ビットアイル、文京区に最大規模のIDC——クラウドニーズに対応
ビットアイルは天王洲などに3つのデータセンターを稼働させているが、今回発表となったデータセンターは、文京区に設置され同社で最大規模となる2600ラックの収容能力がある施設となる。1ラックあたりの電力供給能力は実効値で6kVAと通常の2〜3倍あるという。セキュリティシステムも随所に生体認証(指静脈認証)が採用された高度なもので、建物内には、契約ユーザーのための待機ルーム、リラックスルーム、宿泊可能なシャワーつきのベッドルーム(仮眠室)なども用意されている。
ビットアイル代表取締役社長 寺田航平氏は、この不況下でも同社の稼働ラック数や売上高は伸びており、クラウドコンピューティングや企業のコスト削減のためのアウトソース指向が、データセンター市場を後押していると分析した。都内最大規模となる第4データセンターも、こうした需要に応えるためであり、2、3年以内に都内にもう1つIDCを稼働させる予定があるとも語った。都心でのデータセンター設置は、土地などの物理的制約や電源や建物の構造など設置ハードルが高いのも事実だが、緊急対応やスキルの高いメンテナンスやサービスを維持するためと、顧客がどうしても都市部に集中するため、都内IDCのニーズや付加価値は高いという。
また、単純なホスティングニーズだけでなく、内部統制やJ-SOXなどセキュリティやコンプライアンスの要求にも対応するため、24時間365日の有人監視のNOC(ネットワークオペレーションセンター)、IDカードや生体認証、ラックごとの施錠管理などセキュリティ機能も考慮された設計、運用となっている。
実効6kVAという電力供給能力を確保するためには、建物が66,000Vの高圧受電を行い、25,000kVAの電源を2系統設置した。これを400V、200vと変圧し各フロアに供給している。もちろんフロアごとにUPSが冗長構成されており、非常用にはガスタービン発電機(4,500kVA×5)を用意したという。
環境にも配慮するため、「コールドアイルチャンバー」と呼ばれる方式で空調効率を上げ、CO2排出量を20%削減している。コールドアイルチャンバーとは、ラックが並んでいる間の通路を1つおきに扉などで、床から天井まで閉鎖空間をつくる。そこに冷気を流し、ラック経由で反対側の通路に抜けさせる方式だ。
最後に、設備の発表以外に面白い発表もされた。「ビットアイル・インキュベーション・プログラム」という、ベンチャー支援プログラムだ。データセンターという器やハードウェアを作るだけでなく、それを利用してくれるユーザー企業、ベンチャー企業も育ってくれないと、IDCビジネスは完結しないという発想だろう。事業開始3年以内、非上場、資本金1億円未満などビットアイルの審査をパスすれば、1年間のラックスペース、回線、サーバーなどを無償提供する(電気料金やリモートハンドなどのサービスは有料)というものだ。物理的な支援だけでなく、事業アドバイスやパートナー企業との連携やチャネルのサポートもあるそうだ。最大で30社程度を募集し、4月からプログラムを実際にスタートさせる予定だ。
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