“ICT経済”は一足早く回復か? 設備投資や輸出に底打ち感 〜 情報通信総合研究所調べ
それによると足元の国内景気に底打ち感が見られるなかで、ICT経済においても、景気の底打ち状況が見られるという。2009年1〜3月期のICT経済は、期後半にかけて、生産や設備投資(官公需)、輸出の減少に底打ち感が出始めた。中国などのアジアを中心とした外需の回復や国内の追加経済対策による景気押し上げ効果が少しずつ顕在化した格好とのこと。設備投資(民需)やサービス部門は依然として低迷しているなど、不安定要因も残されているが、今後、ICT経済が日本経済の回復に向けての起爆剤となれるかが注目される。
まずICT関連生産は2桁の大幅減が2四半期連続となり(前年同期比マイナス44.0%)、全品目で前年比減少となった。ICT関連生産が大幅に減少し、世界経済の急激な景気後退の影響を顕著に表している。ただし2009年3月以降、ICT経済の生産面では、在庫調整の進展により、生産の下げ止まり傾向が見えてきている。2008年第4四半期で増加幅が急拡大していたICT関連在庫は、集積回路などの在庫が減少したこともあり、2009年第1四半期は縮小(同37.7%⇒3.9%)した。民生用電子機械と電子部品も減少に転じていることから、在庫調整の進展が窺える。
一方、設備投資の先行指標となる機械受注は半導体製造装置を中心に依然低迷している。ICT関連消費は増加を維持している。携帯電話の割引プラン導入率上昇によるARPUの低下が影響し、増加幅が縮小していた。また、インターネット接続料は価格低下圧力の煽りを受け、9四半期ぶりに増加幅が2桁を割り込んだが、期後半から4月にかけては持ち直しつつある。ただしICT関連サービスは生産よりも遅れて、足もとで減少幅が拡大している。これは企業の設備投資の低迷を背景とした新規受注ソフトウェアの減少が背景にある。製造業の売上高減少にともなうコスト削減圧力により、ソフトウェア開発の海外アウトソーシングが拡大する可能性があるという。
ICT関連官公需の設備投資は2009年3、4月と増加してきており、追加経済対策により今後も好調となることが想定される。とくに4月のICT関連サービスの下げ幅は縮小した。一方で、5月はICT関連輸出の下げ幅が若干拡大。トレンドが不明確であり、本格回復につながるのか今後の動向が注目されるとのこと。今後は国内の追加経済対策の効果が、エコポイント制度によるデジタル家電(最終製品)や電子部品など関連部品需要や、スクール・ニューディールによる官公需のパソコン需要増加などの生産面で期待できる。ただし、消費を中心とした需要の喚起が一時的なものに留まるのか、あるいは持続的な回復につながるものなのかについては、今後の動向を注視する必要があると、同レポートでは結んでいる。同レポートの詳細版は8ページからなるPDFファイルとしてダウンロード可能。
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