複合化する脅威には次世代UTMで対応——ウォッチガード CEO Joe Wang氏

2008年11月13日(木) 12時42分
米WatchGuard Technologies CEO Joe Wang氏:XTMは3つの点でUTMより強化されているの画像
米WatchGuard Technologies CEO Joe Wang氏:XTMは3つの点でUTMより強化されている
WatchGuard Technologies 副社長 Norbert Kiss氏の画像
WatchGuard Technologies 副社長 Norbert Kiss氏
 ウォッチガード・テクノロジーズ・ジャパンのファイアウォール製品は、真っ赤な筐体のFireboxシリーズが有名だ。ブランドは知らなくても通常のサーバ製品やラックに収まるアプライアンス製品にはない「赤い色の箱」をみたことがある人は少なくないだろう。同社の製品は、価格帯が3,000ドル〜6,000ドルのセキュリティボックスの市場では世界No.1だ。

 これまで、リーズナブルな価格帯によって主にSOHOやSMEでの採用が主だったが、大規模エンタープライズ向けのハイエンドマシンもラインナップされ、日本でのUTM市場を拡大させたいとしている。そのウォッチガードの米国本社のCEOであるJoe Wang(ジョー・ワン)氏が今後の日本市場への展開や新しいUTMについて語ってくれた。まず、米WatchGuard Technologiesは2年ほど前、個人投資家組合に買収され、組織や経営陣が強化された。それに伴い業績も伸ばしているわけだが、日本のUTM市場はまだ伸びるとして積極的な投資も行うとしている。

 UTM(Unified Threat Management)は、通常のファイアウォール機能だけでなく、侵入防御、侵入検知、ログ管理、サーバーサイドアンチウィルス、同アンチスパム、URLフィルタリングなどを統合的に行うアプライアンス製品だ。Wang氏は、このUTMを拡張したXTM(eXtensible Threat Management)というコンセプトで日本でのシェアを拡大する戦略を持っている。

 XTMとUTMの違いは、「よりセキュア」「ネットワーク可用性」「柔軟な管理」の3点に集約される。セキュリティ強化については、レイヤや特定アプリケーションに依存しないレベルでさまざまな脅威から防衛できるということだ。具体的には、プロキシ機能によって、これまでのUTMが対応していた脅威だけでなく、VoIP、HTTPS、SSL-VPNを含め今後のアプリケーションの保護や脅威に対応するという。可用性は、スループットの向上だけでなくクラスタリングや冗長化によってパフォーマンスを維持させる。柔軟な管理とは、管理ソフトウェアのUI改善や、例えばHPのOpenViewのような管理ソフトウェアへの対応を挙げた。UIの改善については、「見えるファイアウォール」として各種のレポーティング機能をグラフ化して、実際の防衛状況などROIの参考になる情報を可視化する機能があるそうだ。このあたりは、SMEなどをメインターゲットとしてきた同社ならではの非技術者への配慮がうかがえる。

 このようなXTM製品とともに、今後は日本での代理店強化などパートナービジネスやSIerとのソリューションビジネスも積極的に拡大していく予定だ。分野としては金融業界や教育機関などが有力な市場候補だそうだ。教育機関については、米国ではとくに成功している市場だという。同社のHTTPSプロテクトによるウェブフィルタリング機能は、学校内のPCにおいて有効として採用されることが多い。

 Wang氏は最後に、これからはマルウェアを仕込んだメール、サイト、サービスなどこれまでの手法を複合化した脅威が拡大するとみている。防衛方法や検知方法も複雑にならざるを得ないので高機能で柔軟性の高いUTMの重要性を述べてくれた。
《中尾真二》
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