【富士通フォーラム(Vol.20)】投資コストと消費電力を削減する最適ストレージとは——有川保仁氏

2009年5月15日(金) 19時56分
ストレージシステム事業部 事業部長の有川保仁氏の画像
ストレージシステム事業部 事業部長の有川保仁氏
ストレージ分野における富士通の3つの取り組み。「ストレージ容量仮想化」「高速デバイスの活用」「省電力運用」が大きなポイントだの画像
ストレージ分野における富士通の3つの取り組み。「ストレージ容量仮想化」「高速デバイスの活用」「省電力運用」が大きなポイントだ
導入時の効果。あらかじめ論理的な容量を大きく確保し、その都度ニーズに合わせてディスクを柔軟に拡張できるため、ストレージ需要が予測不能なケースでも対応できるの画像
導入時の効果。あらかじめ論理的な容量を大きく確保し、その都度ニーズに合わせてディスクを柔軟に拡張できるため、ストレージ需要が予測不能なケースでも対応できる
容量増設時の効果。すでにサーバ環境を設定済みであるため、あらためて設定を変更する必要はない。業務を停止せず、スムーズな運用が可能になるの画像
容量増設時の効果。すでにサーバ環境を設定済みであるため、あらためて設定を変更する必要はない。業務を停止せず、スムーズな運用が可能になる
SSDの高速性を生かした事例。情報の価値に応じてストレージを階層化する際に、オンライン・ストレージで導入。アクセス頻度が高く、アクセス性能を最優先する場合に最適だの画像
SSDの高速性を生かした事例。情報の価値に応じてストレージを階層化する際に、オンライン・ストレージで導入。アクセス頻度が高く、アクセス性能を最優先する場合に最適だ
スケジュール運用による省電力化の取り組み。業務時間外でディスク装置を使用しない時間帯はモーターの回転を停止し、消費電力を削減するの画像
スケジュール運用による省電力化の取り組み。業務時間外でディスク装置を使用しない時間帯はモーターの回転を停止し、消費電力を削減する
電力消費に対する具体的な効果を確認することも重要。「ETERNUS SF Storage Cruiser」によって、消費電力と温度を監視し、業務ごとの統計情報を見える化できるの画像
電力消費に対する具体的な効果を確認することも重要。「ETERNUS SF Storage Cruiser」によって、消費電力と温度を監視し、業務ごとの統計情報を見える化できる
「ETERNUS」のラインアップ。ディスクアレイ、ネットワークディスクアレイ、NASゲートアレイ、アーカイブストレージ、テープライブラリ、バーチャルテープなど、世界最高クラスのソリューションをワイドに取り揃えているの画像
「ETERNUS」のラインアップ。ディスクアレイ、ネットワークディスクアレイ、NASゲートアレイ、アーカイブストレージ、テープライブラリ、バーチャルテープなど、世界最高クラスのソリューションをワイドに取り揃えている
 「富士通フォーラム2009」にて15日、富士通 ストレージシステム事業部 事業部長の有川保仁氏によるストレージ関連セミナー「投資を抑えるストレージの仮想化技術とグリーンへの取り組み」が開催された。

 まず有川氏は、先ごろ起きた金融危機に対する、企業経営の環境変化について説明した。危機発生後、半数以上の企業がIT投資を抑制する方向にあるという。従来の資産を有効活用し、運用コストを削減すべく、さまざまな努力が続けられている。その一方で、実環境では非構造化・複製データなどが増加し、年を追うごとに大容量ディスクの需要が高まっている。それにともない、パフォーマンスへの不安、管理者やスキルの不足など、多くの課題も表面化してきた。また環境への配慮も必要になり、IT分野でのグリーンへの取り組みが不可欠になっている。

 では、このような課題に対し、いま富士通では一体どのような取り組みをしているのだろうか? 有川氏は、課題解決の方向性として、「ストレージ容量仮想化」「高速デバイスの活用」「省電力運用」という3つの手段を挙げて、詳しく解説した。

◆ストレージ容量仮想化

 企業資産の有効活用や最適投資、管理面での簡素化を実現するためには、ストレージ容量の仮想化が大きなポイントになる。富士通では「シン・プロビジョニング」と呼ばれるテクノロジーを利用することで、これらの問題を解決。シン・プロビジョニングとは、サーバから見えるボリュームを仮想化し、物理ディスクの容量以上のボリューム容量を定義できる技術だ。ストレージ需要が予測できないケースでも、あらかじめ論理的な容量を大きく確保しておけば、将来のディスク容量の拡張に備えられるわけだ。

 現時点で必要なディスクのみ使用し、あとから状況に応じてアレイにディスクを追加できるため、初期コストが大幅に削減される。もちろん使用領域が減るぶん、消費電力も抑制。さらに将来のディスク増設時にサーバ環境の変更が不要で、運用を簡素化するメリットがある。またシン・プロビジョニングでは、必要容量の物理ディスクをプールで管理するため、システム運用中も継続的かつ効率的に物理ディスクを利用できる。

