【TOUGHBOOKレポート(Vol.3)】「TOUGHBOOK CF-H1」をチェックする!

2008年12月9日(火) 14時19分
「TOUGHBOOK CF-H1」の画像
「TOUGHBOOK CF-H1」
背面のストラップに手を通すと本体にフィット。院内では片手で保持できることも重要な要素だの画像
背面のストラップに手を通すと本体にフィット。院内では片手で保持できることも重要な要素だ
電源ボタン、カメラボタンなどは本体左サイドに配置の画像
電源ボタン、カメラボタンなどは本体左サイドに配置
専用のペンは上部にマウントされているの画像
専用のペンは上部にマウントされている
非常に感度がよく、入力しやすい印象をうけるの画像
非常に感度がよく、入力しやすい印象をうける
院内感染防止のために何度も本体を拭く必要がある現場では、クリーニングユーティリティーは役に立つの画像
院内感染防止のために何度も本体を拭く必要がある現場では、クリーニングユーティリティーは役に立つ
バーコード、RFIDのボタンは取っ手部分にも搭載されているの画像
バーコード、RFIDのボタンは取っ手部分にも搭載されている
右上にある指紋認証センサー。カルテや重要なデータを閲覧する場合には欠かすことのできない機能だの画像
右上にある指紋認証センサー。カルテや重要なデータを閲覧する場合には欠かすことのできない機能だ
背面にはカメラを設置。患者の様子(患部)などを撮影して送信したり、保存しておくことが可能だの画像
背面にはカメラを設置。患者の様子(患部)などを撮影して送信したり、保存しておくことが可能だ
バッテリーは本体左右に計2個搭載している。一方のバッテリーがなくなっても片方のバッテリーで動作し続けるの画像
バッテリーは本体左右に計2個搭載している。一方のバッテリーがなくなっても片方のバッテリーで動作し続ける
クレードルの画像
クレードル
クレードルの画像
クレードル
クレードルの画像
クレードル
クレードルの画像
クレードル
 パナソニックのモバイルパソコン「TOUGHBOOK CF-H1」は、ヘルスケア市場向けということで、堅牢設計や耐薬品性能に主眼を置いて作られている。実機が手元に届いたのでその使い勝手やインプレッションをレビューしたい。

●堅牢設計、耐水性能など、パナソニックの技術が活かされた筐体

 キーボードがないというのが外観上の大きなポイントであるが、上部に付いたハンドルや背面のストラップなど、従来のパソコンとは違った部分も多い「TOUGHBOOK CF-H1」。まず手に取ってみて驚いたのはその軽さだ。カタログスペックは約1.5kg(バッテリー含む)。ハンドル部分もしっかり作られているのか、体感的にはかなり軽い。特に背面のストラップに手をくぐらせて持った時の一体感は抜群にいいと思う。まるで本を持っているような感触だった。

 同社のTOUGHBOOKシリーズで培われた堅牢設計もしっかりと受け継がれていて、外装は樹脂ながらもガッシリとした作り。隙間があって内部からカタカタ音がするようなことは微塵もない。凹凸を極力少なくしようと心がけたというフォルムは丸みを帯びていて、どこか優しい印象だ。表面に見える端子類は、クレードルへ接続するためのコネクタが底面にあるのみ。電源用のDC端子は右側面のカバーを開くことで利用できる。同じく左右側面にはバッテリーを着脱するためのカバーもあるが、簡単に外れてしまわない配慮もあってか少しだけ固いようだ。また、カバーの裏側には柔らかいウレタン(ゴム)が貼り付けてあり、水分が侵入しないようになっていた。

 耐衝撃性能ももちろん高く、各面・辺・角の計26方向に対し、高さ90cmからの落下試験が実施されている(非動作時)。内部基板はマグネシウムの筐体でサンドイッチされているそうだ。ぜひ開けてみたいとも思ったが、ネジ穴もきれいにシーリング処理されていた。排気孔も設けられていないので、まさに360度どの角度からの水滴にも耐える設計になっているわけだ。

●TOUGHBOOK CF-H1は実は超静音モバイルノートだ!!

 電源ボタンは表面の右上。軽く触れるとバックパネルが点灯してWindowsを読み込むが、あまりの静かさにびっくりしてしまった。耐衝撃性や防滴性能は製品発表会のデモンストレーションでも見たが、この静かさは驚きかもしれない。これまで何百台ものノートパソコンを見てきたつもりだが、TOUGHBOOK CF-H1は「動作している」という気配がないのだ。かろうじて背面に耳をくっつけるとHDDが動いているような音は確認できるが、30cmも離せばまったくわからない。通気孔がないとはいえ、HDD搭載タイプでこれほどの静音化が実現できる技術はすごいと思う。

 何十秒かすると、見慣れたWindowsの画面が表示される。評価機のOSはWindows XP Tablet PC Edition 2005(SP3)。CPUがインテルのAtom Z540(1.86GHz)、メモリーが1GBというスペックを考えると、軽いXPのほうが適しているのかもしれない。実際にはVistaモデルも用意されている。

 AtomはTDPが数ワットという省電力設計でありながら、高い処理能力を持つCPU。オフィス系のアプリケーションやインターネットの利用であれば過不足のない性能だ。性能と省電力を兼ね備えたAtomのバランスのよさが、TOUGHBOOK CF-H1には欠かせない要素になっているのは間違いないだろう。OSの起動時間も長いとは思わなかったし、フォルダ間の移動などもキビキビして遅いと感じることもなかった。

●洗練されたタッチパネルと専用ペン入力はタブレットPCでは最高の出来映えだ!

