全体最適化とベンダー中立な仮想化コンサルティング——EMCジャパン
「次世代データセンター構想」は、EMCのいう全体最適化の考え方が根底にあるもので、業務システムのデータをいちどインフラと切り離し、その上でデータとサービスという視点から全体をとらえ「データセンター」として再定義するものといえる。したがって、一般的なIDCといった設備や提供サービスだけでなく広い意味でのデータセンターといえるだろう。
説明会ではEMCジャパンの執行役員である有安健二氏が、現状の仮想化サーバー市場を分析した。まず、2006年あたりからx86サーバーの仮想化ソフトの普及が広がり、2009年には国内サーバー市場の50%ほどが仮想化マシンになるという調査予測があると紹介した。これほどサーバーの仮想化が進む中で、有安氏は現状を振り返る必要があると述べる。仮想化が企業やデータセンター(IDC)に浸透している背景には、コストダウンという課題があることはおそらく間違いない。
他にもハードウェアリソースの有効活用などといった理由も考えられるが、コストの削減要求は昨今の経済情勢からの圧力も加わっている。しかし、仮想化は本当にコストダウンに貢献しているのかを検証する必要があるという。サーバー仮想化によって、余剰リソースを効率化し、現状のハードウェアリソースでアプリケーションやサービスを増やすことができるのは事実だが、それによって軽減されるのは導入などの初期コストがほとんである。全体の70%を占めると言われている運用・保守コストが、それほど軽減されていなことが多いことが問題だと指摘する。
サーバー仮想化の流れを時系列でみたとき、2007年ころまでは設備投資の削減が主な目標で、2008年で運用コスト削減に目がいくようになってきたと分析。2009年以降は、これを部門レベル、全社レベルでの仮想化戦略へ転換していく必要があると述べた。このとき重要となるのは、サーバーの仮想化はあくまで手段であって目的ではないということだ。サーバーを仮想化すればコストダウンできるのではなく、運用も含めたコスト戦略やビジネスプロセス全体の効率化や戦略からソリューションを考えるべきとの認識を示した。
以前は、コンピュータとソフトウェアを中心にシステムやITが考えられていたが、これからはサービスと情報(データ)を中心にシステムを構築する必要があるという。その視点で、企業の業務全体を統合的な、かつ仮想化されたデータセンターに見立てたものが「次世代データセンター構想」ということになる。
企業の各種業務である会計、経理、生産管理、在庫管理、ビジネスプロセスなどを、それぞれのインフラ上に構築していくと、いわゆる「サイロ型」と呼ばれる縦割りのシステムになりがちだ。統合的というのは、これらのリソース管理、セキュリティ、データ管理を統一(Unified)された形で管理することになる。また、これらの部門は地理的にも拠点が分散していることもあるし、構成するインフラであるサーバー、ストレージ、ネットワークも物理的な単位に縛られる必要はない。これが仮想化の部分だ。
EMCでは、このコンセプトのもとに仮想化コンサルティングサービスを提供していく考えだ。その特徴は、運用コストや事業継続性などを含めた総合的なコストダウンを実現すること。統一的なリソース管理によるサービスレベルの向上。サーバーベンダーとは違った立場での提案。VMwareとの協力体制などを挙げた。
とくにEMCはストレージベンダーではあるが、サーバーベンダーではないので、仮想化によるサーバー削減プランについて中立な分析や提案ができるのではないかとした。また、VMwareはEMCの子会社である。資本関係のある両者による密接な協力体制も他社にはないコンサルティングを提供できるだろうと述べた。
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