◆高速デバイスの活用

 富士通ではディスク装置の高性能化と低消費電力への取り組みとして、新デバイスの導入にも力を入れている。たとえば最近では、ストレージにSSD(Solid State Drive)を適用することも多くなった。記録メディアにフラッシュメモリを用い、ランダム読み出しに優れたドライブを実現するものだ。可動部がなく、信頼性に優れ、消費電力もHDDの約半分で済み、発熱・騒音も少ない。

 SSDの高速性を生かす例として、アクセス頻度が高く、アクセス性能を最優先するオンライン・ストレージ階層での導入(Tier0)があげられる。SSDはメモリ容量は少ないが、特定領域を高速化すれば、システム全体の性能に寄与できる。特に業務系データベースにおいて、低データ量でアクセス回数が多い顧客・商品マスタなどのインデックスにアクセスする際に効果を発揮。メールシステムのユーザー認証でも効果は大きい。

◆省電力運用

 同社は、省電力という観点から「エコモード」による対応も実践している。MAID(Massive Array of Idle Disks)技術による省電力化がそれだ。ディスク装置を使用しない時間帯は、モーターの回転を停止し、消費電力を削減する。またバックアップ時のみディスクを可動させる省電力運用や、階層ストレージでアクセス頻度の低いディスクに対する電力削減など、ディスクを極力回転させず、必要なときだけ駆動させる運用に徹底的にこだわっている。さらに、電力消費に対する具体的な効果を確認するために、「ECOの見える化」を推進。消費電力と温度を監視し、業務ごとの統計情報を可視化する「ETERNUS SF Storage Cruiser」などもサポートしている。

 最後に有川氏は、前述のようなコスト削減や環境対応に対するニーズを満たす現実解として、同社のストレージソリューション「ETERNUS」のラインアップについて簡単に触れた。中核となるディスクアレイとして、今年初頭に発売されたエンタープライズ向けの「ETERNUS8000」やミッドレンジ向けの「ETERNUS4000」、エントリー向けの「ETERNUS DX60」「ETERNUS DX80」などを紹介。このほかにも、ネットワークディスクアレイ、NASゲートアレイ、アーカイブストレージ、テープライブラリ、バーチャルテープ、ファイバチャネルスイッチ、各種ストレージ基盤ソフトウェアなど、世界トップクラスのストレージソリューションを幅広く取り揃えていることを強調して、セミナーを終えた。
《井上猛雄》
注目の情報[PR]

注目ニュース

【富士通フォーラム Vol.17(ビデオニュース)】富士通の大規模ブレードサーバ「PRIMERGY BX900」

 富士通は12日に発表したばかりの大規模ブレードサーバ「PRIMERGY BX900」を、会場ブースで展示し、デモを行っていた。

【富士通フォーラム(Vol.19)】散在するデータを価値ある情報に

 「富士通フォーラム2009」では、「Interstage Information Integrator V10」と、「Interstage Information Quality(仮称)」のデモが行...

【富士通フォーラム(Vol.15)】電源オフでもOK!遠隔操作でモバイルPCのデータを削除

 「富士通フォーラム 2009」では、ウィルコムのPHS網を使い、遠隔操作でHDDのデータを消去できるソリューションが展示されている。

【富士通フォーラム(Vol.14)】富士通を変革する3つの起点——野副社長

 「富士通フォーラム2009」で初日の14日、同社代表取締役社長の野副州旦(のぞえくにあき)氏による「富士通の変革 〜お客様のかけがえのないパートナーへ〜」と題した基調講演が行われた。

【富士通フォーラム(Vol.12)】ルーペ感覚!暗号化文書を携帯電話で楽々解読

 「富士通フォーラム2009」では、セキュリティが手薄な紙文書を暗号化し、スキャナや携帯電話で簡単に解読できるようにするシステムのデモが行われている。

【富士通フォーラム(Vol.10)】環境にもコストにも優しいセキュアなクライアントPC

 「富士通フォーラム2009」では、グリーンITとセキュリティを両立するクライアントPC管理システム「Systemwalker Desktop Patrol」「Systemwalker Desktop...

【富士通フォーラム(Vol.8)】自然エネルギー普及に貢献できるECOノートPC

 「富士通フォーラム2009」では、自然エネルギー発電の普及に貢献するグリーン電力証書システムに対応した世界初の個人向け小型ノートパソコン「FMV-BIBLO LOOX U/C50N ECO」モデルを...

【富士通フォーラム(Vol.4)ビデオニュース】顧客の声を取り入れて成長する富士通の電子カルテソリューション

 富士通は昨年、電子カルテソリューション「HOPE/EGMAIN-GX」を発表した。特徴はメンテナンス契約の範囲内で常に最新の機能を活用できること。

【富士通フォーラム(Vol.5)ビデオニュース】光ファイバーでデータセンターの温度分布を正確に把握

富士通は、光ファイバーによるリアルタイム超多点温度測定技術を参考出展していた。

【富士通フォーラム(Vol.13)】消費電力削減に効果——ETERNUSのエコモード

 「富士通フォーラム2009」の展示ブース「ストレージの容量仮想化によるDB運用改善」では、データベース運用改善のインフラ最適化ソリューションとして、ストレージ製品「ETERNUS4000」の「エコモ...

