NEC、温度や加速度センサーを内蔵したRFIDタグ
アクティブタグは、PCにUSBで接続する親機と、アクティブタグの子機で構成される。子機には、温度や湿度、照度、加速度センサーなどを内蔵しており、この情報を親機に送信できる。また、LEDとブザーも内蔵しており親機から制御できる。送受信とも、約50メートルの通信が可能だ。アクティブタグのサンプル価格は15,000円で出荷は2009年1月からの予定。2.45GHz帯の周波数を利用し、IEEE 802.15.4に準拠している。電源に単四電池を2本使用し5分に1回ずつ親機にデータを送信した場合、約1年間持つ。
スマートフロントコントローラは、UHF帯のRFIDリーダの課題であった電波干渉を回避するための製品。これまでは、隣り合うゲートなどにRFIDタグを通すと電波が干渉するため、どちらのゲートを通ったかまでは判断できなかった。スマートフロントコントローラでは、複数のRFIDリーダを接続することで、隣り合ったゲートでもどちらを通ったのか判断できる。スマートフロントコントローラはソリューションの一部としての販売が中心だが、単体では約180万円。
NECのユビキタスソリューション本部長である松尾泰樹氏によると、現在、RFIDタグが導入されている分野としては、「電機メーカー、自動車メーカーが多い。次に、運輸物流、制服や工具の管理などがある」という。いずれも共通するのは、RFIDタグをリユースしていることだ。これは、RFIDタグは、使い捨てができるほど価格が下がっていないためである。
NECでは、これらの業種に対して、RFIDタグや周辺の機器、システムの開発を一括してソリューションとして提供している。RFIDタグそのものは自社で開発しておらず、「構築するシステムに適した電波の到達距離、耐熱性、防水性、大きさ、価格などの条件にあったRFIDタグを、多くのタグベンダーから探してきてインテグレートする」という形を取っている。このようにさまざまな企業とアライアンスを組んでいるが、その中には医薬品のボトルメーカーの伸晃化学、警察や自衛隊など制服を製造する東洋物産もある。医薬品や制服の管理において、あとでRFIDタグを付けるのではなく、製造段階であらかじめ内蔵するという狙いがある。
NECトーキンのアクセスデバイス事業部長である武田武二氏が、今回発表したアクティブタグの説明を行った。同社は、電池や電源回路の開発、ノイズ測定やセンサ技術、RFID開発や高周波回路技術を手がけている。そのためアクティブタグは、「NECトーキンの強みを生かした商品」とする。
アクティブタグを使用した例としてあげられたのは、室内の温湿度、照度、電気機器の消費電力を管理するシステム。照明、空調、分電盤にそれぞれアクティブタグを設置し、PCで集計することで、温度や電力の情報が視覚化できる。将来的にはもう一歩進めて、収集したデータを電力やガスの制御に用いることも考えられている。
もう1つの例は、物流センターにおける商品の管理。これまでのRFIDタグは、商品のトレーサビリティに使われるだけだった。しかしアクティブタグだと、温度センサにより商品の異常が検知できたり、ハンディ端末から商品を検索するとブザーが鳴り、探しやすくなるなどの利点がある。
これら新製品の発表は、NECがRFIDタグの実証実験設備として東京の平和島に開設した「NEC RFIDイノベーションセンター」で行われた。ここでは、RFIDタグが付いた商品が同時に2つのゲートを通っても干渉しないというスマートフロントコントローラのデモが披露された。
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