09年はブレードサーバでシェア、プライスの主導権を握る——HPサーバ事業戦略発表会
日本ヒューレット・パッカード 執行役員 エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 松本芳武氏は、年頭の挨拶とIT業界をとりまく2009年の状況やそれに対するHPの戦略について語った。まず、2008年10月期(期末決算)のHPの業績は、営業利益で前年比13%アップという高い成長を達成したが、2009年は金融危機に伴うIT業界への影響により企業のIT投資は−1.7%になるというIDCの調査データを引用し、実際にはさらに厳しいものになるだろうという認識を示した。また、IDCの別の調査では企業のコストダウン項目の3位(1位:人件費、2位:広告費用)にIT費用がランキングされたことを示した。
これに対して松本氏は、2009年はIT業界の正念場として、IT投資が企業の生産性を高めることを証明することが急務とした。メインフレームを中心とした垂直統合型のシステムでは、古いインフラや技術の維持管理コストが膨らみがちで、作りこみ部分も多く価格や費用がみえにくい。このため、投資効果も不透明になる。このようなIT投資の課題を払拭するためにはブレードを中心とした水平統合型システムによりメンテナンスコストやイニシャルコスト(ハードウェア価格など)を下げ、ハードウェア、標準化された管理運用、アプリケーションなどの価格の透明性を高めれば、投資効果もわかりやすくなり、経営に信頼されるITになるだろうと述べた。
続いてエンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 本部長 橘一徳氏が登壇し、2009年の事業戦略と製品の価格改定について発表した。まず、2008年は国内ブレードサーバ市場において台数ベースのシェア1位を5四半期連続で保っている。昨年の昭島工場の稼動など日本に根ざしたオペレーションとコスト体質の強化が確立できたと総括した。製品を国内で製造できることは、品質確保に貢献するとともに、円高、原油高(輸送コスト)のフェーズでは有利に働いたためと思われる。
2009年の事業戦略は「日本を変革するサーバ」をスローガンに、地方やSMBへのカバレージの拡大を目指した販売体制の強化と市場のプライスリーダとなるべく圧倒的な価格の提供を展開していくとした。カバレージの拡大は、大企業だけでなく、SMBといった中堅規模、中小規模の企業まで対応すべく、販売パートナーの強化、地方拠点の強化を進めるそうだ。関連して、既存の保守、構築のプロフェッショナル認定となるAPS(Accredited Platform Specialist)、AIS(Accredited Integration Specialist)、ASE(Accredited Systems Engineer)、Master-ASEにくわえ、ASP(Accredited Salse Professional)、ASC(Accredited Sales Consultant)という営業スキルやコンサルティング能力を認定する制度が新設されるという。資格試験はオープンなものだが、これによって販売パートナーは顧客の要求に最適な製品ソリューションやコンサルティングを提供できる能力があることが証明される。導入は2009年春を予定している。
価格改定は、価格の透明性を強化するためとして、x86サーバ、ストレージの575製品について平均20%、最大で67%ダウンとなる大幅なものになるといい、8日より値下げされた価格が適用される。一例としてDL360G5(DVDドライブ)にメモリを2GB追加した構成で、旧価格で1,009,050円だったものが697,000円(30.9%ダウン)になる。これは、競合他社のほとんどの製品との比較でも最大のコストパフォーマンスを実現するという。
なお、大幅な価格改定が可能な背景として、グローバルな規模でのスケールメリット(世界で1,500万台)を生かしたコストダウンと透明性を高めるためにギリギリのベストプライスまでマージンを小さくしたためだそうだ。逆にいえば、バルクディスカウントは難しいともいえそうだ。
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