【富士通フォーラム(Vol.11)】効果的な情報活用&高コストパフォーマンスを実現するILM

 「ストレージの容量仮想化によるDB運用改善」では、「ETERNUS4000」を利用したデータベース運用改善のインフラ最適化ソリューションとして、ILMの考え方に基づいたデータベース運用のデモを行って...

【富士通フォーラム(Vol.9)】投資コストと消費電力を削減——ストレージの仮想化技術

 「富士通フォーラム2009」の展示ブース「ストレージの容量仮想化によるDB運用改善」では、「ETERNUS4000」を利用したデータベース運用改善のインフラ最適化ソリューションとして、「シン・プロビ...

【富士通フォーラム(Vol.18)】標準的なWS2008環境で仮想化へ移行し無駄なくステップアップ

 仮想化というと大規模な業務サーバやデータセンターのサーバ統合のイメージが強いが、もっとコンパクトに実現できる仮想化環境として、PCサーバにWindows Server 2008標準の仮想化ハイパーバ...

【富士通フォーラム(Vol.16)】12台で100台の仮想サーバを一元管理する大規模ブレードサーバPRIMERGY BX900とVMware vSphere 4

 「富士通フォーラム2009」の展示ブース「クラウド環境に欠かせない最新の仮想化技術」では、最新のブレードサーバとサーバ仮想化ソフトウェアを組み合わせた展示が行われていた。

【富士通フォーラム(Vol.7)】ブレードサーバでコスト削減——新製品大規模ブレードサーバPRIMERGY BX900の実力

 「富士通フォーラム2009」では、富士通が12日に発表した新型ブレードサーバ「PRIMERGY BX900」の実機が展示されている。同社が、中期的なクラウド戦略を考えて発表した製品だ。

【富士通フォーラム(Vol.6)】富士通フォーラム2009が東京で開幕

 「変革!富士通のビジネスソリューション 〜お客様のかけがえのないパートナーに〜」をテーマに、「富士通フォーラム2009」が有楽町の東京国際フォーラムで開幕した。

【富士通フォーラム(Vol.2)ビデオニュース】春モデルノートPCの水冷システムをアピール

 富士通は昨年12月に、春モデルのノートパソコンとして「FMV-BIBLO NW/C90D」を発表した。同製品についてはすでに報道しているが、特徴のひとつが水冷システムを採用している点だ。

【富士通フォーラム(Vol.1)ビデオニュース】タッチ感覚で認証!手のひら静脈認証の高速撮影技術!

 富士通のプライベートイベント「富士通フォーラム 2009」が14日に開幕する。12日には関係者を対象に会場がオープンしたため、さっそく主なデモや展示内容を紹介していこう。

富士通、業界最高クラス18枚搭載の大規模ブレードサーバ「PRIMERGY BX900」を販売開始

 富士通は12日、新ブレードサーバ「PRIMERGY BX900」の販売を開始した。

【インタビュー】集約性能/将来性/運用性/グリーン化を強化——次世代クラウドを担う富士通BX900

 富士通は12日、大規模ブレードサーバ「PRIMERGY BX900」およびサーバの運用管理ミドルウェア「ServerView Resource Coordinator VE」を発表した。同社担当者に...

富士通、PCの電力消費やCO2排出を抑える「Systemwalker DesktopシリーズV14g」2製品を新発売

 富士通は8日、パソコンの資産管理・情報漏えい対策ソフトウェア「Systemwalker Desktopシリーズ」に、環境負荷低減を支援する新商品を追加、販売を開始した。

富士通とウィルコム、電源オフでも遠隔操作できるノートPCの紛失・盗難対策ソリューションを開発

 富士通、富士通研究所、ウィルコムは7日、法人顧客を対象に、ウィルコムのPHSネットワークを利用した新たなノートPC向けセキュリティソリューションを開発したと発表した。

富士通、エントリー向けSAN対応ディスクアレイ「ETERNUS DX60/DX80」を新発売

 富士通は7日、ストレージシステム「ETERNUS」製品群において、エントリーシステム向けとなるSAN対応ディスクアレイ「ETERNUS DX60」「同DX80」をあらたに発表した。

富士通ME、HD映像の伝送が可能な「1394 Automotive」規格準拠LSIを新発売

 富士通マイクロエレクトロニクスは22日、情報系車載ネットワークの国際規格「1394 Automotive(IDB-1394)」に準拠したコントローラーLSI「MB88395」のサンプル出荷を開始した...

「どこでもイントラネット」を強化——富士通FENICS II ユニバーサルコネクト

 富士通は20日、クラウド時代に向けた新しいネットワークサービスとして、「FENICS II ユニバーサルコネクト」を発表した。

特集

RSS

特集・連載

ブロードバンド/無線LANスポット検索

ブロードバンド検索
-

ピックアップフォト