop Tokyoの運営方針などについて発表を行った。
まず、藤原氏がCMPテクノロジーから事業を引き継ぐ目的や背景について語った。ナノオプトニクス・エナジーはR&D型のベンチャー企業で、精密機械、光学機器の他、超電導技術の研究開発を行っている。これらの分野は産学連携が活発であり、InteropというイベントのインフラをIT以外の業界にも展開していくためと、今回の事業移管の目的を述べた。放送や自動車(ITS)業界、あるいはスマートグリッドのようなインフラ事業にもIP化は着実に浸透しており、Interopでもこれらの業界を取り込む形で、新しい提案をしていきたい、という考えだ。
これを受けて、村井氏は、1988年ごろからInteropの開催や運営に係わっており、今回のイベント主催者の交代によって、Interopの生まれ変わりを目指すとした。なぜ、そのような変革が必要なのかという点については、Interopの本来担っていた役割をあらためて強化したいからと説明した。そもそもインターネットが学術ネットワークから商用ネットワークに発展していったとき、企業や研究者の新しい技術や製品が、実際の市場やインターネットでどの程度使えるものなのかを実証実験する場がInteropだったという。
Interopという言葉も「Interoprability(相互運用性)」という言葉からきている。これは、さまざまな仕様の機器やシステムを連携させて動作させるということだ。新しいルーターやスイッチ、サーバーソフトウェアがIPネットワーク上でどのように相互接続できるか、それによってどんなサービスが構築できるかを企業どうしが、あくまで市場からの目線で評価しあい、研究しあう場だった。
このような場が求められたのは、IETFがRFCという方式でインターネットの仕様を決める基本的なポリシーによるものからだという。インターネットでは、ラフコンセンサスとワーキングコードが重要視される。つまり、仕様の詳細はラフでもいいが、実際に動作するコード実装や製品の提示がなければRFCとして採用されない。紙の上で詳細まで決める一般的な国際標準とは違う文化ということだ。
中村氏は、実証実験の機能を強化するという点について、現状のInteropのShowNet、NOC(Network Operation Center)の役割を挙げ、Interopが他のトレードショーとの差別化ポイントを述べた。各社の先端技術製品やソフトウェアを持ちより、エンジニアや学生たちがバックボーンからネットワークを構築し、さまざまな相互運用性を検証する場としてのNOCやShowNetを強化したいとの意向を示した。
記者発表やその後の質疑応答から判断すると、2010年のInteropは原点回帰を目指すようにも思えるが、村井氏によれば、IT業界だけで実証実験や検証の場というのであれば原点回帰になってしまうが、いまやオールIP化はあらゆる業界に進んでいるとして、従来の業界や監督官庁による縦割りを超えた相互接続、相互運用を目指す新しいInteropを目指すとのことだ。
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