 TOUGHBOOK CF-H1の大きなポイントであるタッチパネルについても見ていこう。クレードルに乗せて使うこともできるが、病室間を移動しながらの使用が想定されているため、実際はタブレットPCのような使い方が求められている。一般的なタブレットPCはかなりモデルが増えてきたとはいっても、タッチパルやペン入力の操作性や感触にまだまだ改善点が多い。TOUGHBOOK CF-H1はどうなっているだろうか?

 まずは手で触れてみる。感圧式のセンサーはほぼ問題なく狙った位置にカーソルを当ててくれる。表面に薄いフィルムが貼られているからなのか、少しだけ反応が固いようだが、指で操作するのが楽しくなるくらい感触はいい。各種アプリケーションの起動なども簡単に行えた。

 次はペン入力だ。ハンドル部分にマウントされていて、いつでも即座に取り出せるような配慮がなされている。電子カルテをすぐに書き込みたいという場合にも有効だ。左手で背面のストラップを持ち、右手で書く。この一連の動作がスムーズにできるのは、現場の看護師などからすればかなりありがたいのではないだろうか。もちろん、左利きの人でも問題ない。

 とりあえず、OSが持っているペン入力アプリケーション「Windows Jounal」を起動して文字を書いてみることにしたが、非常に入力の感触がいい。今まで触ってきたタブレットPCの中では最高の出来だと思う。タブレットPCというのは、狙ったところにカーソルがこなかったり、希望する筆圧が反映されなかったりとあまりいい思い出がないのだが、TOUGHBOOK CF-H1の専用ペンはまるで鉛筆やボールペンで書いているかのような使い心地。パネルと専用ペンがお互いに通信しながら位置を把握しているということなのだが、精度、速さともに文句なしのレベルだ。組み合わされるアプリケーションにもよるだろうが、ノートに書き付けている感覚で文字入力ができるだろう。専用ペンによる入力とタッチパネルによる入力もきちんと優先順位があり、基本的に専用ペンでの入力が優先される。手をパネルに置いて書き付ける時には誤動作を防止する役目もある。

●細かいデバイスやユーティリティでさらに快適に。その可能性は無限大!

 院内感染の防止などを目的としたクリーニングユーティリティも面白い。ユーティリティは右下の「A2」ボタンで起動できるが、画面全体が赤茶色(※デフォルトの色。変更可)のフィルターがかかったような状態となり、実際に布で拭き取っていくことでクリアになっていく。画面の左上には「○○%」という数値も表維持され、どこまで拭き取れたのかを示すようになっている。隅から隅まできれいに拭き、100%にするにはなかなかの根気がいるが、100%に近くなると「終了」と「継続」を選ぶこともできた。クリーニングは必要なら自動的にパソコン側が判断してユーティリティを起動するので、つい忘れてしまいがちになることも防げるだろう。アルコールの拭き取り耐久性はきっちりと確保されているというので、毎日拭いても大丈夫とのこと。

 そのほか、本体内にはカメラやバーコードリーダー、RFID、指紋認証センサーなども組み込まれている(バーコードリーダー非内蔵モデルも用意されている)。いずれも電源ボタンの下に一発起動できるボタンが設置してあり、使いやすさに配慮されている。試しにカメラを起動してみると、背面に設置されたレンズからの像を即座に画面上に表示してくれた。もう一度カメラボタンを押すとシャッターが切れて撮影終了。保存するかどうかはタッチパネルで選べばいい。バーコードリーダーは、患者の腕などに付けられている情報を読むもので、患者の名前、薬の投薬量や担当医師などを確認できる。投薬ミスなどを防ぐ有効な手段になるだろう。また、バーコードとRFIDの2つはハンドル上部にも起動ボタンを設置。この2つだけはハンドルを持ったままの状態からすぐに作業に移れるようになっている。

 本体内に組み込まれた無線LANは、基本的にほかのノートパソコンと同様だった。きちんと設定すれば普通にインターネット閲覧やメールができる。ハイパーリンクをたどるだけのブラウジングなら、指で叩いていけばいいだけなのでスピーディーだ。バッテリーは2セルタイプで、左右に1つずつが格納されている。2つを利用した場合の最大駆動時間は約8時間。実際に使ってみるともう少し短いが、片方が切れそうになってももう片方で駆動できるので安心感は高い。ホットスワップにも対応しているため、起動しながらのバッテリー交換も容易だ。通常のノートパソコンは4セルで4〜5時間駆動がせいぜいなので、やはりこれもTOUGHBOOKシリーズで培った長時間駆動が生かされているのだと思う。

 総じて静音性、タッチパネル&専用ペンの使い心地、基本的なハードウェアスペックの高さなどで使い心地は良好。特に専用ペンの精度と速さはこれまでのタブレットPCの常識を覆しそうなレベルに仕上げられていて、病院以外での転用も考えられるのではないだろうか。音が静かなのも好印象で、ぜひ手に取って感じてほしいと思った次第である。
《RBB TODAY》
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