東芝、高性能映像処理プロセッサ「SpursEngine」のPRイベントを秋葉原で開催!
今回のイベントでは、同社だけでなくSpursEngineに対応したPCボードやアプリケーション、ミドルウェアを開発する12社の協賛企業がプレゼンテーションを実施。入場無料ということもあり、店舗の前には開場前から長蛇の列ができあがっていた。
最初にプレゼンテーションを行ったのは東芝。「SpursEngineのアーキテクチャ コーデックだけじゃない。SPE×4の底力」と題して基本設計や開発背景などを説明した。プレゼンテーションを担当した同社システムLSI事業部マルチメディアSoC応用技術部課長の古山良雄氏によれば、SpursEngineの開発背景には「HD映像のデータ容量や編集・変換処理時間の増大、検索機能、画像認識というデジタルAVの課題を、何かのプロセッサで解決できないか」という問題意識にあったという。
SpursEngineは、次世代ゲーム機PS3で使われているCell Broadband Engineと共通ののコアSPEを4基と、フルHD対応のエンコーダ/デコーダを搭載する高性能メディアストリーミングプロセッサ。デジタル映像の認識や編集などの映像処理を、高速でリアルタイムに行える。高度で柔軟な処理はSPEで行い、定型処理によるパフォーマンスを必要とする処理をハードウェアエンジンで行うハイブリッド型にすることで、高い処理性能とともに低消費電力を達成。TDP10W台で動作し、休止状態なら1W以下になるという。
また、複数同時使用が可能で、複数のアプリケーションが複数のボードを使ったり、複数のアプリケーションが別々のボードを使うことが可能。さらに、地デジ番組などの再生とデータ変換を同時に行った場合、現状システムではスムーズな処理が行えずCPUの性能を十分に発揮できないが、SpursEngineならCPUの処理能力を上げずに高性能処理を行えるメリットを持つ。同氏は「CPUとGPUに続く新たな軸として、メディアストリーミング性能というものを提案。いままで培ってきた技術を入れた形でSpursEngineをスタートアップさせていきたい」と語った。
アプリケーション例としては、映像のトランスコード処理比較を紹介。CPUのみの処理では1時間前後かかる10分のHDコンテンツを、SpursEngine を使うことによりMPEG2形式なら約半分の5分程度、H.264形式で6分程度という時間で処理できるという結果を示した。これにより、消費電力という点でも処理時間の短縮による大幅な減少が見込めるという。
最後に同氏は「SpursEngineを使うことによりフルHDをストレスなく楽しみ、ユーザーの中でも作り込んでもらいたいと考えている」と述べ、「我々も協力企業とともに、さらに高機能で多機能な製品を開発・検討していきたい」と今後の展開を語った。
次に行われたのは、トムソン・カノープスによるエンコードボード「FIRECODER-Blu」のプレゼンテーション。FIRECODER-BluはSpursEngineを搭載したHD対応のH/Wエンコードボードで、動画ファイルをH.264/MPEG2形式のファイルにエンコードできる。同社の石倉和馬氏によれば「H.264/MPEG2ファイルへの変換時間を短縮したいユーザーや、ビデオ編集をよく行うユーザーがメインターゲット」と説明した。
変換時間の一例として、ソフトウェアのみのエンコードで約23分かかる10分間のHDV映像を、H.264形式に約4分30秒で変換することが可能。また、SD映像をアップコンバート表示するときは、「超解像技術」で従来よりもクリアに表示できるという。また、Blu-rayのオーサリングに対応した専用ソフトウェア「FIRECODER WRITER」を付属する。さらに、同製品は複数枚使用に対応。最大4枚まで同時使用でき、同氏によれば「増やせば増やすほど処理能力をアップできる」と製品の性能に自信を見せた。
各プレゼンテーション終了後には、参加者を対象にしたじゃんけん大会を開催。最後まで勝ち抜いた1名に豪華賞品がプレゼントされていた。そのほか、リードテックからは開発者向けのソフトウェア開発キットの配布が発表された。
また、セミナー会場だけでなく店舗内の各製品デモスペースにも多くのユーザーが集まっており、常に入場制限がされていたほど。イベントの注目度の高さをうかがわせた。スタッフも「ここまで人が集まるとはちょっとこれは予想外でしたね」と対応に追われながら、顔には笑みがこぼれていた。
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